イベニティ(イベニティ注射)の効果・副作用を解説!【医師監修】
「骨粗鬆症と診断されたけれど、骨折しないか不安…」
「背中や腰が曲がってくるのを防ぎたい」
「月1回の注射で本当に骨が強くなるの?」
骨折の危険性が高い骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療において、今非常に注目されているお薬が「イベニティ」です。
せっかく治療を始めるなら、どのような効果があるのか、副作用はどうなのかをしっかり納得した上で進めたいですよね。
この記事では、イベニティの効果や副作用、正しい使い方について、医師が詳しく解説します。
目次
イベニティとは?効果は?
イベニティは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療に使われる皮下注射のお薬です。
これまでの骨粗鬆症のお薬は「骨が壊れるのを防ぐ」か「骨を作るのを助ける」かのどちらか一方の働きがメインでしたが、イベニティはその両方の働きを同時に発揮するという、画期的な特徴を持っています。
イベニティの種類(剤型)
- イベニティ皮下注105mgシリンジ
- 1回使い切りの「シリンジ(注射器)」タイプのお薬です。
- ご自身で注射するのではなく、医療機関を受診して医師や看護師に注射してもらいます。
- 通常、1回の受診で2本の注射(合計210mg)を、お腹や太もも、上腕などの皮下に注射します。
- 1ヶ月に1回、合計12ヶ月(1年間)継続して使用するお薬です。
イベニティの成分
有効成分は「ロモソズマブ(遺伝子組換え)」です。
骨の形成を抑える「スクレロスチン」というタンパク質の働きを邪魔することで、骨を作る働きを強力に後押しします。
イベニティの効果
- 骨を作る細胞(骨芽細胞)の活性化:新しい骨を作るスピードをぐんと早めます。
- 骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑える:骨が壊されてもろくなるのを防ぎます。

このダブルの作用により、短期間(1年間)で集中的に骨密度を高め、骨折のリスクを大幅に下げることが期待できます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 骨折の危険性の高い骨粗鬆症
- すでに骨折したことがある方
- 骨密度が著しく低く、今後骨折するリスクが非常に高いと医師が判断した方
イベニティはオンライン診療で出せる?
イベニティは厳密な温度管理が必要であり、医療機関にて医師や看護師による皮下注射が必須となるお薬です。
そのため、現在ウチカラクリニックのオンライン診療では、イベニティの取り扱い・処方は行っておりません。
イベニティによる治療をご希望される場合や、現在治療中でご継続を希望される場合は、お近くの整形外科など、対面診療を行っている医療機関をご受診ください。
ウチカラクリニックでは、イベニティの取り扱いはございませんが、風邪やアレルギー症状、生活習慣病など、日常的な体調不良に対するオンライン診療を行っております。
特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「いつもの飲み薬を切らしてしまった」といった場合などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
イベニティの使い方(用法・用量)
- 通常、成人には1回210mg(105mgのシリンジ2本)を、月に1回注射します。
- 注射する場所:お腹、太もも、または二の腕(上腕部)です。
- 期間:治療期間は「12ヶ月間(1年間)」と決められています。
※注射する場所は毎回同じ場所にならないよう、少しずつずらして注射します。必ず医師や看護師の指示に従って治療を受けてください。
イベニティの副作用
主な副作用
- 注射部位の痛み、腫れ、赤み、かゆみ
- 関節痛
- 頭痛
- 筋肉痛
- 鼻咽頭炎(風邪のような症状)
副作用が出たときの対処法
注射部位が赤く腫れたり痛んだりすることがありますが、多くは数日以内におさまります。痛みが気になるときは、注射した場所を揉んだりこすったりせず、安静に過ごしましょう。

また、非常にまれですが、血中のカルシウムが不足して手足がしびれる「低カルシウム血症」や、あごの骨のトラブル(顎骨壊死)、太ももの骨の珍しい骨折などが起こることがあります。手足のしびれ、あごの痛みや歯ぐきの腫れ、太ももや足の付け根の痛みを感じた場合は、すぐに主治医に相談してください。
イベニティの注意事項(禁忌)
使用に注意が必要な方
服用してはいけない方(禁忌)
- 低カルシウム血症のある方(あらかじめカルシウム値を正常にする必要があります)(禁忌)
- 過去にイベニティの成分で過敏症(アレルギー)を起こしたことがある方(禁忌)
- 過去1年以内に心筋梗塞や脳卒中を起こしたことがある方(症状を悪化させる恐れがあるため、原則として使用を避けます)(禁忌)
- 妊娠中・または妊娠している可能性がある方、授乳中の方(禁忌)
特に注意して使う方(慎重投与)
- 腎機能が著しく低下している方(低カルシウム血症を起こしやすいため)
- 心血管系の病気のリスク(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)をお持ちの方
- 脳血管障害のリスクが高い方
併用に注意が必要な薬
現在、特に報告されている併用禁忌(絶対に一緒に使ってはいけない薬)はありませんが、他の骨粗鬆症治療薬から切り替える場合などは、医師による慎重な判断が必要です。
他の病院でお薬をもらっている場合は、必ずお薬手帳を医師や薬剤師に見せてください。
使用上の注意
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カルシウムとビタミンD | 骨を作るために必要なため、食事やサプリメントで十分に摂取しましょう。 |
| 歯科治療 | 稀に顎の骨にトラブル(顎骨壊死)が起きることがあります。抜歯などの予定がある場合は必ず伝えてください。 |
| 定期的な血液検査 | カルシウム値などが異常になっていないかを確認するため、定期的な検査が必要です。 |
| 治療期間は1年まで | 12ヶ月を超えての使用はできません。終了後の治療計画を医師と相談しましょう。 |
| 終了後の継続治療 | 12ヶ月で治療が終わった後、そのままにすると再び骨密度が下がってしまいます。必ず別のお薬(骨が溶けるのを防ぐ薬など)に切り替えて治療を続けましょう。 |
| 体調の変化に注意 | 胸の痛み、息切れ、手足のしびれ、話しにくさなどの症状(心筋梗塞や脳卒中などを疑うサイン)が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。 |
保管方法
イベニティは温度管理が必要なため、ご自宅ではなく、基本的には医療機関の冷蔵庫で保管・管理されます。
もし持ち帰る場合は、冷蔵庫(2〜8℃)で保管し、凍結させないように注意してください。
注射を打ち忘れたら?
予定していた日に受診できず注射が遅れてしまった場合は、気づいた時点ですぐに受診日を再予約し、可能な限り早く注射を受けてください。
その後の注射は、新しく注射した日から1ヶ月間隔となります。
ウチカラクリニックのオンライン診療では、症状に合わせたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。


※心療内科ではシステム手数料をいただいております
イベニティに市販薬はある?値段は?
市販薬
イベニティと同じ成分(ロモソズマブ)を含む市販薬はありません。
医師の診断と処方、および医療機関での処置が必要な薬剤です。
ジェネリック
現在、イベニティのジェネリック医薬品(後発品)は発売されていません。
薬価
| 薬剤名 | 区分 | 薬価(1本あたり) | 1回(2本)の3割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| イベニティ皮下注105mgシリンジ | 先発 | 約25.1円/本 | 約15.1円 |
※2026年8月現在 の価格です。
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
※別途、再診料や注射手技料などがかかります。
添付文書
まとめ
イベニティは、骨を作る力と守る力の両方を高めることで、骨折リスクの高い方の骨を短期間で強くしてくれる頼もしいお薬です。
1年間という期限付きの集中治療ですが、その分、骨折リスクの高い方にとっては非常に心強い味方となります。
※現在、ウチカラクリニックではイベニティの取り扱いはございません。イベニティによる治療をご希望の方は、お近くの整形外科等をご受診ください。
ウチカラクリニックでは、風邪症状や花粉症などのアレルギー、生活習慣病など様々な症状に対して、オンライン診療を行っております。
- スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
- 対面診療と料金は変わらず、安心してご利用いただけます
- お忙しい方でも安心の年中無休で診療
- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
通院の手間なく、ご自宅から医師の診察を受け、症状に合った適切なお薬を処方してもらうことが可能です。つらい症状にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
妊娠中・授乳中でも使えますか?
治療上のメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されますが、基本的には妊娠中の方への使用は推奨されません。授乳中の方についても、治療を優先する場合は授乳を中止するかなどを医師と慎重に相談する必要があります。
小児(子供)でも使えますか?
小児等に対する安全性や有効性は確認されていません。基本的には成人の骨粗鬆症患者さんに処方されるお薬です。
運転しても大丈夫ですか?
注射後に運転をしてはいけないという直接的な制限はありません。ただし、注射の痛みの影響などで気分が悪くなったり、めまいを感じたりした場合は、無理に運転をしないでください。
いつから効き始めますか?
注射をしてから2週間〜1ヶ月程度で血液中のカルシウム値などに変化があらわれはじめ、骨を作る働きが活発になります。その後、12ヶ月間継続することで骨折を防ぐ強い骨を作っていきます。
お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?
イベニティの成分とお酒が直接悪影響を及ぼし合うことはありません。しかし、過度な飲酒は転倒による骨折のリスクを高め、骨の健康にも良くありません。治療中はできるだけ適度な飲酒を心がけましょう。
月に1回の治療ですが、なぜ「2本」打つ必要があるのですか?
イベニティで十分な効果を出すためには、1回あたり「210mg」のお薬を体に入れる必要があります。しかし、1本の注射器には半分の「105mg」しか入っていません。一度に大量の薬液を注射すると痛みが強くなってしまうため、お腹や太ももなど「2箇所」に分けて1本ずつ注射する工夫がされています。
治療が12ヶ月(1年間)で終わる理由は何ですか?
イベニティによる「新しい骨を作る働き」は、使い始めてから12ヶ月間で最も高まることが臨床試験で確認されており、それ以降長く続けても効果が期待しにくいためです。