【漢方】桂枝茯苓丸加薏苡仁の効果・副作用を医師が解説【女性特有の肌トラブルに】

桂枝茯苓丸加薏苡仁

「生理前になると、決まってフェイスラインにニキビができる」「シミや肌荒れも気になるけど、生理痛や冷えのぼせもつらい…」

そんな、肌トラブルと、女性特有の不調の両方にお悩みではありませんか? 「桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)」は、血の巡りを改善する「桂枝茯苓丸」に、肌をきれいにする生薬「薏苡仁」をプラスした、特に女性に人気の漢方薬です。

この記事では、そんな桂枝茯苓丸加薏苡仁について、漢方ならではの効果の仕組みや副作用、そして正しい飲み方を、医師が分かりやすく正確に解説していきます。

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桂枝茯苓丸加薏苡仁とは?効果は?

桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)は、漢方でいう「瘀血(おけつ)」(血の滞り)を改善する「桂枝茯苓丸」に、肌荒れやイボなどに効果のある「薏苡仁(ヨクイニン)」を加えた処方です。血行を促進してホルモンバランスの乱れなどからくる婦人科系の症状を和らげると同時に、肌のターンオーバーを促し、皮膚のトラブルを改善します。

医療用では、主に「ツムラ桂枝茯苓丸加薏苡仁エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。錠剤タイプも存在しています。

桂枝茯苓丸加薏苡仁の成分

桂枝茯苓丸加薏苡仁は、以下の6種類の生薬(しょうやく)で構成されています。

  • 桂枝茯苓丸の構成生薬(5種類):桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬
     →滞った「血」の巡りを良くし、のぼせや冷え、生理痛などを改善する。
  • 薏苡仁(ヨクイニン)
     →ハトムギの種皮を除いたもの。皮膚の水分代謝を促し、炎症を抑え、肌の再生を助ける働きがあり、「肌の美容薬」として知られています。

漢方では、血の巡りが悪い「瘀血」の状態になると、肌に栄養が届きにくくなったり、老廃物が溜まったりして、ニキビやシミ、肌荒れの原因になると考えます。
この漢方薬は、血行を改善して婦人科系の不調を整えつつ、ヨクイニンの力で肌トラブルも一緒にケアするという、ダブルの効果が期待できます。

桂枝茯苓丸加薏苡仁効果

血行促進と肌への作用により、様々な症状を和らげます。

  • 皮膚症状:ニキビ、シミ、そばかす、手足のあれ、いぼ
  • 婦人科系:生理痛、月経不順、月経困難、更年期障害(のぼせ、冷えなど)
  • その他:肩こり、頭重、めまい

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足は冷えるなどを訴えるものの次の諸症
    • にきび、しみ、湿疹・皮膚炎、月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、肩こり

桂枝茯苓丸加薏苡仁はオンライン診療で出せる?

「肌荒れや生理痛が酷い」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

桂枝茯苓丸加薏苡仁のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
桂枝茯苓丸加薏苡仁に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

桂枝茯苓丸加薏苡仁の使い方(用法・用量

1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。

通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。

桂枝茯苓丸加薏苡仁の副作用

漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。

主な副作用

  • 発疹、かゆみなどの皮膚症状
  • 胃の不快感、食欲不振、下痢などの消化器症状
  • 肝機能の異常(体がだるい、皮膚や白目が黄色くなるなど)

副作用が出たときの対処法

何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。

※多くの漢方薬で注意が必要な「偽アルドステロン症」の原因となる甘草(カンゾウ)は、この漢方薬には含まれていません。

桂枝茯苓丸加薏苡仁の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性→流産報告もあり
  • 体力の著しく衰えている方(この薬は、ある程度体力がある方向けです)
  • 重度肝障害→桃仁で肝酵素上昇例
  • 胃腸が非常に弱く、下痢をしやすい方

併用に注意が必要な薬

絶対に使ってはいけないお薬(併用禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。

  • 抗凝固薬ワルファリン
  • DOAC・アスピリンなど抗血小板剤
  • 他の駆瘀血漢方(桂枝茯苓丸・桃核承気湯)

使用上の注意

漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。

この漢方薬は、比較的体力があり、のぼせやすいなどの特徴がある「瘀血」体質の方に適しています。

1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、桂枝茯苓丸加薏苡仁をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

桂枝茯苓丸加薏苡仁に市販薬はある?値段は?

市販薬

「ホルモンバランスの乱れによるニキビ・シミに」といった目的で、「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料加薏苡仁エキス錠などの名前で、多くのメーカーから市販されています。

ジェネリック

漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。

しかし、ツムラ以外にも、クラシエなど、複数のメーカーが同じ「桂枝茯苓丸加薏苡仁」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ツムラ桂枝茯苓丸加薏苡仁エキス顆粒(医療用):約37.3円/包(3割負担の場合:約11円)
  • クラシエ桂枝茯苓丸加薏苡仁エキス細粒(医療用):約20.3円/包(3割負担の場合:約6円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁エキス顆粒(医療用)

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
妊娠中の方は原則として服用を避けるべきお薬です。 血の巡りを良くする作用から、流早産の危険性があります。また、授乳中も自己判断はせず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか?
主に成人の、特に女性の体質に合わせて作られた漢方薬であり、通常、小児には使用しません。

Q. いつから効きますか?
漢方薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性は期待しにくいです。個人差はありますが、まずは1ヶ月以上、毎日きちんと飲み続けることで、肌の調子や生理痛などに少しずつ変化が現れてくることが多いです。赤ニキビは2週間〜、色素沈着は3か月が目安です。

Q. ベースの「桂枝茯苓丸」との違いは何ですか?
肌をきれいにする「薏苡仁(ヨクイニン)」がプラスされている点です。血の巡りを良くする基本的な働きは同じですが、桂枝茯苓丸加薏苡仁は、生理痛などの婦人科症状に加えて、ニキビやシミ、肌荒れといった皮膚の悩みも同時に改善したい場合に適しています。

Q.ニキビだけが悩みの場合でも飲んでいいですか?
この漢方薬が最も効果を発揮するのは、ニキビの原因に「血の滞り(瘀血)」が関係している場合です。生理前に悪化する、顔がのぼせやすい、足が冷える、肩がこる、といった瘀血のサインがある方のニキビには特に効果が期待できます。

まとめ

桂枝茯苓丸加薏苡仁は、滞った「血」の巡りを改善する「桂枝茯苓丸」に、肌の調子を整える「薏苡仁」をプラスした、特に女性に嬉しい漢方薬です。

生理痛や更年期の不調と、ニキビやシミ、肌荒れといった、心と体、そして肌の悩みをまとめてケアする効果が期待できます。 効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。気になる症状がある方は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。