セレスタミン配合錠の効果・強さ・副作用について。眠気や即効性は？医師が解説！

「なかなか治らない、ひどいじんましんに処方された」「すごく効くけど、ステロイドが入っていると聞いて少し怖い…」

セレスタミン配合錠は、つらいアレルギー症状に対して非常に優れた効果を発揮する一方、その成分について正しく理解し、注意深く使うことがとても大切な、専門的なお薬です。

この記事では、セレスタミン配合錠の強力な効果の理由と、知っておくべき副作用や注意点について、医師が分かりやすく正確に解説していきます。

セレスタミンとは？効果は？

セレスタミンの成分

ベタメタゾン（ステロイド系抗炎症薬）とd-クロルフェニラミンマレイン酸塩（抗ヒスタミン剤）この2成分の組み合わせられたお薬です。

１錠のベタメタゾン量はプレドニゾロン換算で約 2.5 mg程度です。内服ステロイドとしては中等度にあたります。

セレスタミンの効果

• ベタメタゾン
  炎症を根本から強力に抑えるステロイド（副腎皮質ホルモン）です。アレルギーによるつらい炎症や腫れを鎮める、この薬の“主役”とも言える成分です。
• d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
  アレルギー症状の原因「ヒスタミン」の働きをブロックする、第一世代の抗ヒスタミン薬です。効果はシャープですが、脳に作用しやすいため、強い眠気を引き起こします。

つまり、ステロイドで炎症を鎮め、抗ヒスタミンでかゆみやくしゃみをブロックします。

どんなときに使う？（適応疾患・部位）

• 蕁麻疹（急性）：赤み・ミミズ腫れのかゆみを素早く抑える
• アレルギー性鼻炎：くしゃみ・鼻水・鼻づまりの緩和
• 湿疹・皮膚炎の急性期／増悪期：ジュクジュク・ヒリヒリが強いときの短期コントロール
• 薬疹：薬が原因の発疹を沈める

セレスタミンはオンライン診療で出せる？

「毎年花粉症で、眠くならない薬が欲しい」「じんましんが急に出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

セレスタミンのようなアレルギー治療薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

特に、既にアレルギー性鼻炎やじんましんと診断されていて、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

セレスタミンの使い方（用法・用量）

成人では1回1～2錠を1日1～4回経口で服用します。

症状が落ち着いたら速やかに減量・中止するのが基本です。漫然と続けるのはNGです。

セレスタミンの注意事項（禁忌）

併用に注意が必要な薬

• デスモプレシン（夜間頻尿の薬）：低ナトリウム血症が発現するおそれ
• 睡眠薬・抗不安薬：眠気が強まる可能性
• MAO阻害薬：抗ヒスタミン作用が遷延・増強
• リファンピシン・フェニトイン：ステロイド代謝が向上することで、効果が減少

使用上の注意

セレスタミン配合錠には抗ヒスタミン成分が含まれており、これには神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを阻害する抗コリン作用も含まれています。

そのため、次のような方は抗コリン作用により症状が悪化する可能性があるので使用はできません。

• 閉塞隅角緑内障：眼圧が上昇し、症状を悪化させる可能性
• 前立腺肥大：抗コリン作用により排尿困難や尿閉が起こり、症状が悪化する可能性

また、眠気が出るため車の運転や高所作業は控えめに。

長期使用では、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすいので短期集中を心がけましょう。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
• 子どもの手の届かない場所に置いてください。

飲み忘れたら？

気付いた時が8時間以内ならすぐ1錠服用。次の予定時間が近い場合は1回飛ばして次の分から服用しましょう。

2回分をまとめて飲むのはNGです。

セレスタミンの副作用

主な副作用

• 眠気・集中力低下
• 口渇・便秘
• 胃もたれ・食欲増進
• 感染症悪化（かぜが治りにくい等）

重い副作用として、発熱・のどの激痛、黒色便、視界がかすむ、全身のむくみ等もあります。そのような症状が出たらすぐ受診しましょう。

副作用が出たときの対処法

• 眠気・集中力低下：夜間服用・車の運転を控える
• 口渇・便秘：水分＋食物繊維を意識
• 胃もたれ・食欲増進：胃薬の併用や少量頻回食の取り入れ
• 感染症悪化（かぜが治りにくい等）：早めに医師へ相談を

セレスタミンに市販薬はある？値段は？

市販薬

セレスタミン配合錠は医療用医薬品ですので、医師の処方箋が必要です。ドラッグストアなどで購入することはできません。
自己判断で使用するのではなく、まずは病院を受診し、症状や体質に合った適切な薬を処方してもらうことが重要です。

ジェネリック名

などがあります。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

• セレスタミン配合錠（先発品）：約8円
• エンペラシン配合錠（後発品）：約6.1 円

※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

セレスタミン配合錠／セレスタミン配合シロップ

よくある質問（FAQ）

Q. 妊娠中や授乳中でも使える？
妊娠中は、動物実験で催奇形性が報告されていて、新生児に副腎不全を起こす可能性があります。授乳中も、母乳への移行が確認されています。
原則使用は避け、使用する場合も必要最小限に限定し医師と相談しましょう。

Q. 小児でも使える？
小児にも使われますが、特に慎重な投与が必要です。ステロイドは成長に影響を与える可能性もゼロではないため、必要最小限の量を短期間使用するのが原則です。必ず医師の指示に従ってください。

Q. 運転への影響は？
眠気がでやすいお薬なので、そのような副作用が大きい人は避けた方がいいでしょう。

Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る？
症状や個人差によりますが、抗ヒスタミン作用は30分〜1時間、ステロイド作用は数時間で体感し始めることが多いです。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫？
アルコールで眠気や胃への負担が増えるので、治療期間中は控えめにしましょう。

Q. なぜステロイドが入った強い薬を処方されたのですか？
通常の抗ヒスタミン薬では抑えきれない、ひどい炎症やアレルギー症状を、まずは短期集中で一気に鎮める目的で処方されることが多いです。「火事」で例えるなら、大火事を強力な消火器で一気に消し止めるようなイメージです。

Q. 飲むと太ったり、顔が丸くなったりしますか？
ステロイドの副作用として食欲増進や脂肪の再分配（ムーンフェイスなど）は有名ですが、これらは比較的高用量を長期間続けた場合に出やすい副作用です。医師の指示通り、短期間の服用であれば、過度に心配する必要はありません。ただし、食欲が増すことはあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

Q. 症状が良くなったら、自分でやめてもいいですか？
絶対にダメです。 急にやめると危険な離脱症状が起こる可能性があります。必ず医師の指示に従って、減量・中止してください。

まとめ

セレスタミン配合錠は、抗ヒスタミン薬とステロイドの2つの成分で、つらいアレルギー症状を強力に抑えるお薬です。

その強力な効果の半面、強い眠気や、ステロイドによる様々な副作用のリスクがあり、緑内障の方などが使えないといった多くの注意点があります。特に、自己判断で急に中断しないこと、服用中は運転しないことは、絶対に守らなければいけません。

医師の管理のもとで、期間や量を守って正しく使えば、これほど頼りになる薬はありません。特徴をよく理解し、不安な点は医師や薬剤師に相談しながら治療を進めましょう。