
「繰り返しできる、赤くて化膿しやすいニキビに悩んでいる」「じんましんや湿疹がなかなか治らない…」
そんな、初期段階の皮膚トラブルにお悩みではありませんか? 「十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)」は、体の中から“毒”を追い出し、皮膚の炎症や化膿を鎮めることで、化膿性のニキビやおでき、湿疹などを改善する、皮膚科領域で広く使われる漢方薬です。
この記事では、そんな十味敗毒湯について、漢方ならではの効果の仕組みや副作用、そして正しい飲み方を、医師が分かりやすく解説していきます。
漢方の処方は
ウチカラクリニックのオンライン診療で!

- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:09:00-22:00

診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
漢方のオンライン診療
INDEX
十味敗毒湯とは?効果は?
十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)は、化膿しやすいタイプの皮膚疾患の初期に使われる漢方薬です。その名の通り、10種類の生薬で構成され、皮膚の炎症や化膿の原因となる「毒」を「敗(やぶ)る」働きがあります。
医療用では、主に「ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。錠剤タイプも存在しています。
十味敗毒湯の成分
十味敗毒湯は、以下の10種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
- 荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、柴胡(サイコ)、川芎(センキュウ)など
→体表の邪気を発散させ、血行を促進する。 - 桔梗(キキョウ)、桜皮(オウヒ)
→膿を排出しやすくする(排膿作用)。 - 茯苓(ブクリョウ)、独活(ドッカツ)
→体内の余分な水分を取り除く。 - 甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)
→全体の働きを調和させ、胃腸を保護する。
漢方では、体質や外部からの刺激によって、皮膚に「熱」や「湿」、「毒」が溜まると、化膿性のニキビやおできができると考えます。
十味敗毒湯は、これらの生薬が協力して、穏やかな抗炎症作用、抗菌作用、排膿作用、血行促進作用などを発揮し、皮膚のトラブルを体の内側から改善します。
十味敗毒湯の効果
皮膚の炎症や化膿を抑え、体質を改善することで、様々な皮膚症状を和らげます。
- 化膿性のニキビ、おでき(せつ、癰)
- じんましん、湿疹、皮膚炎
- 水虫(みずむし)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫
十味敗毒湯はオンライン診療で出せる?
「ニキビがしつこくて塗り薬だけじゃおさまらない」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
十味敗毒湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
十味敗毒湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
十味敗毒湯の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。
十味敗毒湯の副作用
正しく使えば安全性の高い薬ですが、体質に合わない場合に副作用が出ることがあります。
主な副作用
- 胃腸症状:食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢など
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
構成生薬の「甘草(カンゾウ)」の長期・大量服用により、偽アルドステロン症がまれに起こることがあります。主な症状は、むくみ、血圧の上昇、手足の脱力感・しびれ、筋肉痛などです。
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。
十味敗毒湯の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 体の虚弱な方(体力の衰えている方、体の弱い方)
- 胃腸が非常に弱く、下痢をしやすい方
- ご高齢の方
- 高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けている方
併用に注意が必要な薬
絶対に使ってはいけないお薬(併用禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。
- 他の漢方薬(特に「甘草」を含むもの)
- ループ/チアジド利尿薬→低カリウム血症リスク
- ステロイド内服→偽アルドステロン症の加算
- 抗菌薬ミノサイクリン→肝障害リスクがやや上昇
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
十味敗毒湯は、比較的体力がある方向けの処方です。ひどく悪化した状態や、体力が著しく落ちている場合には適さないことがあります。
1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、十味敗毒湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

十味敗毒湯に市販薬はある?値段は?
市販薬
ニキビや皮膚炎向けの漢方薬として、「「クラシエ」漢方十味敗毒湯エキス錠」や「ツムラ漢方十味敗毒湯エキス顆粒」などの名前で、多くのメーカーから市販されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、クラシエなど、複数のメーカーが同じ「十味敗毒湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用):約21.7円/包(3割負担の場合:約7円)
- クラシエ十味敗毒湯エキス細粒(医療用):約11.7円/包(3割負担の場合:約4円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
漢方薬も薬ですので、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。妊娠中は体の状態が特殊なため、慎重な判断が必要です。
Q. 子供でも使えますか?
はい、お子様の化膿しやすい湿疹や、とびひの初期などに使われることがあります。 ただし、お子様の場合は、体重や年齢に応じて服用量を細かく調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。
Q. いつから効きますか?
漢方薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性は期待しにくいです。個人差はありますが、まずは1ヶ月程度、毎日きちんと飲み続けることで、新しいニキビができにくくなる、炎症が治まりやすくなる、といった変化を感じられることが多いです。化膿性ニキビは 1〜2週間、アトピーの赤みは 2〜4 週間で改善を感じる人が多い傾向です。
Q. どんなニキビに効きますか?
炎症を起こして赤くなっているニキビや、少し膿を持っているような化膿性のニキビの初期段階に適しています。ニキビ跡や、芯のない白ニキビ・黒ニキビへの直接的な効果はあまり期待できません。
Q. 抗生物質(抗菌薬)とは違うのですか?
全く違います。 抗生物質が細菌を直接殺すのに対し、十味敗毒湯は、体の免疫バランスを整え、炎症や化膿が起こりにくいような肌環境・体質へと導くことで効果を発揮します。
まとめ
十味敗毒湯は、体の内側から働きかけて、化膿しやすい皮膚トラブルの体質を改善する、代表的な漢方薬です。
特に、繰り返しできる赤ニキビやおできの初期段階に効果が期待できます。 効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。塗り薬だけではなかなか治らない皮膚の悩みをお持ちの方は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
胃もたれ・吐き気は
ウチカラクリニックのオンライン診療で!

- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:09:00-22:00

診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
内科のオンライン診療