
「性感染症のトリコモナス症と診断され、フラジールという薬を処方された」「ピロリ菌の除菌で、メトロニダゾールという薬を飲んでいる」
フラジール(一般名:メトロニダゾール)は、細菌の中でも特殊な「嫌気性菌」や、原虫という微生物を退治する、専門的な抗菌薬です。 特に、服用中の飲酒が絶対に禁止されているなど、重要な注意点があるお薬です。
この記事では、そんなフラジールについて、効果の仕組みや副作用、注意点を、医師が分かりやすく解説していきます。
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フラジールとは?効果は?
フラジールは、「抗原虫薬・抗菌薬」に分類されるお薬です。一般的な抗生物質が効かない、特殊な微生物(原虫や嫌気性菌)に対して、優れた効果を発揮します。
フラジールには、感染症の種類に応じて、飲み薬と膣錠があります。
- フラジール内服錠250mg
- フラジール膣錠250mg:膣トリコモナス症の治療に、膣内に直接挿入して使います。
フラジールの成分
有効成分は「メトロニダゾール」です。
この成分は、酸素が少ない環境で活発になる「嫌気性菌」や「原虫」の体内で、その微生物のDNA(遺伝子)を破壊する物質に変化します。 DNAを壊された微生物は、増殖できなくなり死滅します。
人間の細胞や、酸素を好む一般的な細菌の体内ではこの変化は起こらないため、ターゲットとなる微生物にだけ選択的に作用します。
フラジールの効果
様々な原虫や嫌気性菌による感染症を治療します。
- トリコモナス症(膣、尿道など)
- 嫌気性菌による感染症(皮膚、腹腔内、歯周病など)
- 感染性腸炎
- アメーバ赤痢
- ヘリコバクター・ピロリ感染症(ピロリ菌除菌)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- トリコモナス症(膣トリコモナスによる感染症)
- 嫌気性菌感染症
- 感染性腸炎
- アメーバ赤痢
- ヘリコバクター・ピロリ感染の除菌補助
フラジールはオンライン診療で出せる?
「デリケートゾーンの症状で、病院に行くのが恥ずかしい…」「忙しくて通院する時間がない」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
フラジールのような抗菌薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
膣錠の場合も、再発であることが明らかな場合などはオンライン診療で対応できます。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
フラジールに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
直接は病院にかかりづらいデリケートなお悩みでも、経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
フラジールの使い方(用法・用量)
病気の種類によって用法・用量が大きく異なります。必ず医師の指示通りに使用してください。症状が良くなっても、医師に指示された期間、必ず最後まで飲み切ってください。
トリコモナス症の場合
通常、成人には1回250mgを、1日2回、10日間服用します。
ピロリ菌除菌の場合
通常、成人には1回250mgを、他の2種類の薬と共に1日2回、7日間服用します。
フラジールの副作用
副作用
- 胃腸症状:吐き気、食欲不振、腹痛、下痢など
- 味覚異常:口の中に金属のような味を感じることがあります。
- 発疹
- 暗赤色の尿(薬の成分によるもので、害はありません)
- 中枢神経障害:けいれん、意識障害、めまい、ふらつきなど。
- 末梢神経障害:手足のしびれ、痛みなど。
- 重い皮膚障害、血液障害、急性膵炎なども、まれに報告されています。
副作用で比較的多いのは、胃腸症状や味覚の異常です。
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
フラジールの注意事項・禁忌
使ってはいけない方
- 過去にフラジールでアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 脳や脊髄に器質的な疾患のある方(禁忌)
- 妊娠3ヶ月以内の方(禁忌)
- 飲酒している方(服用期間中および服用後3日間)(禁忌)
併用に注意が必要な薬
- ワルファリン(血をサラサラにする薬)
- リチウム製剤(精神科の薬)
- 一部の抗てんかん薬など
使用上の注意
服用中および服用後3日間は、飲酒を絶対にしない | アルコールと反応し、激しい吐き気、嘔吐、腹痛、動悸、頭痛などを引き起こす「ジスルフィラム様作用」という重い副作用が現れるためです。 |
パートナーも同時に治療する(トリコモナス症の場合) | トリコモナス症は性感染症です。ピンポン感染を防ぐため、症状がなくてもパートナーも一緒に治療を受けることが不可欠です。 |
処方された日数を必ず飲み切る | 症状が軽快しても、体内に原因となる菌や原虫が残っている可能性があります。途中でやめてしまうと、症状が再発したり、薬が効きにくい耐性菌が生まれてしまう原因になります。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
使い忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フラジールの処方や性感染症の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

フラジールに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年7月現在、市販薬は販売されていません。フラジールは医師の処方が必要な医療用医薬品です。
ジェネリック名
2025年7月現在、ジェネリック医薬品(後発品)は日本では販売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- フラジール内服錠250mg:36.2円/錠
(3割負担の場合、自己負担額は約11円/錠) - フラジール膣錠250mg:54.3円/錠
(3割負担の場合、自己負担額は約16円/錠)
※2025年7月12日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊娠中や授乳中でも使えますか?
妊娠3ヶ月以内の方は、服用することができません(禁忌)。 それ以降の妊娠期間や、授乳中の方も、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。
Q.子供でも使えますか?
はい、お子様のアメーバ赤痢などに使われることがあります。 ただし、体重に応じて、用量を細かく調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。
Q.なぜ、絶対に飲酒してはいけないのですか?
アルコールの分解を邪魔する作用があり、二日酔いの非常に重い状態(顔面紅潮、吐き気、嘔吐、動悸、頭痛など)を引き起こします。これは「ジスルフィラム様作用」と呼ばれ、非常に苦しい症状です。服用中はもちろん、服用終了後、最低3日間は禁酒が必要です。
Q.どのくらいで効きますか?
トリコモナス症などの急な感染症の場合、服用開始から数日で、おりものの異常やかゆみといった症状が和らいでくることが多いです。ただし、症状が良くなっても、処方された日数は必ず飲み切ることが重要です。
Q.パートナーも治療が必要なのはなぜですか?
膣トリコモナス症は性感染症なので、自分が治ってもパートナーに原虫が残っていると、再び感染してしまいます(ピンポン感染)。これを防ぐため、症状がなくても必ず同時に治療します。
Q.運転してもいいですか?
注意が必要です。 めまいやふらつきの副作用が報告されているため、服用中は自動車の運転など危険な作業は慎重に行うべきです。
まとめ
フラジール(メトロニダゾール)は、トリコモナス症やピロリ菌の除菌など、特殊な微生物が原因の感染症に効果を発揮する専門的な抗菌薬です。
効果が高い反面、服用中と服用後3日間は絶対に飲酒しないこと、そして症状が良くなっても処方された日数を必ず最後まで飲み切ることが、安全で確実な治療のための非常に重要なルールです。 特徴を正しく理解し、医師の指示のもとで安全に服用することが大切です。
デリケートゾーンの症状など、気になることがあれば、ウチカラクリニックのオンライン診療でも相談が可能ですので、一人で悩まずにご相談ください。
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