
「おできや、とびひなどの皮膚の感染症で、ケフレックスという薬を処方された」「L-ケフレックスという薬をもらったけど、何が違うの?」
ケフレックス(一般名:セファレキシン)は、皮膚の感染症や喉の痛みなど、非常に幅広い細菌感染症の治療に、古くから長く使われている「セフェム系」の抗菌薬(抗生物質)です。
この記事では、そんな非常によく使われる抗菌薬、ケフレックスとL-ケフレックスについて、効果の仕組みや副作用、そしてアレルギーなどの重要な注意点を、医師が分かりやすく解説していきます。
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ケフレックスとは?効果は?
ケフレックスとL-ケフレックスは、いずれも「第1世代セフェム系抗菌薬」に分類される感染症治療薬です。様々な種類の細菌を殺す「殺菌的」な作用を示し、安全性が高いことから、特に皮膚科や小児科、内科などで頻繁に処方されます。
ケフレックスとL-ケフレックスは、有効成分は同じですが、吸収のされ方が異なります。
- ケフレックス:カプセルと、お子様向けの顆粒があります。
- L-ケフレックス:錠剤と、お子様向けの顆粒があります。「L-」はアミノ酸のL体を意味し、腸からの吸収率を高める工夫がされています。これにより、ケフレックスよりも少ない服用回数で済むのが大きな特徴です。
ケフレックスの成分・作用機序(しくみ)
有効成分は「セファレキシン」です。
細菌は、自分たちの体を守るための「細胞壁」という“鎧”を持っています。セファレキシンは、この細菌の“鎧”が作られるのを邪魔することで、細菌を弱らせ、最終的に壊して殺菌します。
人間の細胞には細胞壁がないため、細菌にだけ選択的に作用します。
ケフレックスの効果
有効成分セファレキシンの殺菌的な作用により、体内に侵入した原因菌を殺し、感染症による様々な症状(発熱、痛み、腫れ、膿など)を改善します。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
ケフレックスとL-ケフレックスは、非常に幅広い細菌感染症の治療に使われます。
具体的には、以下のような病気が適応となります。
- 皮膚感染症:表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症(おでき、とびひ、毛嚢炎など)
- 呼吸器感染症:咽頭炎・喉頭炎(のどの痛み)、扁桃炎(溶連菌など)、気管支炎、肺炎など
- 尿路感染症:膀胱炎など
- 歯科・口腔外科領域の感染症
ケフレックスはオンライン診療で出せる?
「風邪をこじらせてしまった…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
ケフレックスのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ケフレックスに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
ケフレックスの使い方(用法・用量)
年齢や症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
- ケフレックス:通常、成人には1回250mgを、6時間ごとに服用します。(1日4回)
- L-ケフレックス:通常、成人には1回500mgを、12時間ごとに服用します。(1日2回)
薬が効きづらい「耐性菌」を作らないためにも、症状が良くなっても、医師に指示された期間、必ず最後まで飲み切ってください。
ケフレックスの副作用
主な副作用
- 下痢、軟便、吐き気、胃の不快感
- 発疹、かゆみ
- めまい、頭痛
- アナフィラキシーショック:頻度はまれですが、アレルギーによる重篤な反応です。
- 偽膜性大腸炎:血便を伴う、ひどい下痢が続く場合は注意が必要です。
- 重い皮膚障害、肝機能障害、腎障害なども、まれに報告されています。
副作用は比較的少ないですが、最も多いのは下痢などの胃腸症状です。
副作用が出たときの対処法
発疹が出た場合は、自己判断せず、すぐに服用を中止して医師や薬剤師に連絡してください。アレルギー反応の可能性があるため、慎重な対応が必要です。
下痢がひどい場合は、整腸剤が処方されることもあります。
ケフレックスの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にケフレックスの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- ペニシリン系抗菌薬に対してアレルギーの既往歴のある方
- 腎臓に重い障害のある方
- ご高齢の方
- 伝染性単核症の方:発疹増悪リスク
併用に注意が必要な薬
- ワルファリン:出血リスク↑
- コレスチラミン:ケフレックスの吸収↓(服用を1 hずらす)
- プロベネシド:血中濃度↑で副作用リスク↑
- 経口避妊薬:腸内細菌変化で避妊効果↓
- 大量のアルコール:胃腸障害・脱水で下痢悪化
使用上の注意
処方された日数を必ず飲み切る | 症状が軽快しても、体内に原因菌が残っている可能性があります。自己判断で服用を中止すると、症状が再発したり、薬が効きにくい「耐性菌」が生まれてしまう原因になります。 |
服用方法のコツ | 食後すぐに、コップ1杯以上の水やぬるま湯で服用すると、胃腸への負担が少なく、吸収も安定します。 |
下痢の予防 | 抗生物質を飲むと、腸内の善玉菌が減って下痢をしやすくなることがあります。気になる方は、乳酸菌やビフィズス菌などの整腸剤を併用することで、下痢を予防できる場合があります。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ケフレックスをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ケフレックスに市販薬はある?値段は?
市販薬
ケフレックスは専門的な治療薬のため、2025年7月現在、市販薬はありません。医師の処方が必須です。
ジェネリック
ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「セファレキシン」という有効成分名で発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ケフレックスカプセル250 mg(先発品):約31.5円/カプセル(3割負担の場合:約9円)
- セファレキシンカプセル250 mg(ジェネリック品):約31.5円/カプセル(3割負担の場合:約9円)
※2025年7月18日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
ケフレックスシロップ用細粒100/ケフレックスシロップ用細粒200
よくある質問(FAQ)
Q.妊娠中や授乳中でも使えますか?
比較的安全性の高い抗菌薬とされており、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合に、妊娠中・授乳中でも処方されることがあります。ただし、自己判断はせず、必ず医師に相談してください。
Q.子供でも使えますか?
はい、お子様の皮膚感染症(とびひなど)や溶連菌感染症などに、非常に広く使われます。 小児用の顆粒剤があり、安全性の高い抗菌薬として知られています。
Q.ケフレックスとL-ケフレックスの違いは何ですか?
一番の違いは「飲む回数」です。 L-ケフレックスは、腸からの吸収率が高められているため、ケフレックスが1日4回服用なのに対し、1日2回の服用で済みます。飲み忘れが減り、患者さんの負担が軽くなるという大きなメリットがあります。
Q.どのくらいで効きますか?
皮膚の化膿や扁桃炎などの急な感染症の場合、服用開始から2〜3日程度で、熱が下がったり、痛みや腫れが和らいだりといった効果を感じられることが多いです。ただし、症状が良くなっても、処方された日数は必ず飲み切ることが重要です。
Q.ペニシリンアレルギーですが、飲めますか?
セフェム系とペニシリン系は構造が似ているため、アレルギーの交差反応が起こる可能性はゼロではありません。必ず事前に医師にアレルギー歴を伝えてください。医師が慎重に判断します。
Q.お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
治療中の飲酒は避けてください。 一部のセフェム系抗生物質では、アルコールと反応して重い悪酔いを起こすことがありますが、ケフレックスではその報告はまれです。しかし、アルコールは体の免疫力を低下させ、感染症の治りを遅らせる可能性があるため、服用期間中は禁酒するのが賢明です。
Q.運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。
まとめ
ケフレックスとL-ケフレックスは、皮膚の感染症や喉の痛みなど、身近な細菌感染症に幅広く使われる、安全性の高いセフェム系抗菌薬です。
特にL-ケフレックスは、服用回数が1日2回で済むという改良が加えられています。
安全で確実な治療のために最も重要なのは、症状が良くなっても処方された日数を必ず最後まで飲み切ること、そして過去に抗生物質でアレルギーを起こしたことがある場合は、必ず医師に伝えることです。 ルールを守って正しく服用し、感染症をしっかり治しましょう。
つらい症状でお困りの際は、ウチカラクリニックのオンライン診療でも相談が可能ですので、我慢せずにご相談ください。
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