このように、胃の痛みや不快感が続いているにもかかわらず、検査ではっきりとした原因が見つからず、お困りではありませんか?
その症状、もしかしたら「機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia: FD)」かもしれません。
この他にも、お腹の張り(腹部膨満感)や吐き気、げっぷなどの症状が見られることもあります。
機能性ディスペプシアの治し方・予防
機能性ディスペプシアの治療と予防の基本は、日々の生活習慣を見直して胃に優しい環境を整えることです。
症状を悪化させる原因を避け、心身のバランスを整えるセルフケアを始めましょう。
食生活を見直す
消化の良いものを中心に
脂肪分の多い食事(揚げ物、ラーメン、脂身の多い肉など)や、刺激の強い香辛料は控えめにしましょう。おかゆやうどん、豆腐、白身魚、ささみなどがおすすめです。
1回の食事量を減らし、回数を増やす(分割食)
一度にたくさん食べると胃に負担がかかります。食事の量を8分目くらいに抑え、間食を上手に取り入れるなどして、空腹にも満腹にもなりすぎない状態を保つのが理想です。
ゆっくり、よく噛む
よく噛むことで、消化を助ける唾液が十分に分泌され、胃への負担が軽くなります。早食いは避け、リラックスして食事する時間を確保しましょう。
避けた方が良い飲み物
コーヒーや緑茶に含まれるカフェイン、アルコール、炭酸飲料は胃酸の分泌を促したり、胃を刺激したりすることがあるため、症状が強い時は控えましょう。

ストレス管理
脳と腸は密接に関係しており(脳腸相関)、ストレスは胃の機能を低下させる大きな原因です。
リラックスする時間を作る
趣味に没頭する、音楽を聴く、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなど、自分が心からリラックスできる時間や活動を意識的に作りましょう。
十分な睡眠をとる
睡眠不足は自律神経の乱れに直結します。質の良い睡眠を確保することで、心と体の両方から胃腸のコンディションを整えることができます。
適度な運動を習慣にする
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、気分転換になるだけでなく、血行を促進し胃腸の働きを整える効果も期待できます。
規則正しい生活リズム
毎日決まった時間に食事や睡眠をとることで、体内時計が整い、自律神経のバランスが安定します。不規則な生活は胃腸のリズムを乱す原因になるため、できる範囲で生活リズムを整えましょう。

機能性ディスペプシアのよくある質問
機能性ディスペプシアについて、よくあるご質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。
過敏性腸症候群(IBS)との違いは何ですか?
機能性ディスペプシアは主に胃の症状(胃もたれ、胃痛)が中心ですが、過敏性腸症候群(IBS)は主に腸の症状(腹痛、下痢、便秘)が中心となります。両方を合併している方も少なくありません。
【詳しい解説はこちら】
→過敏性腸症候群(IBS)の治し方について医師が解説
胃カメラ検査は絶対に必要ですか?

機能性ディスペプシアと診断するためには、「症状の原因となる器質的疾患がないこと」を確認する必要があります。
そのため、胃がんや胃潰瘍など命に関わる病気を見逃さないためにも、一度は胃カメラ検査を受けることが強く推奨されます。
この病気は完治しますか?
機能性ディスペプシアは良くなったり、ぶり返したりを繰り返すことがあります。完全に症状が出なくなる方もいれば、波がありながら上手に付き合っていく方もいます。
生活習慣の見直し+薬物療法で“症状をコントロールする”ことを目標にし、再燃時の早めの受診も大切です。
市販薬で治せますか?
症状が軽い場合は、市販の胃腸薬で一時的に症状が和らぐこともあります。
しかし、市販薬を飲み続けても改善しない、または症状を繰り返す場合は、自己判断で続けずに医療機関を受診してください。機能性ディスペプシアの治療には、その人の症状のタイプに合わせた専門的なお薬が必要な場合があります。
食べるのが怖いと感じてしまいます。どうすれば良いですか?

「また食べたら胃が痛くなるかもしれない」という不安から、食事が怖くなってしまう(食事恐怖)のは、機能性ディスペプシアの患者さんによく見られる、つらい悩みです。
まずは、おかゆやスープなど、消化が良く安心できるもの少量から試してみましょう。無理に食べようとせず、「食べられるものを、食べられる量だけ」で大丈夫です。一人で悩まず、その不安な気持ちも含めて医師に相談してください。
機能性ディスペプシアは難病指定されていますか?
いいえ、現在のところ機能性ディスペプシアは、国が定める指定難病には含まれていません。しかし、症状が重く、日常生活に大きな支障をきたす場合があることも事実です。
制度は見直されることもあるため、最新の情報は公的機関の発表を確認しましょう。つらい症状は我慢せず、専門の医療機関に相談することが大切です。
つらい胃の不調、一人で悩まず、ウチカラクリニックに相談を
検査で異常がないのに続く胃の不快感は、ご本人にとって非常につらく、周りにも理解されにくいものです。
機能性ディスペプシアは、生活の質(QOL)を大きく低下させる病気ですが、正しい知識を持って適切に対処すれば、必ず症状を和らげることができます。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。