「朝、どうしても体が動かない…」 「仕事に行っても集中できず、ミスばかりしてしまう…」 「休みたいけど、周りに『ずるい』と思われたらどうしよう…」
仕事に関するこんなお悩み、一人で抱え込んでいませんか? もしかしたら、それは単なる気分の落ち込みではなく、「うつ病」のサインかもしれません。
この記事では、うつ病と仕事に関する悩み、特に「休職」や「退職」を考えたときの不安や疑問について、医師が分かりやすく解説します。お金の制度や、今後の働き方についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
「うつ病」とは?
うつ病は、「心の風邪」と例えられることもありますが、実際はもっと深刻で、脳のエネルギーが欠乏してしまう病気です。
気分が落ち込むだけでなく、意欲や集中力の低下、眠れない、食欲がない、体がだるいといった、心と体の両方に様々な症状が現れます。
決して「気持ちの問題」や「甘え」ではなく、誰にでも起こりうる病気であり、治療には十分な休養と専門的なサポートが必要です。
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うつ病で休職・退職するのはずるい?
うつ病で仕事を休むことに対して、「みんな頑張っているのに自分だけ休むなんてずるい」「迷惑をかけて申し訳ない」 と感じてしまう方は非常に多くいらっしゃいます。
しかし、断言します。うつ病で休職・退職することは、決して「ずるい」ことではありません。
脳がエネルギー切れを起こしている状態で無理に働き続けるのは、骨折しているのにマラソンを走るようなものです。回復が遅れるだけでなく、かえって症状を悪化させ、治療が長引いてしまう可能性もあります。
休職や退職は、未来のあなたが元気を取り戻すために必要な「治療」の一環であり、自分自身を守るための大切な選択なのです。
「仕事には行ける」けど…その状態、本当に大丈夫?
中には、「なんとか頑張れば仕事は行ける」という方もいるかもしれません。
しかし、以下のような状態が続いていないでしょうか?

- 出勤前に涙が出たり、強い不安を感じたりする
- 今まで簡単にできていた仕事に、倍以上の時間がかかる
- 休日も仕事のことばかり考えてしまい、全く心が休まらない
このような状態は、心が「もう限界だよ」と悲鳴を上げているサインです。無理を重ねる前に、一度立ち止まって専門家に相談することが、早期回復への一番の近道になります。
うつ病で休職・退職するときのお金事情
仕事を休む上で、最も大きな不安は「お金」のことではないでしょうか?
先の見えない不安を少しでも和らげるために、利用できる公的な制度を知っておきましょう、療養生活を支えるために次のように様々な制度が用意されています。
傷病手当金
どんな制度?
病気やケガで会社を休み、給与が支払われない場合に、健康保険から給与のおよそ3分の2が最長1年6ヶ月間支給される制度です。
注意点
会社の健康保険(組合健保や協会けんぽなど)に加入している方が対象です。自営業者などが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金の制度はありません。 また、申請には医師の証明が必要です。
うつ病で傷病手当金はもらえない?
「うつ病で傷病手当金がもらえない」 といったケースも耳にしますが、申請書類の不備や、医師が労務不能と判断しなかった場合などが多いです。まずは主治医とよく相談することが大切です。
失業保険(雇用保険)
どんな制度?
会社を退職した後に、再就職するまでの間の生活を支えるための給付金です。
うつ病で退職した場合
自己都合退職であっても、うつ病が理由で離職した場合は「正当な理由のある自己都合退職」と判断され、給付制限なくスムーズに受給できる可能性があります。
さらに、「就職困難者」として認定されると、給付日数が最大300日(※年齢による)になることもあります。ハローワークで手続きが必要です。
労災保険
どんな制度?
仕事が原因でうつ病を発症したと認められた場合(長時間労働、ハラスメントなど)に、治療費や休業中の補償が受けられます。認定のハードルは高いですが、思い当たる場合は労働基準監督署に相談してみましょう。
国からの補助金やその他の制度
自立支援医療制度
うつ病などの精神疾患の通院医療費の自己負担が1割に軽減される制度です。
精神障害者保健福祉手帳
税金の控除や公共料金の割引など、様々な福祉サービスが受けられます。
生活保護
どうしても生活が困難な場合に、国が最低限度の生活を保障する最後のセーフティネットです。一人暮らしの方でも利用できます。
生命保険や医療保険に加入している場合、「うつ病」が給付金の対象となることもあります。ご自身の加入している保険の契約内容を確認してみましょう。
うつ病で復職・転職をするには?
焦りは禁物
休職期間中はとにかく「休むこと」に専念しましょう。無職であることに焦りを感じるかもしれませんが、エネルギーが回復しないまま復職しても、再発のリスクが高まります。
転職という選択肢
同じ職場への復帰が難しい場合、転職も有効な選択肢です。
「うつ病からの再就職は難しい」 と言われることもありますが、ハローワークや転職エージェント、就労移行支援事業所など、サポートしてくれる機関はたくさんあります。
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よくあるご質問(FAQ)
Q. うつ病で休職するのは「ずるい」「甘え」なのでしょうか?
決してそんなことはありません。うつ病は脳のエネルギーが不足する病気であり、休養は回復のために不可欠な「治療」です。自分を責める必要は全くありません。
Q. うつ病でも生命保険はおりますか?
ご加入の保険契約によります。入院給付金や就業不能保険など、支払い対象となる可能性がありますので、まずは保険会社にご自身の契約内容を確認してみてください。
Q. 退職後の末路が不安です。生活していけるでしょうか?
すぐに働けない状況でも、傷病手当金(退職後も継続給付の条件あり)や失業保険、自立支援医療、生活保護など、あなたを支えるための様々な公的制度があります。一人で悩まず、まずは専門家や公的機関に相談しましょう。
Q. 休職にはどんなデメリットがありますか?
デメリットとしては、収入の減少や、キャリアが一時的にストップすること、復職への不安などが挙げられます。しかし、無理して働き続けて症状を悪化させることに比べれば、一時的な休養は長期的に見て大きなメリットになります。
Q. 部下をうつ病にしてしまったかもしれません。上司としての責任はどうなりますか?
上司・会社には、部下が心身ともに健康に働けるよう配慮する「安全配慮義務」があります。もし長時間労働やハラスメントなどが原因と認められた場合、会社の責任が問われる可能性があります。
何より大切なのは、今後の対応です。 ご本人が安心して治療に専念できるよう、業務量の調整など職場環境の改善に取り組みましょう。人事部門や産業医といった専門家と連携することも重要です。
まとめ
うつ病と仕事の問題は、非常に根深く、一人で解決するのは困難です。
- うつ病での休職は「ずるい」ことではなく、必要な「治療」です。
- 仕事に行ける状態でも、無理は禁物。早めの相談が大切です。
- 傷病手当金や失業保険など、生活を支える公的制度があります。
- 復職や転職は焦らず、自分のペースで進めましょう。
もしあなたが今、仕事のことで深く悩み、どうしていいか分からなくなっているのなら、それは専門家の助けが必要なサインです。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。













