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食道がんの初期症状をチェック!原因や治療は?医師が徹底解説!

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

今回は「食道がん」について、食道がんの初期症状や原因、治療などについて医師の視点から簡単に、わかりやすく解説していきます。

テレビでよく

「芸能人の○○さんが食道がんを告白…」

こんなニュースを見かける事って結構ありますよね。

食道がんは歌手の桑田佳祐さんややしきたかじんさんなども罹患されているがんなので、話に聞いた事がある人も多いかと思います。

食道がん自体は他のがんと比較してそこまで多いがんでもないのですが、実は明確なリスクを上げる生活習慣があります。

なので普段の生活の中で気が付かないうちに食道がんのリスクを上げてしまっている、こういう場合もあるんですね。

また食道は肺や大動脈といった重要な臓器が周りに存在していますし、ある理由で転移しやすいがんとも言われており、できるだけ早い段階で発見してあげる事が重要です。

今回は、

・食道がんで一体どのような症状が出現するのか

・検査の方法や治療法

・食道がんのリスクを上げる生活習慣・予防法

など、食道がんについて徹底解説していきます。

食道がんとは?

まず、食道の役割について簡単に説明しておきます。

食道が存在する場所はご存じの方も多いと思いますが、喉から下に繋がる、食べ物の通り道です。

口から食事を摂取したら、のどである咽頭を通過して食道を通り、胃にたどりつく、こういう仕組みになっていて、のどと胃をつないでいる臓器なんですね。

なんとなくこの形から食道をただの通路だと思っている方も結構いるでしょうが、それでは例えば横になって食べ物を食べている人は?食べ物が逆流してしまったり、つかえてしまいますよね。

確かに、食道で食べ物を消化したり、吸収する事はありませんが、食道はただの通路としてぼーっとしている訳ではなく、しっかり筋肉をもぞもぞ動かして食べ物を胃に送り届ける仕事をしているのですね。

この動きを医学用語で「蠕動運動」と呼びます。

しっかり食道が頑張ってくれているおかげで、食べ物がちゃんと消化されていってくれる訳です。

この食道のどこかにがんができる事を食道がん、と呼びます。

食道がんの検査法は?治療法は?手術は必要?

食道がんの検査法は?

まず、食道がんの検査法としては、レントゲンを撮影する方法があります。

バリウムなどの造影剤を飲んで、食道にコントラストをつけた状態でレントゲンを撮ります。

そしてバリウムが付着した部分をレントゲンで確認する事で、食道ががんによって狭くなっていないか、腫瘍ができていないか確認するんですね。

また上部消化管内視鏡検査、通称胃カメラで消化管の中から食道を観察する検査も有効です。

当然胃カメラを行う際には食道も通過しますので、この過程で中から食道を確認して、疑わしい部分があればそのまま組織をとってきて悪性のものなのか、良性のものなのか確認する事ができます。

そしてこの際、食道がんがなかった場合でも、

「あなたバレット食道がありますね~」

こう医師から告げられる場合があります。

バレット食道というのは、食道の下の方から、胃のつなぎ目にかけて、このエリアの組織が食道のものではなくなんと胃の組織に置き換わってしまっている状態の事なんです。

なぜこのような事が起きるかというと例えば逆流性食道炎などの原因によって胃酸が逆流してしまう事で食道に炎症が起き、その修復を何回も行っているうちに細胞が置き換わってしまう、このように言われているんです。

そして重要なのがバレット食道があると、食道がんのリスクが上がってしまうんです。

バレット食道自体は元に戻る事はありませんが、悪化させないために胃酸の分泌を抑える薬を使用したりして、できるだけ食道にダメージがそれ以上及ばないようにする治療を行う事があります。

例えばバレット食道の原因となりうる逆流性食道炎のある方ならげっぷや胸やけの症状が普段から起きている場合もあるので、こういった人は特に注意しましょう。

食道がんの治療は?手術は必要?

さて、そして食道がんの治療としてはどのようなものがあるのでしょうか?

治療に関しては、食道がんがどこまで広がっているのかによって変わってきます。

食道がんが内側の粘膜にとどまっている段階で発見する事ができれば、非常に幸運です。

この場合は全身麻酔の手術ではなく、胃カメラ、つまり内視鏡を使ってがんの部分をくるりと切除する方法をとる事ができる場合があるんです。

「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」と呼ぶ方法です。

ただ粘膜の下の層や、食道の筋肉の部分までがんが進行している場合は、全身麻酔の外科的な手術を行い、食道を部分的に切除したり、または食道と胃の一部を切除して、食道の代わりとして胃や腸を使って食べ物の通り道を作ってあげる大がかりな手術が行われる場合もあります。

これを食道再建術といいます。

また、遠隔転移があれば他のがんと同様に抗がん剤を用いた治療を行う事になります。

ちなみに食道に関しては、胃や腸など他の多くの臓器に存在する、臓器の一番外側を覆っている漿膜という膜が無い為、他の臓器より転移がしやすいと言われる事もあるんですね。

そういった事情もありますし、とにかく誰にとっても転移をする前に、できるだけ早期発見をしたい所ですよね。

という訳で、続いて早期発見の為に知っておいて欲しい食道がんの症状や、そもそもの予防法について解説していきます。

食道がんの初期症状とは?チェックの方法は?

では食道がんの症状について解説していきます。

食道がんの初期症状チェック①声のかすれ

まず、少し意外な症状としては、声のかすれがあります。

声がかすれる場合は、喉や声帯など、声を出す事に関係のある部分に異常がある場合が多いんですが、実は食道がんでこの症状が起きる場合があります。

ご存じの方も多いと思いますが、人間が声を出す時は声帯という場所をふるわせて声を出しています。

この声帯を動かす筋肉に対して人間が声を出したい時に脳からの指令を伝える神経が、「反回神経」という神経なんです。

実はこの反回神経が食道のすぐ隣を通っているので、例えば食道がんが周りのリンパ節などに転移してしまった時、腫れあがったリンパ節が反回神経に触ってしまう事で声帯への指令がスムーズに送れなくなり、声がかすれてしまう、こういう仕組みなんですね。

声がかすれた場合はまず耳鼻咽喉科を受診する事が第一ですが、もしそれで何もなかった場合は、医者は食道がんなどの原因も考えるものですので、覚えておいて下さい。

食道がんの初期症状チェック②食べ物がしみる

また、「食べ物がしみる」この症状が出現する場合があります。

しみるというとわかりにくいですが、具体的にはちくちくするとか、喉の奥の方が熱い感じがするという表現をされる方が多いんです。

特に熱いものや辛いものを食べた時に出やすいと言われているんですね。食べ物が食道を通過する際に腫瘍に触ってしまうと生じるとされています。

実はこのしみる症状は腫瘍自体が大きくなってしまうと出にくくなるいう場合もあり、こういった症状が一定期間以上続く場合は敏感になって欲しい所です。

食道がんの初期症状チェック②食べ物がつかえる

逆に、がんが大きくなってから出現する症状もあります。

食道がんの腫瘍が大きくなってしまうと、だんだん食道の通り道が狭くなってきてしまい、食べ物が通り辛くなり、食べ物がつかえる感覚が出てくる場合があるんですね。この症状は皆さんのイメージ通りかもしれません。

最終的には食べ物が食道を通過できず何度も吐いてしまったり、文字通り食事が喉を通らず体重が減っていってしまうという非常に辛い場合もあるんです。

食道がんの原因は?予防法は?

はい、ではこのように恐ろしい食道がんですが、予防法はあるのでしょうか?

まず先ほど説明したように、バレット食道は食道がんのリスクを上げます。なのでバレット食道の原因となりうる逆流性食道炎のある人は、胃酸の分泌を抑えるお薬を飲んだ方が良い場合もあるので、代表的な症状である胸やけ、げっぷなどが続いている場合はしっかり受診をしましょう。

そして無症状の人でも生活習慣で食道がんのリスクとなるのは、喫煙、過度な飲酒、この2つがツートップです。食道がんに限った事でもないんですが、ヘビースモーカーやおお酒のみの人、できるだけこの2つは控えていきましょう。

そしてもう一つ、結構意外な要素として、熱い飲み物の飲み過ぎが食道がんのリスクを上げるのではないか、こういう研究があるんですね。

イラン北東部のゴレスタン州という地域で5万人を対象に行われた研究では、70度を超えるお茶を日常的に飲んでいる人は、65度以下のぬるいお茶を飲む人よりリスクが約8倍高かった、という研究結果が出ています。

また南米でも、通称「飲むサラダ」と呼ばれるマテ茶と食道がんの関係を調査した研究で、マテ茶が熱ければ熱いほど食道がんのリスクが上がった、というデータもあります。

原因がはっきりと判明している訳ではないのですが、熱い飲みものを飲むことで食道の内側の膜が損傷し、そこを修復するために余計な細胞分裂が行われる事でリスクが上がっているのではないか、という説もあります。

勿論全く熱いものを飲んだり食べたりするな!と言いたい訳ではありませんが、

例えば毎日のように熱々の缶コーヒーや緑茶などを飲む習慣がついている人は、少しばかり頻度を減らしておいた方が無難だと思います。

食道がん検診はある?

また、がん検診に関してですが、データとしては現在食道がんに対して万人に有効とされる方法は存在していません。

ただ先ほど説明したように胃カメラの過程で比較的早期の段階で食道がんが発見できる場合もありますので、例えば自分がリスクが高そうだ!と思う場合は例えば胃がん検診は胃カメラを選択する、こういう手段もありだと思いますので

是非覚えておいて下さい。

食道がんの初期症状チェック・原因・治療まとめ

はい、では食道がんの予防に関しての結論をまとめます。

①逆流性食道炎のある人は食道がんのリスクの上がるバレット食道になりやすい。しっかりと放置せず治療を行う事。

②食道がんに現状有効とされるがん検診はない。だからこそ食道がんのリスクとなるたばこ、過度な飲酒、熱いものの飲み過ぎ、この3つをできるだけ控えることを意識する事。

今回はこの2ポイントを絶対に覚えて帰ってくださいね。

もしかしたら明日のあなたを助ける予防医学として役立ってくれるかもしれません。

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この記事の監修者

この記事の監修者

ウチカラクリニック
森 勇磨

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人

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