料理中の油はね、熱いお茶、ヘアアイロンの接触など、日常生活の中で「やけど」は誰にでも起こりうる身近なケガです。
とっさに冷やしはしたものの、「この後どうすればいいの?」「水ぶくれができてきたけど、潰していい?」「この痛みはいつまで続くんだろう…」と、次から次へと不安が押し寄せてきますよね。
この記事を読めば、やけど直後の正しい応急手当から、病院での治療、跡を残さないためのセルフケア、そして危険なやけどのサインまで、あなたの疑問と不安がすべて解消されます。
正しい知識が、痛みと不安を和らげ、きれいな治癒への第一歩となります。
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やけどのメカニズム
そもそも、なぜやけどをすると皮膚は赤くなったり水ぶくれができたりするのでしょうか?
それは、熱によって皮膚の細胞を構成しているタンパク質が変性(性質が変わってしまうこと)し、組織が破壊されるからです。
身近な例でいうと、生卵に熱を加えると白く固まってゆで卵になるのと同じ現象が、私たちの皮膚の上で起こっているのです。
熱の温度と、熱が皮膚に接触していた時間の長さによって、ダメージの深さが決まります。
短時間でも非常に高温のものに触れれば皮膚の奥深くまで破壊されますし、それほど熱くないものでも長時間触れ続けていると、じっくりと熱が伝わり、重症になることがあります。

やけどの種類
「やけど」と一括りに言っても、その原因は様々です。
原因によって特徴や注意点が異なるため、代表的なものを知っておきましょう。
温熱やけど(最も一般的)

熱湯、油、鍋、ストーブ、アイロンなど、高温の液体や個体に接触することで起こります。日常生活で最も多いタイプのやけどです。
低温やけど

カイロ、湯たんぽ、電気あんか、ノートパソコンなど、体温より少し高いくらいの温度(44℃〜50℃程度)のものに長時間接触し続けることで起こります。
痛みや赤みなどの自覚症状が少ないまま、皮膚の奥深くでダメージが進行するのが特徴です。
「たいしたことない」と放置されがちですが、気づいた時には皮膚が壊死する重症(III度)になっているケースが多く、非常に注意が必要です。
化学やけど

酸やアルカリ性の薬品(洗剤、漂白剤など)が皮膚に付着することで起こります。
通常のやけどと異なり、原因物質が皮膚に付着している限りダメージが進行し続けるため、すぐに大量の流水で30分以上(薬剤によっては2時間以上)洗い流し、必ず医療機関を受診してください。
電撃やけど

コンセントや高圧電線などから感電して起こります。
電流が体の内部を通過するため、皮膚のやけどは小さく見えても、筋肉や内臓に深刻なダメージを負っている可能性があります。
命に関わる危険な状態ですので、ただちに救急車を呼んでください。
やけどの応急処置
やけどをしたら、何よりも優先すべきは「すぐに、そして十分に冷やす」ことです。
これが痛みを和らげ、熱によるダメージが皮膚の奥深くに広がるのを防ぐ最も効果的な方法です。
正しい冷やし方と時間の目安
服などが皮膚に張り付いていなければ、速やかに衣服を脱がせ、清潔な水道水を直接流し続けてください。
患部に水圧が強く当たりすぎないよう、優しく流すのがポイントです。時間は最低でも15分〜20分、痛みが和らぐまでしっかりと冷やし続けましょう。
服の上から熱湯をかぶってしまった場合も、無理に脱がさず服の上から冷やしてください。時計や指輪は外せそうなら早めに外しましょう。

広範囲でのやけどや小児の場合、冷やしすぎて「低体温」にならないように注意が必要です!
やってはいけない対処法

「氷で冷やす」「アロエや軟膏を塗る」といった民間療法は、かえって症状を悪化させる危険があります。
特に氷や保冷剤を直接当てると、凍傷を起こしてダメージを深めてしまう可能性があります。
まずは流水で冷やすことに専念してください。
病院に行くべき?重症度の見分け方
やけどの重症度
やけどは重症度によって対処法が大きく異なります。
ご自身のやけどの状態を冷静に確認し、医療機関を受診すべきか判断しましょう。
- I度(軽症):皮膚が赤くなり、ヒリヒリと痛む状態です。(例:軽い日焼け)
- II度(中等症):強い痛みを伴い、水ぶくれ(水疱)ができます。
- III度(重症):皮膚が白や黒っぽく変色し、神経が破壊されて痛みを感じないこともあります。
こんなやけどはすぐに病院へ
以下の項目に一つでも当てはまる場合は、応急手当の後、速やかに皮膚科や形成外科を受診してください。
やけどで受診すべきチェックリスト
- 水ぶくれができた、または破れた(II度以上のやけど)
- やけどの範囲が、自分の手のひらの大きさよりも広い
- 手掌+全指=体表面積の約1%と言われています(手掌法)
- 顔、関節(ひじ・ひざ)、手足の指、陰部のやけど
- カイロや湯たんぽによる低温やけど
- 化学薬品や電気によるやけど
- 子どもや高齢者のやけど
- 痛みが非常に強い、または逆に痛みを感じない

病院での治療は?処方される薬について
病院では、やけどの深さと範囲を正確に診断し、感染を防ぎながら皮膚の再生を促す専門的な治療が行われます。
まず、感染の原因となる汚れや細菌を洗い流すために、患部をきれいに洗浄します。
必要であれば、水ぶくれの膜や、熱でダメージを受けて死んでしまった組織(壊死組織)をピンセットなどで丁寧に取り除く処置(デブリードマン)も行われます。その後、やけどの状態に合わせた軟膏を塗り、ガーゼや創傷被覆材(ドレッシング材)で患部を適切に保護します。
やけどの主な塗り薬
処方される塗り薬は、やけどの深さや感染の有無によって使い分けられます。
ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)

幅広い種類の細菌に対して強い抗菌作用を発揮します。
特に、膿んでしまったり、感染のリスクが高かったりするII度以上のじゅくじゅくしたやけどに対して、感染の悪化を防ぎ、治療を進めます。
【詳しい解説はこちら】
→ゲーベンクリーム
ゲンタシン軟膏(ゲンタマイシン硫酸塩)

抗生物質を含む軟膏で、細菌の増殖を抑えることで感染を治療します。
比較的軽度のII度熱傷や、水ぶくれが破れてしまった後の感染治療など、様々な皮膚の傷に対して広く使われる薬です。
【詳しい解説はこちら】
→ゲンタシン軟膏(ゲンタマイシン硫酸塩)
プロペト(ワセリン製剤)

これらは抗菌作用などの有効成分を含まない、非常に精製度の高いワセリン(保湿・保護剤)です。
油分の膜を作り、患部の乾燥を防ぎ、外部の刺激からデリケートな皮膚を守ります。
軽いやけどの初期治療や、治りかけの皮膚を保護する「湿潤療法」の基本として用いられます。
【詳しい解説はこちら】
→プロペト
フィブラストスプレー(トラフェルミン)

皮膚の細胞の増殖を促す「成長因子」を主成分とするスプレータイプの薬です。
新しい血管や皮膚組織が作られるのを活発にし、傷の治癒を早める働きがあります。潰瘍になってしまった深いII度熱傷やIII度熱傷に対して、皮膚の再生を促進する目的で使われることがあります。
【詳しい解説はこちら】
→フィブラストスプレー
また、痛みが強い場合には、ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、アセトアミノフェン(カロナールなど)といった内服の痛み止めが処方されることもあります。
これらの薬は医師が症状を診断した上で処方するものですので、自己判断で使用せず、必ず指示に従ってください。
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やけどの水ぶくれは何日で治る?破れたときの処置は?
水ぶくれができた場合、治るまでの期間はやけどの深さによって大きく異なります。
- 皮膚の浅い層までのやけど(浅達性II度熱傷):1〜2週間程度で治ることが多いです。
- 深い層までダメージが及ぶやけど(深達性II度熱傷):3〜4週間以上かかり、跡が残りやすくなります。
水ぶくれは、傷口を細菌から守る「天然の絆創膏」です。意図的に潰すのは絶対にやめましょう。

もし自然に破れてしまった場合は、清潔な流水で優しく洗い流し、めくれた皮膚は無理に剥がさず、処方された軟膏を塗ってガーゼなどで保護してください。
赤みや腫れ、痛みが強くなる場合は感染のサインですので、速やかに受診しましょう。
水ぶくれについてはこちらの記事もチェック!
→水ぶくれは潰していい?早く治すために正しい対処法を医師が解説【やけど/虫刺され/靴擦れ】
やけどのヒリヒリとした痛みはいつまで続く?
やけどのつらい痛みは、受傷後の数日間がピークです。
- I度熱傷(赤くなるだけ)の場合:痛みは2〜3日もすれば自然に和らいでいくことがほとんどです。
- II度熱傷(水ぶくれができる)の場合:神経が刺激されるため強い痛みが続き、数日〜1週間程度は痛みが続くことが多いです。処方された痛み止めなどでコントロールしましょう。
注意が必要なのは、逆に「痛みを感じない」III度熱傷です。
神経が破壊されている重症のサインですので、痛くないからと軽視せず、必ず病院を受診してください。
軽いやけどのセルフケア
病院に行くほどではないI度のやけどや、病院での治療を終えた後の自宅でのケアは、「いかに跡を残さずキレイに治すか」が重要になります。そのために欠かせない、3つのシンプルなポイントをご紹介します。
清潔を保つ

やけど跡を防ぐ基本は、何よりも感染させないことです。
1日に1回は、石鹸をよく泡立てて優しく洗い、清潔なタオルでこすらずに水分を押さえるように拭き取りましょう。ゴシゴシこするのは厳禁です。
乾燥させない(湿潤療法)
次に、カサブタを作らないよう「湿潤療法」で潤いを保ちます。
洗浄後、ワセリンを薄く塗ってガーゼで保護したり、感染のないきれいな傷であれば市販のハイドロコロイド絆創膏を活用したりするのが効果的です。これにより皮膚の再生がスムーズに進み、跡が残りにくくなります。

紫外線対策

治りかけのデリケートな皮膚は、紫外線を浴びるとシミのような跡(色素沈着)が非常に残りやすい状態です。
最低でも3ヶ月は、日焼け止めをこまめに塗ったり、衣服やアームカバーで覆ったりして、患部を徹底的に紫外線から守ってください。
やけどのよくある質問
やけどに関して、多くの方が抱く疑問についてお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。
やけどの治療に、費用はどれくらいかかりますか?
やけどの治療は、基本的に公的医療保険が適用されます。
初診の場合、自己負担が3割の方で1,000円〜3,000円程度(診察料+処方箋料)が目安です。これに、処方された薬代が薬局で別途かかります。
ただし、やけどの範囲が広く特殊な処置が必要な場合や、入院・手術が必要な重症の場合は、費用が高くなることがあります。

子どもがやけどをしてしまいました。注意点は?
子どもの皮膚は薄く、大人より重症化しやすいため、応急手当をしたら軽症に見えても早めに医療機関を受診しましょう。
やけどは何科を受診すればいいですか?

基本的には皮膚科です。やけどが広範囲であったり、傷跡の治療を視野に入れたりする場合は形成外科も専門となります。
やけどに市販の「キズパワーパッド」などは使ってもいいですか?
キズパワーパッドに代表される「湿潤療法(モイストヒーリング)」の絆創膏は、軽いやけどの治癒を早めるのに役立ちます。ただし、使用には注意が必要です。
水ぶくれができていたり、感染して膿んでいたりするやけどには絶対に使用しないでください。 細菌を密閉してしまい、症状を悪化させる危険があります。使用できるのは、赤くなっているだけのごく軽いやけどや、水ぶくれが破れた後にきれいに洗浄した小さな傷に限られます。
オンライン診療でも、やけどの相談はできますか?
はい、可能です。 特に「病院に行くべきか判断に迷う」「水ぶくれができてしまったが、どう対処すればいいか知りたい」といった場合に非常に有効です。
スマホのカメラを通して医師が患部の状態を確認し、緊急性の判断や適切な応急処置、セルフケアの方法をアドバイスします。必要であれば、オンラインで軟膏などの薬を処方することもできます。

やけどの治療はウチカラクリニックに相談を!
やけどをしてしまったら、慌てずに正しい知識で対処することが大切です。まずは15分以上、流水でしっかり冷やすこと、水ぶくれは絶対に潰さないこと、範囲が広かったり、顔や関節のやけどは自己判断せずに受診することなどのポイントを押さえておきましょう。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。