「お腹が張って苦しい…」 「何日も便が出ていなくて、気分もスッキリしない…」 「便秘薬に頼りたくないけど、どうすればいいかわからない…」
便秘は、性別や年齢を問わず多くの人が悩む、非常につらい症状です。しかし、「たかが便秘」とあなどってはいけません。その原因やタイプは様々で、対処法を間違えると、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。
この記事では、ご自身の便秘タイプを知るためのセルフチェックから、食事やマッサージといった今日からできる具体的な解消法、そして病院で処方される専門的なお薬まで、医師が便秘に関するあらゆる情報を解説します。
つらい便秘や下痢は
ウチカラクリニックのオンライン診療!

- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:07:00-22:00

診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
内科のオンライン診療
便秘の種類
便秘は、原因によっていくつかのタイプに分けられます。ご自身がどれに当てはまるかチェックしてみましょう。
弛緩性(しかんせい)便秘

【特徴】
大腸のぜん動運動が弱まり、便を押し出す力が低下している状態。お腹が張る、残便感があるといった症状が多い。
【主な原因】
運動不足、水分・食物繊維不足、腹筋力の低下など。高齢者や女性、寝たきりの方に多く見られます。
痙攣性(けいれんせい)便秘

【特徴】
ストレスなどで自律神経が乱れ、大腸が過度に緊張してけいれんしている状態。コロコロとしたウサギのフンのような便が特徴で、腹痛を伴うことが多い。便秘と下痢を繰り返すこともあります。
【主な原因】
精神的なストレス、環境の変化、過敏性腸症候群(IBS)など。
直腸性(ちょくちょうせい)便秘

【特徴】
便が直腸(肛門のすぐ手前)まで来ているにもかかわらず、便意が起こらずスムーズに排便できない状態。
【主な原因】
便意を我慢する習慣。痔や恥ずかしさから、トイレを我慢しがちな人に多く見られます。
便秘の原因
- 食事の乱れ:食物繊維や水分の不足が最も大きな原因。朝食を抜く、極端なダイエットなども腸の動きを鈍らせます。
- 運動不足:腹筋が弱いと便を押し出す力が弱まります。また、体を動かさないと腸への刺激も減ってしまいます。
- ストレス:腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、強いストレスは腸の機能を直接的に低下させます。
- 排便習慣:便意はデリケートです。行きたい時にトイレを我慢する癖があると、次第に便意を感じにくくなってしまいます。
- 加齢:年齢とともに、筋力や腸の機能、食事量などが低下し、便秘になりやすくなります。
- 女性ホルモン:女性ホルモンの一つである黄体ホルモンには、腸の動きを抑制する働きがあるため、生理前や妊娠中に便秘になりやすくなります。
- 薬の副作用や他の病気:一部の薬の副作用や、大腸がん、甲状腺機能低下症といった病気が原因で便秘が起こることもあります。

便秘で病院を受診すべきサイン
ほとんどの便秘は生活習慣の改善で対応できますが、中には病気が隠れているケースもあります。
以下のサインが見られたら、自己判断せず医療機関を受診してください。
便秘で受診を考えるサイン
☐ これまでに経験したことのない激しい腹痛がある
☐ 吐き気や嘔吐を伴う
☐ 便に血が混じっている(真っ赤な血、タールのような黒い便)
☐ 理由もなく体重が急に減った
☐ 市販の便秘薬を飲んでも、全く効果がない、または症状が悪化する
☐ 何週間も便秘が続いている
受診すべき診療科は、まずは「内科」または「消化器内科」です。
かかりつけ医に相談するのも良いでしょう!

病院で処方される便秘薬
市販薬で改善しない場合や、原因に応じた治療が必要な場合、医師は様々な種類の便秘薬を処方します。作用の仕組みごとに、代表的な薬を見ていきましょう。
便を柔らかくする薬(浸透圧性下剤)

腸の中に水分を引き込み、硬くなった便を柔らかくして排出しやすくします。効果が穏やかで、多くの便秘治療で基本となる薬です。
【代表的な薬】
→酸化マグネシウム(マグミット)
→モビコール配合内用剤
腸の水分分泌を促す薬(上皮機能変容薬)

小腸の表面に働きかけて腸液の分泌を増やし、便を柔らかくすると同時に、腸の動きも活発にします。比較的新しいタイプの薬です。
【代表的な薬】
→アミティーザカプセル
→リンゼス錠
→グーフィス錠
腸の動きを直接刺激する薬(大腸刺激性下剤)

大腸の神経を直接刺激し、強制的にぜん動運動を起こさせます。効果が強い反面、長期間使い続けると耐性ができたり、腹痛が起きやすかったりするため、主に一時的な使用が推奨されます。
【代表的な薬】
→センノシド錠
→ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)
漢方薬

体質に合わせて、複合的な作用で便通を改善します。お腹を温めたり、胃腸の働きを整えたりします。
【代表的な薬】
→大建中湯:冷えやガスによるお腹の張りを伴う便秘に。
→六君子湯:胃腸が弱く、食欲不振を伴う場合に。
→防風通聖散:肥満気味で、便秘とのぼせがあるような体質の方に。
坐剤・浣腸(直腸に直接作用する薬)

便が直腸まで来ているのに出せない「直腸性便秘」に特に有効です。肛門から直接薬剤を入れ、強い便意を促します。即効性が高いですが、常用は避けるべきとされています。
【代表的な薬】
→レシカルボン坐剤:炭酸ガスを発生させて直腸を刺激します。
→グリセリン浣腸:直腸粘膜を刺激し、便を柔らかくして滑りを良くします。
その他の薬

直接的な下剤ではありませんが、腸の働きを助ける目的で処方されることがあります。
【代表的な薬】
→パントテン酸カルシウム(パントシン):ビタミンB5誘導体で、腸のぜん動運動を助ける。
便秘解消のための食事
便秘の根本的な改善には、日々の食生活の見直しが欠かせません。
食物繊維をバランス良く摂る
・不溶性食物繊維(便のカサを増やす):きのこ類、ごぼう、玄米、豆類など
・水溶性食物繊維(便を柔らかくする):海藻類(わかめ、昆布)、こんにゃく、大麦、りんご、バナナなど ※ストレスが原因の痙攣性便秘の場合は、不溶性食物繊維を摂りすぎると腹痛が悪化することがあるため、水溶性食物繊維を中心に摂りましょう。
1日1.5L以上の水分を摂る
食物繊維は、水分を吸収して膨らむことで効果を発揮します。水分が不足すると、かえって便が硬くなるので注意が必要です。
腸内環境を整える発酵食品・オリゴ糖を摂る
善玉菌を増やすヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品や、善玉菌のエサとなるオリゴ糖(玉ねぎ、ごぼう、バナナなどに含まれる)を積極的に摂りましょう。
良質な油を適度に摂る
過度な油抜きダイエットは、便の滑りを悪くし、便秘の原因になります。オリーブオイルやアマニ油などを適度に摂ることを心がけましょう。

便秘解消を目指す5つのセルフケア
「とにかく今、このつらさをどうにかしたい!」という時に試せる、即効性が期待できる対処法です。
- 朝、コップ1杯の水を飲む:朝起きてすぐに冷たい水や白湯を飲むと、胃腸が刺激され、ぜん動運動が活発になります(胃・結腸反射)。
- 「の」の字マッサージ:おへその周りを、時計回りにゆっくりと「の」の字を描くように、優しく圧をかけながらマッサージします。腸の動きに沿って刺激を与えることができます。
- 軽い運動・ストレッチ:ウォーキングやその場での足踏み、体を左右にひねるストレッチなどが、腸への良い刺激となります。
- 便意が来たら我慢しない:少しでも便意を感じたら、他のことを後回しにしてでもトイレに行く時間を作りましょう。このタイミングを逃さないことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 市販の便秘薬と処方薬はどう違いますか?

市販薬は、主に腸を刺激するタイプの薬が多いです。手軽に購入できますが、長期連用には注意が必要です。
処方薬は、便を柔らかくするタイプや新しい作用の薬など、選択肢が非常に豊富で、医師が個々の便秘のタイプに合わせて最適な薬を選んでくれます。
Q. 朝食を抜くと便秘になりやすいって本当ですか?
はい、本当です。朝、胃に食べ物が入ると、その刺激で腸が動き出す「胃・結腸反射」という反応が起こります。
これは最も強い便意のきっかけとなるため、朝食を抜くとそのチャンスを逃してしまい、便秘に繋がりやすくなります。

Q. 旅行先で便秘になるのはなぜですか?

環境の変化によるストレスや、食事や水分の摂取タイミングの乱れ、トイレを我慢してしまうことなどが複合的に影響し、自律神経が乱れて腸の動きが鈍くなるためです。
便秘の治療はウチカラクリニックオンライン診療で!
便秘の改善には、この記事でご紹介した食事や運動といったセルフケアが基本となります。しかし、それでも改善しないつらい便秘には、医師が処方する様々なお薬が頼りになります。
「市販薬を色々試したけど、スッキリしない…」
「仕事が忙しくて、『便秘ごとき』で病院に行くのは気が引ける…」
そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。
- スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
- 対面診療と料金は変わらず、安心してご利用いただけます
- お忙しい方でも安心の年中無休で診療
- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
通院の時間や手間をかけずに、専門医にご自身の症状や体質に合った薬を相談し、ご自宅の近くの薬局でお薬を受け取ることが可能です。つらい便秘の悩みを一人で抱え込まず、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。
つらい便秘や下痢は
ウチカラクリニックのオンライン診療!

- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:07:00-22:00

診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
内科のオンライン診療
この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。