「コンコンと乾いた咳が止まらない」「ゴホゴホと痰が絡んで息苦しい」
誰にとっても身近な症状である「咳」と「痰」。ほとんどは風邪による一時的なものですが、長引く場合や、他の症状を伴う場合は、気管支喘息や他の病気が隠れているサインかもしれません。
この記事では、咳や痰がなぜ出るのか、その原因や種類、ご家庭でできる対処法、そして病院での専門的な治療法まで、お薬の情報も交えながら、医師がわかりやすく解説します。
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咳・痰が止まらない原因は?
多くの人を悩ませる咳や痰。まずは、その役割と原因について詳しく見ていきましょう。
咳・痰とは?
「咳」は、ウイルスや細菌、ホコリなどの異物を気道から追い出すための、重要な体の防御反応です。
「痰」は、気道の粘膜から分泌される粘液で、侵入してきた異物を絡め取り、咳と一緒に体の外へ排出する役割を担っています。
咳には、痰が絡まない「乾性咳嗽(空咳 – からぜき)」と、痰を伴う「湿性咳嗽(湿った咳)」の2種類があります。
咳・痰でよくある症状
咳や痰は、原因によって以下のような症状を伴うことがよくあります。
- コンコン、ケンケンという乾いた咳
- ゴホゴホ、ゼロゼロという痰の絡んだ湿った咳
- 喉に絡みつく不快な痰
- 鼻水、鼻づまり
- 喉の痛み
- 発熱
- 息苦しさ、ぜえぜえする感じ(喘鳴)
通常、風邪による咳は1〜2週間で治まりますが、3週間以上続く場合は、他の原因を考える必要があります。
咳・痰の原因【感染症】
ウイルスや細菌が鼻や喉、気管支などの気道に感染し、炎症を起こすことで咳や痰が出ます。
痰は、これらの病原体や、それと戦った白血球の死骸などを絡め取って外に出す役割を担っています。
急性上気道炎(かぜ症候群)
いわゆる「風邪」のことで、咳・痰の最も一般的な原因です。ウイルスによって鼻や喉の粘膜が炎症を起こします。
ひきはじめは、喉のイガイガ感を伴う「コンコン」という乾いた咳(空咳)が多いですが、次第に気道からの分泌物が増え、痰の絡んだ「ゴホゴホ」という湿った咳に変化していくことがよくあります。
急性扁桃炎、溶連菌感染症
喉の奥にある扁桃が、ウイルスや細菌(溶連菌など)によって強く腫れる病気です。
激しい喉の痛みが主な症状ですが、その強い炎症や膿が喉を刺激することで、激しい咳を伴うことが多くあります。
インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症
これらのウイルスは、通常の風邪ウイルスよりも気管や気管支の深い部分で強い炎症を引き起こす傾向があります。
そのため、胸に響くような激しい咳や、しつこく長引く咳が出やすいのが特徴です。解熱後も、咳だけが数週間続くことも珍しくありません。
子どもの夏風邪(手足口病、ヘルパンギーナ、アデノウイルス)
これらの夏に流行しやすいウイルスは、喉の奥に水ぶくれや口内炎(強い炎症)を作るという特徴があります。その強い痛みや刺激が原因で、咳が出たり、よだれが増えたりします。
中耳炎、副鼻腔炎(蓄膿症)
鼻の炎症が長引くと、粘り気のある鼻水が絶えず喉の奥に流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」という状態になります。
この流れ落ちる鼻水が喉の咳センサーを刺激するため、特に横になる夜間や早朝に、痰が絡んだしつこい咳が続く原因となります。
咳・痰の原因【アレルギー・喘息】
感染症とは異なり、気道がアレルギーなどによって慢性的に炎症を起こし、過敏になっていることで咳が出ます。
気管支喘息
気道が常に炎症を起こしているため、ホコリやダニ、冷たい空気などのわずかな刺激で、気道が急激に狭くなる病気です。
その結果、「ヒューヒュー、ぜえぜえ」という呼吸音(喘鳴)を伴う、発作的な激しい咳が起こります。特に夜間から明け方にかけて症状が悪化しやすいのが特徴です。
アトピー咳嗽(がいそう)
気管支喘息と似ていますが、喘鳴はなく、喉のイガイガ感を伴う「コンコン」という空咳だけが、数週間から数ヶ月にわたって頑固に続きます。
アレルギー体質の人に多く、風邪をひいた後や、エアコンの風、会話などで咳が誘発されやすいのが特徴です。
咳・痰の原因【その他】
気道以外の場所に原因がある場合もあります。
逆流性食道炎(GERD)
胃酸が食道に逆流し、食道や喉の粘膜を直接刺激することで、咳の反射が起こります。特に、食後や横になった時に咳が出やすい場合は、この病気の可能性があります。
喫煙(COPDなど)
タバコの煙に含まれる有害物質は、気道を常に刺激し、炎症を引き起こします。
体は、この刺激から気道を守るために常に痰を作り続けるため、喫煙者特有の「ゴホン、ゴホン」という痰を出すための咳が慢性化します。これが長年続くと、肺の機能が低下するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気に繋がります。
咳・痰は何科に行く?検査は?
長引く咳や、気になる症状がある場合は、内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、お子さんの場合は小児科を受診します。
診察では、まず詳しい問診(咳の音、痰の色、症状の出る時間帯など)と、胸の音を聞く聴診が行われます。 原因を特定するために、必要に応じて以下のような検査が行われます。
- 迅速検査:インフルエンザ、新型コロナウイルス、溶連菌、アデノウイルスなどを調べるための検査です。
- 胸部レントゲン・CT検査:肺炎や気管支炎など、肺の状態を確認します。
- 呼吸機能検査:気管支喘息が疑われる場合に、気道の狭さなどを調べます。
- 喀痰検査:痰を採取し、含まれる細菌などを調べます。
咳・痰の受診目安
ほとんどの咳は自然に良くなりますが、中には危険な病気のサインである可能性もあります。
病院に行くべき?危険なサインのチェックシート
□息苦しさや呼吸困難がある、「ヒューヒュー、ぜえぜえ」という音がする
□胸に痛みがある
□痰に血が混じっている(血痰)
□38.5℃以上の高熱が続いている
□顔色が悪く、ぐったりしている
□咳が2〜3週間以上、長引いている
□夜も眠れないほど咳がひどい、咳き込んで吐いてしまう
これらのサインが見られる場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
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咳・痰の治し方/薬
咳・痰の治療は、原因となっている病気の治療と、つらい症状を和らげる対症療法が中心となります。
去痰薬(痰を出しやすくする薬)
痰の粘り気を下げたり、気道からの排出を助けたりします。
ムコソルバン錠(アンブロキソール)
気道に張り付いた痰を剥がれやすくし、線毛運動を活発にして痰の排出を助けます。
詳しい解説はこちら→ムコソルバン
カルボシステイン
痰の粘り気を調整し、サラサラにして出しやすくする、子どもから大人まで広く使われるお薬です。
詳しい解説はこちら→カルボシステイン
鎮咳薬(咳を鎮める薬)
脳にある咳中枢に働きかけ、咳の反射そのものを抑えます。
メジコン(デキストロメトルファン)
非麻薬性の代表的な咳止めで、特につらい空咳に使われます。
詳しい解説はこちら→メジコン
気管支拡張薬
喘息などで狭くなった気管支を広げ、呼吸を楽にします。
ホクナリンテープ(ツロブテロール)
気道を広げる効果が長く続く貼り薬で、特に喘息性の咳や夜間の咳に効果的です。
詳しい解説はこちら→ホクナリンテープ
抗アレルギー薬・抗炎症薬
アレルギーが関与する咳や、長引く咳に使われます。
キプレス(モンテルカスト)
アレルギー反応を抑えることで、気道の炎症を和らげ、特に長引く咳や喘息性の咳に使われます。
詳しい解説はこちら
→キプレス
→モンテルカスト
ザイザル(レボセチリジン)
アレルギーによる鼻水が喉に流れる(後鼻漏)ことで起こる咳を、原因となる鼻炎から改善します。
詳しい解説はこちら
→ザイザル
→レボセチリジン
お子さん向けのお薬
お子さんの場合は、飲みやすいシロップ剤や粉薬がよく使われます。
痰を出しやすくするアンブロキソールシロップやカルボシステインDS(ドライシロップ)、アレルギー性の咳や鼻水に使われるザイザルシロップやキプレス細粒など、年齢や症状に合わせて適切なものが処方されます。
市販薬で治療する場合の注意点
市販の風邪薬には、様々な成分が含まれています。
注意したいのは、「咳止め(鎮咳薬)」と「痰切り(去痰薬)」の使い分けです。
痰がたくさん絡んでいる湿った咳の時に、強力な咳止めを使うと、出すべき痰が気管支に溜まってしまい、かえって症状を悪化させる可能性があります。
また、市販薬を1週間ほど使用しても症状が改善しない場合や、「受診目安」に当てはまる症状がある場合は、自己判断を続けずに医療機関を受信しましょう。
咳・痰の治し方・予防
薬による治療と合わせて、ご家庭でのセルフケアを行うことで、つらい症状を和らげ、回復を早めることができます。
咳・痰を和らげるためのセルフケア
こまめな水分補給
温かい飲み物(白湯、麦茶、ハーブティーなど)は、喉を潤し、痰を柔らかくして出しやすくします。
部屋の加湿
空気が乾燥すると、喉や気管支の粘膜が刺激されて咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして、湿度を50~60%に保ちましょう。
安静と栄養
咳は体力を消耗します。十分な睡眠をとり、体を休ませましょう。消化が良く、栄養のある食事を摂ることも大切です。
禁煙
タバコの煙は、気道を刺激し、咳や痰を悪化させる最大の要因です。本人だけでなく、周りの人も受動喫煙に注意が必要です。
普段からの予防策
手洗い・うがい
外出後や食事前には、石鹸での丁寧な手洗いを徹底しましょう。手に付着したウイルスが口や鼻から侵入するのを防ぐ、最も効果的な予防策です。うがいは、喉のウイルスを洗い流し、乾燥を防ぐ助けになります。
マスクの着用
人が多い場所でのマスク着用は、他人の咳やくしゃみの飛沫(しぶき)を吸い込むのを防ぎます。また、自分の呼吸でマスク内の湿度が保たれるため、喉の乾燥を防ぎ、粘膜のバリア機能を高める効果も期待できます。
予防接種
インフルエンザや新型コロナウイルスなどのワクチンは、感染症の重症化を防ぐために非常に重要です。ワクチンを接種しておくことで、万が一感染しても、肺炎などの合併症を起こすリスクを大幅に減らすことができます。
咳・痰のよくある質問
咳・痰について、よくあるご質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。
どんな人が咳・痰が出やすいですか?
保育園や学校など、集団生活をしているお子さんは、様々なウイルスに感染する機会が多いため、咳の症状が出やすいです。
また、喫煙者や、気管支喘息・アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患をお持ちの方も、咳が長引きやすい傾向があります。
受診や治療にかかる費用はどのくらいですか?
健康保険(3割負担)の場合、初診料と診察で2,000円~4,000円程度、インフルエンザなどの迅速検査やレントゲン検査を行うと、追加で費用がかかります。これに加えて、お薬代が必要です。
咳・痰は放置しても大丈夫?自然に治ることはありますか?
ほとんどの風邪による咳は、1〜2週間で自然に治まります。しかし、3週間以上続く咳は、喘息や肺炎、その他の病気が隠れている可能性があり、放置は危険です。
また、激しい咳は体力を消耗させ、睡眠を妨げるため、生活の質を大きく下げてしまいます。つらい症状は我慢しないようにしましょう。
咳・痰の薬はネットやドラッグストアで買えますか?
はい、多くの種類の市販薬が販売されています。ただし、前述の通り、咳の種類に合った薬を選ぶことが重要です。治療に必要な抗菌薬や、専門的な喘息治療薬は、医師の処方箋が必要です。
治療期間はどのくらいですか?
風邪であれば1〜2週間で治癒します。気管支炎の場合は3週間以上かかることもあります。
喘息やCOPDなどが原因の慢性的な咳は、症状をコントロールするために長期的な治療が必要になります。
何科を受診すればよいですか?
一般的な風邪であれば内科、お子さんなら小児科です。咳が長引く、ぜえぜえするなど喘息が疑われる場合は呼吸器内科、鼻や喉の症状が強い場合は耳鼻咽喉科が専門となります。
咳・痰はオンライン診療でも診察できますか?
はい、オンライン診療でも診察が可能です。咳の音や痰の状態、症状の経過などを詳しく問診することで、原因をある程度推測し、症状を和らげる薬を処方することができます。特に、つらくて外出が大変な時に便利です。
ただし、肺炎などが疑われる場合は、対面での胸部レントゲン検査などを勧められます。
咳・痰が気になる場合はウチカラクリニックに相談を
咳や痰は、体を守るための大切な防御反応ですが、長く続くと非常に体力を消耗し、つらいものです。大切なのは、「たかが咳」と侮らず、長引く場合や危険なサインがある場合は、専門医に相談することです。
「市販薬を飲んでも、咳が全然良くならない」 「夜中の咳で眠れなくて、本当に困っている」
そのように感じたら、ぜひ専門医にご相談ください。
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