足底筋膜炎の治し方|かかとの激痛は「太りすぎ」が原因?やってはいけないことやストレッチを医師が解説!

整形外科
足底筋膜炎の治し方|かかとの激痛は「太りすぎ」が原因?やってはいけないことやストレッチを医師が解説!
監修者
森 勇磨

「朝起きて最初の一歩を踏み出すと、かかとが激痛…」
「歩き始めは痛いけれど、動いているうちに少し楽になる」

足の裏、特にかかとのあたりに走るその痛み。もしかしたら足底筋膜炎(そくていきんまくえん)かもしれません。

立ち仕事の方や、最近運動を始めた方によく見られるお悩みです。

この記事では、足底筋膜炎の原因から、やってはいけないこと、自分でできるストレッチまで、医師が詳しく解説します。

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足底筋膜炎(そくていきんまくえん)とは?

足底筋膜炎とは、足の裏にある足底筋膜というクッションのような膜が、炎症を起こして痛みが出る病気です。
かかとの骨のあたりに小さな傷ができることで、一歩踏み出すたびにズキッと痛むようになります。

「足底腱膜炎」と「足底筋膜炎」の違いとは?

病院のホームページや医療書籍などを調べていると、「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」と書かれていたり、「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」と書かれていたりして、違う病気なのだろうかと戸惑う方も多いかもしれません。

結論から申し上げますと、「足底腱膜炎」と「足底筋膜炎」は全く同じ疾患を指しています。 足の裏にある、かかとの骨から足の指の付け根までスリング状に張っている強靭な組織を、解剖学の用語で「腱膜」と呼ぶか「筋膜」と呼ぶかの違いに過ぎません。

一般的には「足底筋膜炎」という名称の方が広く知られ、よく使われています。

 

足底筋膜炎の原因

足の裏の「足底筋膜」は、歩いたり走ったりする際に、足にかかる衝撃を吸収する「スプリング(バネ)」や「クッション」のような役割を果たしています。この組織に許容量を超える負担が長期間かかり続けることで、細かい断裂や炎症が起こります。

主な原因としては、以下の4つが挙げられます。

太りすぎ(急激な体重増加)

足の裏は、全身の体重をたった二本で支えています。体重が増加すると、歩行時や走行時に足底のクッションにかかる負荷が何倍にも跳ね上がり、炎症を引き起こす最大の原因となります。

 

足の負担になる「靴」や「硬い地面」

クッション性のないペタンコ靴、靴底がすり減ったスニーカー、ヒールなどは足裏に衝撃をダイレクトに伝えます。また、アスファルトなど硬い地面での長時間の立ち仕事も要因です。

 

スポーツなどによる使いすぎ(オーバーユース)

マラソン、ジョギング、ジャンプ動作の多いスポーツなど、足の裏に繰り返し強い衝撃が加わる運動のやりすぎによって発症します。

 

加齢に伴う柔軟性の低下・扁平足

年齢とともに足の裏の組織やふくらはぎの筋肉は柔軟性を失い、硬くなります。また、足のアーチ(土踏まず)が潰れてしまう「扁平足」の方は、衝撃吸収力が低下しているため発症リスクが高まります。

 

足底筋膜炎の症状|セルフチェック

足底筋膜炎には、非常に特徴的な痛みのサインがあります。以下の症状に当てはまる場合、足底筋膜炎を発症している可能性が高いと言えます。

  • 朝、ベッドから起きて最初の1歩目にズキッとした鋭い痛みが走る
  • 椅子に長時間座っていた後、立ち上がって歩き始める時に痛む
  • 歩いているうちに徐々に痛みが和らいでくるが、夕方になると再び痛む
  • かかとの骨の前あたりや、土踏まずを指で強く押すと痛い場所がある

特に「朝の1歩目の痛み」は、足底筋膜炎の最も代表的な症状です。寝ている間に足の裏の組織が硬く縮こまり、朝立ち上がって体重をかけた瞬間に、その硬くなった筋膜が急激に引き伸ばされて微小な亀裂(ダメージ)が入ることで、強い痛みを生じます。

 

足底筋膜炎を放置するとどうなるの?

「そのうち治るだろう」と放置するのは禁物です。

  • かかとの骨に「トゲ」ができる 炎症が続くと、骨が変形して「骨棘(こつきょく)」というトゲができ、さらに痛みが頑固になります。

 

足底筋膜炎の病院での治療

痛みや炎症を抑えながら、足の負担を減らす治療を組み合わせて行います。

治療薬・処置の種類内容・薬剤例効果のポイント
貼り薬(湿布)ジクロフェナクナトリウムテープなど足の裏の炎症を直接抑え、ズキズキする痛みを和らげます。
飲み薬(鎮痛剤)ロキソニンカロナールなど痛みが強い時期に、内側からしっかり炎症を鎮めます。
漢方薬芍薬甘草湯など筋肉の急なこわばりや痛みを和らげるために使われることがあります。

症状が強い場合には、炎症を抑えるためのステロイド注射が行われることがあります。多くの場合、数ヶ月程度の保存療法で改善が期待できます。
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足底筋膜炎は何科を受診するべき?

まずは整形外科を受診し、現在の足の状態を正確に診断してもらいましょう。初期の段階であれば、消炎鎮痛剤(湿布や飲み薬)で炎症を抑えつつ、足を休ませることで改善に向かいます。

痛みが非常に強く日常生活に支障がある場合は、ステロイド注射を行うこともあります。また近年では、衝撃波を患部に当てて組織の再生を促す「体外衝撃波治療」という新しい治療法も、難治性の足底筋膜炎に対して高い効果を上げています。

もし近くに整形外科がない場合や、行き慣れたクリニックがある場合は、とりあえず「内科」に相談するのもひとつの方法です。内科でも痛み止めや湿布の処方は可能ですし、必要に応じて適切な整形外科を紹介してもらえます。

 

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足底筋膜炎で「やってはいけないこと」

「ただの足の疲れだろう」と自己流で対処してしまうと、かえって痛みが長引き、慢性化する恐れがあります。

痛みを我慢して歩く・走る(運動を続ける)

痛みがあるということは、組織が悲鳴を上げているサインです。痛いまま無理に運動を続けると、微小な亀裂がさらに広がり、治癒までに数年かかるような難治性になってしまいます。まずは「足を休ませる」ことが最優先です。

 

裸足(はだし)でフローリングを歩く

家の中のフローリングは想像以上に硬く、裸足で歩くと足裏に直接ダメージを与えてしまいます。室内でも、クッション性が高くかかとを包み込むような「リカバリーサンダル」「厚手のスリッパ」を履くようにしてください。

 

痛い場所をゴリゴリと強く揉む

炎症が起きて傷ついているかかとの部分を、指やマッサージ器具で力任せにゴリゴリと揉むのは絶対にやめてください。組織がさらに破壊され、炎症が悪化してしまいます。

 

 

足底筋膜炎のセルフケア

ご自身でできる最も効果的な対策のひとつが、足元の環境を変えることです。

インソール・靴・サポーターでの「負担軽減」

  • インソール(中敷き):
    足のアーチ(土踏まず)を立体的にしっかり持ち上げて支えるインソールを入れることで、足底筋膜が過剰に引き伸ばされるのを防ぎます。
  • 靴の見直し:
    底が薄い靴は避け、クッション性が高く、かかとをしっかりホールドしてくれるウォーキングシューズやランニングシューズを選びましょう。
  • サポーター:
    自宅にいる時や就寝時など、靴を履けない場面では、足のアーチを保つ専用のサポーターを着用するのも効果的です。

 

足底筋膜炎を和らげるストレッチとマッサージ

足の裏の筋肉は、アキレス腱からふくらはぎの筋肉へと繋がっています。そのため、足裏だけでなく「ふくらはぎ全体」の柔軟性を高めることが、痛みの緩和と再発予防に直結します。

【※重要なお願い】
熱を持って腫れている時や、何もしなくてもズキズキと痛む「急性期」は、ストレッチをすると逆効果になり炎症が悪化してしまいます。痛みが強い間は絶対にストレッチを行わず、「安静」のセルフケアを優先してください。

ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎが硬いと、歩くたびに足底筋膜が強く引っ張られてしまいます。 壁の前に立ち、両手を壁につきます。
痛い方の足を後ろに引き、アキレス腱を伸ばす要領で、ふくらはぎの筋肉が「イタ気持ちいい」と感じる程度にゆっくりと伸ばします。反動はつけず、呼吸をしながら20〜30秒キープしましょう。

足底筋膜のストレッチ

椅子や床に座り、痛い方の足を反対の脚の膝に乗せます。 手で足の指全体をしっかりとつかみ、すねの方(足の甲側)に向かってゆっくりと反らすように引っ張ります。
足の裏の筋がピンと伸びているのを感じながら、15〜20秒ほどキープします。朝、ベッドから立ち上がる前に行うと、1歩目の痛みを和らげる効果が期待できます。

 

テニスボールを使った足裏ほぐし

椅子に座った状態で、足の裏にテニスボール(またはゴルフボール)を置きます。
体重をかけすぎないように注意しながら、足の指の付け根から土踏まずのあたりにかけて、ボールをコロコロと転がして足裏の筋肉を優しくほぐします。(※かかとの痛みが強い部分は避けて転がしてください)

 

まとめ

足底筋膜炎は、早めに対策をすればそれだけ早く治る病気です。

  • 「朝の一歩目」が痛いなら、足底筋膜炎のサイン。
  • 体重管理やストレッチ、靴の見直しがとても大切。

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FAQ|足底筋膜炎のよくある質問

足底筋膜炎はどのぐらいの期間で治りますか?

早ければ数週間〜1ヶ月程度で改善しますが、痛みを我慢して慢性化させてしまうと、完治まで半年〜数年かかることもあります。違和感を覚えたら早めのケアが重要です。

「痩せたら治る」というのは本当ですか?

体重が減ると足裏への負担が劇的に減るため、改善や再発防止に直結します。ただし、痛い時に無理なランニングをするのは逆効果なので、食事管理や水泳などで減量しましょう。

何科を受診すればいいですか?接骨院でもいいですか?

まずは「整形外科」を受診してください。接骨院ではレントゲン検査や痛み止めの注射などの医療行為ができないため、まずは整形外科で骨のトゲ(骨棘)や他の病気が隠れていないか、正確な診断を受けることが重要です。

痛い時、マッサージガン等でかかとをほぐしてもいいですか?

絶対にやめてください。炎症部分に強い刺激を与えると、組織がさらに破壊されて悪化してしまいます。マッサージをするなら、足の裏ではなく「ふくらはぎ」を優しくほぐしましょう。

痛い時は「温める」べきですか?「冷やす」べきですか?

状態によって異なります。熱を持ってズキズキ痛む「急性期」は冷やして炎症を抑えます。一方、朝の1歩目が痛い、常に足裏が張っているような「慢性期」は、温めて血流を良くするのが効果的です。

市販のインソール(中敷き)を選ぶ時のポイントはありますか?

単に柔らかいだけでなく、「足のアーチ(土踏まず)を立体的にしっかり支える構造」のものを選んでください。かかとに衝撃吸収パッドが入っているタイプもおすすめです。

監修者情報
森 勇磨

森 勇磨

ウチカラクリニック代表医師

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。

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