「夜も眠れないほど、かゆい…」 「肌が赤くブツブツして、人の目が気になる…」 「市販薬を塗っても、全然良くならない…」
つらい皮膚のかゆみや肌荒れは、本当につらいもの。掻いてはいけないと分かっていても、我慢できずについ掻き壊してしまい、さらに悪化するという悪循環に陥ってしまう方も少なくありません。
この記事では、皮膚のかゆみや荒れを引き起こす主な原因から、皮膚科で処方される代表的な塗り薬の種類と特徴まで、医師が解説していきます。ご自身の症状を正しく理解し、適切な治療への第一歩を踏み出すためにお役立てください。
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なぜ皮膚は痒くなるの?荒れる理由は?
しつこいかゆみと向き合うために、まずは「なぜかゆみが起きるのか」という根本的な仕組みを知っておきましょう。
「バリア機能」とは
私たちの皮膚は、単なる体のカバーではありません。
ホコリや細菌、アレルギー物質、紫外線といった外部の刺激から体を守り、同時に体内の水分が逃げないように守ってくれる「バリア機能」という大切な役割を持っています。
このバリア機能の中心となっているのが、皮膚の一番外側にある「角層」と、それを覆う「皮脂膜」です。
かゆみの悪循環

しかし、乾燥や加齢、間違ったスキンケア、そして「掻き壊し」などによってこのバリア機能が傷ついてしまうと、大変なことが起こります。
- 刺激物の侵入: バリアに隙間ができたことで、本来ブロックできるはずのアレルギー物質や刺激物が皮膚の内部に簡単に入り込んできます。
- 炎症とかゆみの発生: 侵入してきた刺激物に対して、皮膚の免疫細胞が「敵が来た!」と勘違いし、ヒスタミンなどの「かゆみ物質」を放出します。これが知覚神経を刺激して「かゆみ」を感じさせ、同時に血管を広げて「赤み」や「発疹」といった炎症を引き起こすのです。
- 悪循環のループ: そして、かゆいから掻く→皮膚のバリアがさらに壊れる→もっと刺激物が入りやすくなる→さらにかゆくなる…という、抜け出すのが難しい「かゆみの悪循環(イッチ・スクラッチ・サイクル)」に陥ってしまうのです。
皮膚の治療は、この悪循環を断ち切ることが大きな目標となります。
かゆみや発疹の原因
「かゆみ」や「発疹」の原因は様々です。日常生活でよく見られるものから、注意が必要なものまで、考えられる主な原因をご紹介します。
外的要因
かぶれ(接触皮膚炎)

化粧品、金属(ピアスやネックレス)、植物、洗剤、湿布薬など、特定の物質が肌に触れることで起こる湿疹です。
原因物質が触れた部分に、かゆみや赤み、水ぶくれなどが現れます。
虫刺され

蚊、ダニ、ノミ、ブヨなどに刺されることで、虫の唾液成分に対するアレルギー反応として強いかゆみや赤い腫れが起こります。
【詳しい解説はこちら!】
→虫刺され、腫れがひどいけど薬はいる?ステロイドは効くの?【医師監修】
あせも(汗疹)

大量の汗で汗の管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こる炎症です。
特に夏場や、お子様に多く見られます。
内的要因
アトピー性皮膚炎

皮膚のバリア機能の低下と、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)が関わっている、繰り返すかゆみのある湿疹です。
【詳しい解説はこちら!】
→アトピー性皮膚炎とは?原因・症状や最新の治療法(注射薬)を医師が解説!
乾燥による湿疹(皮脂欠乏性湿疹)

特に空気が乾燥する冬場や、皮脂の分泌が少なくなるご高齢の方に多く見られます。
肌がカサカサに乾燥し、粉をふいたようになり、ひび割れや強いかゆみを伴います。
じんましん(蕁麻疹)

食べ物や薬、ストレスなどをきっかけに、蚊に刺されたように赤く盛り上がる「膨疹(ぼうしん)」が突然現れます。
通常、数十分から数時間で跡形もなく消えるのが特徴です。
【詳しい解説はこちら!】
→蕁麻疹(じんましん)とは?原因から薬、対処法まで医師が解説!
感染症
真菌(カビ)やウイルスなどの微生物が原因で起こることもあります。
この場合、炎症を抑えるステロイド薬を自己判断で使うと、かえって菌を増殖させて症状を悪化させてしまう危険があり、原因菌に合わせた「抗真菌薬」による治療が必須です。
水虫(足白癬)

白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が、足の角質層に寄生することで起こります。
足の指の間がじゅくじゅくしたり、皮がむけたり、足の裏に小さな水ぶくれができたりと、様々な症状があり、強いかゆみを伴うことが多いです。
【詳しい解説はこちら!】
→水虫(白癬)の治し方|症状の種類別・正しい薬の選び方と予防法を徹底解説【医師監修】
カンジダ症

カンジダ菌という、もともと人の皮膚にも存在する常在菌が、汗や湿気で蒸れやすい場所(脇の下、胸の下、股、おむつの中など)で異常に増殖することで起こります。
赤みのある発疹と、その周りに小さなブツブツが広がることが特徴で、かゆみやヒリヒリとした痛みを伴います。
【詳しい解説はこちら!】
→膣カンジダとは?症状・原因・薬の治療法・予防法について医師が完全解説!
他の病気の可能性
原因がはっきりしないかゆみが長く続く場合、まれに肝臓や腎臓の病気、糖尿病、血液疾患、さらには内服薬の副作用(薬疹)など、皮膚以外の病気が背景に隠れている可能性もあります。
セルフケアで改善しない場合は、必ず皮膚科などの医療機関を受診するようにしてください。
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代表的な処方薬【塗り薬】
皮膚科では、症状の強さや部位、原因に合わせて様々なお薬を使い分けます。
特に中心となるのが「ステロイド外用薬」ですが、それ以外にも様々な選択肢があります。
ステロイド外用薬
ステロイドは、皮膚の炎症を強力に抑える作用があり、かゆみや赤みを素早く鎮めてくれます。
お薬は作用の強さによって5段階にランク分けされており、症状や塗る場所(皮膚の薄さ)によって使い分けられます。
ランク | 特徴 | 主な薬 |
---|---|---|
弱い (Weak / V群) | 最もマイルドです。軽い湿疹や、目の周りなど特にデリケートな部分などに使われます。 症状が改善した後に、弱いお薬に切り替える(ステップダウン治療)にも用いられます。 | プレドニゾロン軟膏 |
マイルド (Medium / IV群) | 作用が比較的穏やかなため、顔や首、陰部といった皮膚の薄いデリケートな部位や、お子様の治療にもよく用いられます。 | ロコイド軟膏・クリーム |
強力 (Strong / III群) | 処方される機会が非常に多い、強力なステロイドです。 効果と安全性のバランスが良く、体の多くの部位に使えます。 | リンデロンV軟膏・クリーム |
非常に強力 (Very Strong / II群) | 非常に強い作用を持ち、頑固な湿疹やアトピー性皮膚炎の治療によく使われます。 | アンテベート軟膏・クリーム / メサデルム軟膏・クリーム |
最強 (Strongest / I群) | 最も強いステロイドです。 苔癬化(皮膚がゴワゴワに硬くなった状態)した重度の湿疹など、非常に症状が強い場合に、短期間のみ使用されます。 | デルモベート軟膏・クリーム |
【ステロイド軟膏について詳しい解説はこちら!】
→【強さ一覧】ステロイド軟膏のランク早見表|弱い・中等度・強いの使い分けと副作用を徹底解説
軟膏とクリームの違い
軟膏はワセリン基剤で刺激が少なく、皮膚を保護する効果が高いのが特徴です。
クリームは伸びが良くベタつきが少ないですが、じゅくじゅくした部位には少ししみる場合があります。
抗菌薬配合ステロイド外用薬
掻き壊して細菌感染を起こしてしまった(とびひのようになっている)場合に処方されます。
リンデロンVG軟膏

ステロイド(リンデロン-V)に、抗菌薬であるゲンタマイシンが配合されています。
炎症を抑えると同時に、細菌の増殖も抑えます。
【詳しい解説はこちら】
→リンデロンVG軟膏ってどんな薬?効果や副作用、正しい使い方を医師が解説!
ステロイド以外の塗り薬(非ステロイド性)
「ステロイドを使いたくない」「症状が落ち着いてきたので保湿中心に切り替えたい」といった場合に使われます。
アズノール軟膏

植物由来の成分から作られた、非常に穏やかな抗炎症作用を持つお薬です。
副作用の心配がほとんどなく、赤ちゃんやデリケートな部位の軽い炎症、皮膚の保護によく使われます。
【詳しい解説はこちら】
→アズノール軟膏の効果や副作用について医師が解説!どんなときに使うの?市販薬は?
コレクチム軟膏

「JAK(ジャック)阻害薬」と呼ばれる、新しいタイプの非ステロイド性のお薬です。
炎症を引き起こす免疫の働きをピンポイントで抑えます。顔や首などステロイドを長期的に使いにくい部位のコントロールや、ステロイドからの離脱を目指す際によく用いられます。
【詳しい解説はこちら】
→コレクチム軟膏の効果や副作用について医師が解説!
代表的な処方薬【飲み薬】
体の中からかゆみを抑える「飲み薬」が処方されることもあります。特に、かゆみが広範囲にわたる場合や、夜も眠れないほど強いかゆみがある場合に効果的です。
抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

かゆみの原因となる体内物質「ヒスタミン」の働きをブロックするのが、このタイプのお薬です。アトピー性皮膚炎やじんましん、湿疹に伴う強いかゆみを和らげるために、最も広く使われます。
最近のお薬は眠気が出にくいものが主流ですが、あえて少し眠気の出るタイプを夜に服用し、睡眠中のかきむしりを防ぐ目的で使うこともあります。
【代表的な処方薬】
→アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)
→アレロック(オロパタジン塩酸塩)
→ビラノア(ビラスチン)
ステロイド内服薬

顔が腫れ上がるほどの重症なかぶれや、アトピー性皮膚炎の急激な悪化など、強い炎症が全身にある場合に、短期的に使用します。
長期服用は様々な副作用リスクを伴うため、数日〜1週間程度の短期間に限り処方するのが一般的です。
【代表的な処方薬】
→プレドニン(プレドニゾロン)
→ベタメタゾン錠(リンデロン錠)
→セレスタミン配合錠
抗菌薬(抗生物質)・抗真菌薬

掻き壊した傷から細菌が入り込んで「とびひ(伝染性膿痂疹)」を併発してしまった場合には、細菌を殺すための抗菌薬が処方されます。
また、水虫やカンジダ症など、かゆみの原因がカビ(真菌)であると診断された場合には、その菌を退治するための抗真菌薬が処方されます。
【代表的な処方薬】
→セフゾン(セフジニル)
→ラミシール(テルビナフィン塩酸塩)
薬の使い分け
これだけ多くの種類がある塗り薬を、なぜ自分で選んではいけないのでしょうか?
- 部位による使い分け
顔や首の皮膚は、腕や足の皮膚に比べて非常に薄く、薬の吸収率が高いです。体にはリンデロンVやアンテベートを使っても、顔にはよりマイルドなロコイドを使う、といった調整が必要です。
- 症状による使い分け
赤みや炎症が強い時期にはステロイドで一気に鎮め、症状が落ち着いてきたらコレクチム軟膏やアズノール軟膏、保湿剤に切り替えるなど、治療には段階があります。
- 年齢による使い分け
お子様の皮膚は大人よりデリケートなため、よりマイルドなステロイドを選択したり、非ステロイド薬を優先したりすることが多くなります。
自己判断で強いステロイドを顔に塗ってしまったり、細菌感染を起こしているのにステロイドだけを塗り続けて悪化させてしまったりするケースは少なくありません。
適切な薬を適切な期間だけ使うことが、安全で効果的な治療の鍵なのです。

皮膚の痒み・荒れのセルフケア
お薬による治療と並行して、日々のスキンケアを見直すことも非常に重要です。
保湿を徹底する

皮膚のバリア機能を保つため、入浴後などには必ず保湿剤を塗りましょう。
肌が潤っていると、外部からの刺激を受けにくくなります。
優しく洗う
ゴシゴシこすらず、石鹸をよく泡立てて、手で優しく洗いましょう。
熱いお湯は皮脂を奪い乾燥の原因になるため、ぬるま湯が基本です。

刺激を避ける

汗をかいたらこまめに拭き取る、衣類はチクチクしない綿素材を選ぶ、爪を短く切って掻き壊しを防ぐなど、肌への刺激を減らす工夫をしましょう。
よくある質問
皮膚の治療を進める上で多くの方が疑問に思う点についてお答えします。
Q. ステロイドの副作用が心配です。長期間使っても大丈夫?
ステロイド治療で最も大切なのは「症状に合った強さの薬を、適切な期間、適切な量だけ使う」ことです。医師は、副作用のリスクを十分に理解した上で、治療のメリットが上回ると判断した場合にのみお薬を処方しています。
自己判断で強い薬を長期間ダラダラと使い続けることが一番危険です。必ず医師の指示通りに使用し、定期的に診察を受けるようにしてください。
Q. 症状が良くなったら、すぐに薬をやめてもいいですか?
いいえ、自己判断で急にやめてしまうのはよくありません。特に強いステロイドを使っている場合、急に中断すると症状がぶり返す「リバウンド」を起こすことがあります。
医師の指示に従って、徐々に薬の強さをランクダウンさせたり、塗る回数を減らしたりしていきます(ステップダウン治療)。最後までしっかりと治療を完了させることが、再発を防ぐ鍵です。
Q. 体に処方された薬を、顔にも塗っていいですか?
体の他の部位に処方された薬を、自己判断で顔に塗るのは絶対にやめてください。
顔の皮膚は腕や足に比べて非常に薄く、薬の吸収率が高いため、副作用が出やすいデリケートな場所です。顔には顔用のマイルドなランクのステロイドやコレクチム軟膏などの非ステロイド薬を処方します。必ず処方された部位にのみ使用してください。
Q. かゆみ止めの飲み薬は、かゆい時だけ飲めばいいですか?
抗ヒスタミン薬などの飲み薬は、今あるかゆみを抑えるだけでなく、かゆみの悪循環を断ち切るために「継続して飲む」ことが大切な場合があります。
かゆみを感じていなくても、処方通り飲み続けることで、血中濃度を一定に保ち、かゆみが起きにくい状態をキープできます。もちろん、症状が落ち着けば減量や中止を検討しますので、飲み方については医師や薬剤師の指示を必ず確認してください。

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つらい皮膚のかゆみや湿疹は、原因に合った塗り薬や飲み薬を正しく使うことで、効果的に抑えることができます。しかし、自己判断でステロイドを誤って使用すると、副作用が出たり症状を悪化させたりする危険もあります。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。