心筋梗塞の症状・前兆とは?原因や検査・治療の方法は?【医師解説】

循環器内科
心筋梗塞の症状・前兆とは?原因や検査・治療の方法は?【医師解説】
監修者
森 勇磨

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

今回は「心筋梗塞」について、心筋梗塞の症状や前兆、原因・治療法などについて医師の視点から徹底解説していきます。

心筋梗塞は症状が出てから病院に行くまでのスピードが命。

早く危険に気づけるかによって命運がわけられる事があり、救急の現場ではとってもよく遭遇する病気です。

救急車で運ばれてきた胸が痛い患者さんには即座に心電図をとります。

そして心電図で、

「心筋梗塞の疑いがある!」

こう判断されたその瞬間からものすごいスピード感を持って治療へ進む、まさに治療に関してはスピード命の病気なんです。

症状が発生してから時間がたってしまうと、心臓が壊死していき死亡率がどんどん上がっていってしまうというデータがあるんですね。

1分1秒でも早く病院にたどり着き、緊急の処置を行えるかがカギになる、こういうケースは非常に多いです。

しかし、大きな落とし穴があります。

心筋梗塞の症状は胸の痛みだけ、あなたはこう思っているいませんか?

心臓が胸に存在するからといって、なんと症状が他の所に出現する場合があるんです!

もしもの時に絶対に後悔しない為に、心筋梗塞の基本的な知識を身に着けておきましょう。

治療が早ければ早いほど後遺症や死亡リスクを下げられるというデータも存在します。

しかし病院に到着してからいくら急いでも、皆さんが症状が出てから家でゆっくり様子をみていては緊急の治療ができないよというケースがあるんです。

「自分の身は自分で守る」、こういう心がけが重要です。

人生いつ何が起きるかわかりませんので、心筋梗塞の症状については絶対に知っておいて下さい。

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心筋梗塞とは?

まず、心筋梗塞という言葉は聞いた事ない人いないくらいの超有名な病気だと思うんですけど、重大な病気ってのはわかっていても、実際何が起きているのかよくわかんない、という方が多いので簡単に解説します。

心筋梗塞というのは、文字通り「心筋」の「梗塞」です。

そもそも心筋とは、24時間絶え間なく心臓を動かす為に必要な心臓の筋肉の事です。

そして梗塞とはどういう意味かと言いますと、血管が詰まって、血液がたどり着かなくなってしまう事で組織が死んでいってしまい、機能しなくなってしまう、という事なんです。

実は人間の臓器って結構デリケートで、ちょっと血液が流れない時間ができてしまうですぐ組織が死んでしまうんですね。

心筋は周りに冠動脈というほそ~い血管がぐるっと取り囲んでいて、ここから栄養が送られています。この冠動脈のおかげで心筋はエンドレスで動き続けることができるんです。

しかしこの冠動脈が、たばこ、高血圧、糖尿病などといった病気の影響でだんだんだんだん年を重ねるごとにボロボロになっていき、

そしてとうとう最終的には詰まってしまい、

そうなると心筋に血液が行き届かなくなる。

これが心筋梗塞の状態なんですね。

冠動脈ごとに栄養している心筋の部門別の担当のパートがあるのですが、心筋梗塞になると詰まった部分の担当の心筋が壊死してしまう訳なんです。

壊死すると心筋が心臓を上手に動かせなくなるので、「心不全」という状態になり息切れや呼吸の苦しさといった後遺症が起こったり、最悪の場合は心臓が止まってしまう事もあります。

心筋梗塞の検査・治療の方法は?

こういった最悪事態を防ぐ為に超重要なのが「カテーテル検査・治療」です。

足の血管からカテーテル、と呼ばれるほそーい管を挿入し、冠動脈が詰まっているか確認。

もし詰まっていれば、詰まった冠動脈の所までたどりつかせて、そこで風船をふくらませます。

そうする事で血管を再開通させて血液がもう一度しっかり流れるようにしてあげるんですね。

直感的にわかるかなと思いますが、この再開通が早ければ早い程、心筋が復活する可能性を上げられますので、後遺症や死亡リスクを下げられるんです!!

緊急処置を行うかどうかは心筋梗塞の細かい種類によるという側面はあるんですが、とはいえそれは検査をしないとわからないので、

皆さんが心筋梗塞っぽい症状が出たら一刻も早く病院に行くのが超重要、という事実は変わらない訳ですので、しっかり理解しておいてください。

それでは気になる症状のお話に参りましょう。

心筋梗塞の症状や前兆とは?

はい、では心筋梗塞の症状や前兆について解説していきます。

まず心筋梗塞の症状といえば、思いつくのはなんでしょうか?

おそらくほとんどの方が胸の痛みと答えるでしょう。

その通りで、心筋梗塞では胸の痛みが一番多いです。

心臓は体の左側にあるので左の胸の部分が痛くなる、イメージ通りこれが一番多いです。

ただし、実はこの胸の痛みが全く起こらず、他のある場所の痛みとなって心筋梗塞の症状が現れる場合があるんですね。

この点が非常に要注意なんですが、いったいどこだと思いますか?

胸の痛みの次に有名なのが、、、実は「肩」なんです。

心筋梗塞の症状や前兆①肩の痛み

肩が痛くなって、やばい!心筋梗塞かも!なんて普通は思わないですよね。

しかし、そんなに病院では珍しくないんです。

例えばこんなケース。

ある50代の男性が、突然左の肩が痛くなって、「肩こりかなんかかなあ」と思って2-3日様子をみていました。しかし全然良くなりません。五十肩かなあと思って整形外科に行ったら、整形外科的には異常なし。とはいえ、何かおかしい、、と思った鋭い医師が心電図をとったら、なんと心筋梗塞だった。

こういったパターンがありうるんです。

メカニズムとしては、人間の体の末梢神経というものが心臓から肩にかけて繋がっているので、心筋梗塞の痛みが神経に伝達されて肩の方が痛くなる、という仕組みなんです。

広がるように痛みが引き起こされるのでこういう神経の痛みを医学用語で「放散痛」と呼びます。

この神経は両肩に繋がっているので、心臓は体の左側にあるのに、なんと右の肩が痛くなるなんて事もあるんです。

慢性的に肩が痛い人とかは別として、なんか普段と違う肩の痛みが、突然、ビビッときたなどの場合は要注意です。

心筋梗塞の症状や前兆②背中の痛み

そしてもう一つ、「背中」の痛みも有名な症状です。

この背中の痛みは心臓とつながっている大動脈という人間の体の中で最も太い血管が裂けてしまう「大動脈解離」という病気の症状として最もよくあらわれます。

心臓と大動脈はとても近くにあるので、この大動脈が裂ける事で先ほど登場した心臓の周りを取り囲んでいる冠動脈が圧迫され、連鎖的に心筋梗塞が起こる事があります。

例えば、

バイクを運転していたら突然背中が痛くなって、家にたどりついてもおさまらないので、病院にいったら大動脈解離からの心筋梗塞だった、、

なんて事もあります。

他にも心筋梗塞で脳の嘔吐中枢という所が刺激されて吐き気の症状が起こったり、

あとは番外編なんですが、先ほど肩の痛みの所で紹介した「放散痛」が体のさまざまな所で起きる事があります。

例えば

  • あご

あとなんと歯が痛いって症状で病院に来院されて、結果的に心筋梗塞だった

こんな事もあるんです。

ただこのあたりは頻度としては低いですし、もはやこのあたりをいちち気にしているとただただ不安になってしまうだけだと思うので、

あまりに普段と違うような痛みだったら病院に行く、くらいで覚えておきましょう。

そして、

「そんな事いっても、普段からよく肩とか背中とか痛くなるから、見分け方がわからん!」と

モヤモヤされる方もいるでしょう。

こういった心筋梗塞をはじめとした内臓からくる痛みについては、ある種の特徴を持っている場合があるんです。

それは「押したり、体を捻ったりしても痛みがあんまり強くならない」というものなんですね。

体の表面の筋肉とか骨の痛みだとおしたり、ひねったりして痛みが強くなる事が多いんですが、内側の内臓からくる痛みだと動いてもあんまり痛みが変わらない、こういう事が多いんです。

まあ全てが全てではないのであくまで参考ではあるんですが、とはいえ押したりひねったりして痛みが変わらない場合は危ない病気の怪しさは間違いなく上がります。

心筋梗塞の症状や前兆まとめ

  1. 「胸の痛みだけではなく、急な肩の痛み、背中の痛みは心筋梗塞のサインかも?」
  2. 「押したり、体をひねったりして痛みがあんまり変わらない時は、体の内側で起きている重大な病気のサインかも?」

今回は心筋梗塞についてこの2ポイント 絶対に覚えて帰ってください。

もしかしたら明日のあなたの命の守る予防医学として役立ってくれるかもしれません。

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監修者情報
森 勇磨

森 勇磨

ウチカラクリニック代表医師

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。

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