「鼻の手術を2回もしたのに、気づいたらまた鼻が詰まっている…」
「もう何年も、料理の匂いもわからない」
「普通の耳鼻科に通っているけれど、一向に良くならない気がする」
もしあなたが、そんな「改善の実感が得られない状況」に悩んでいるなら、それは単なる副鼻腔炎ではなく、「好酸球性(こうさんきゅうせい)副鼻腔炎」という特別な病気かもしれません。
この病気は、一般的な副鼻腔炎とは原因も治療法も全く異なり、治りにくく再発しやすいため、国からも「指定難病」と認められているほどです。
しかし、医学は日進月歩で、今は嗅覚の改善などが期待できる新しい治療法も登場しています。本記事では、この手強い病気の正体と、JESRECスコアなどの診断基準、最新の治療選択肢について、医師が詳しく解説します。
目次
好酸球性副鼻腔炎とは?指定難病の症状と原因
好酸球性副鼻腔炎は、「ただの鼻づまり」ではありません。厚生労働省によって指定難病に認定されている、非常に手強い病気です。
一般的な細菌感染(バイ菌)が主な原因の副鼻腔炎とは違い、体全体の免疫バランス、特に「2型炎症(IL-4やIL-13などの物質が関与する炎症)」が中心となって発症します。
白血球の一種である「好酸球」が鼻の粘膜に過剰に集まり、そこで炎症性物質を放出することで粘膜が腫れ、鼻茸(ポリープ)ができやすくなるのが最大の特徴です。手術をしても再発しやすいです。
感染症そのものが原因ではありませんが、風邪などのウイルス・細菌感染をきっかけに症状が悪化(増悪)することは少なくありません。

「普通の副鼻腔炎」と違う4つのサイン
一般的な副鼻腔炎(蓄膿症)と見分けるための重要なポイントです。
- 両方の鼻に「鼻茸(ポリープ)」ができる
片側だけでなく、両側の鼻の奥に、多発性のポリープ(鼻茸)ができ、常に鼻がパンパンに詰まります。
- 「匂い」が早期にわからなくなる
鼻が完全に詰まる前から、「カレーの匂いがしない」「風味がわからない」といった”嗅覚障害”(sinusitis-symptoms)が起こります。
- 鼻水が粘っこい
サラサラではなく、非常に粘稠(ねんちゅう)で糸を引くような鼻水が出るのが特徴です。
- 大人の「喘息(ぜんそく)」を合併していることも
患者さんの約半数が気管支喘息を合併しています。「咳が長引く」という方は要注意です。
好酸球性副鼻腔炎の診断基準
「好酸球性副鼻腔炎」かどうかの診断には、JESREC(ジェスレック)スコアという世界的な指標が用いられます。
1. 臨床診断(JESRECスコア 11点以上)
以下の項目の合計点数が11点以上で、CT検査で異常があれば、好酸球性副鼻腔炎の疑いが非常に高くなります。
- 両側の病変(3点)
- 鼻茸(ポリープ)がある(2点)
- 好酸球性副鼻腔炎の既往(2点)
- 血中好酸球の割合(2%:2点、5%:5点、10%:10点)
- CT検査での篩骨洞優位の影(3点)
2. 確定診断(組織検査)

最終的には、手術などで採取した鼻茸の中に、「好酸球がどれくらい集まっているか(高倍率一視野で70個以上)」を確認することで確定診断となります。
このように、血液検査やCT、さらには組織の顕微鏡検査まで行う専門性の高い診断が必要な病気なのです。
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好酸球性副鼻腔炎に効く食べ物はある?
検索されることが多い「食べ物」との関係ですが、実はアルコール(お酒)が症状を悪化させる大きな要因の一つです。
お酒を飲むと鼻が詰まる(アルコールとの関係)
「ビールやワインを飲むと、すぐに鼻が詰まって息苦しくなる」
好酸球性副鼻腔炎の患者さんの中には、アルコールを飲むと鼻の粘膜の腫れが一気に強まり、症状が悪化する方がいます。
特に、後述する「喘息」や「NSAIDs過敏(N-ERD:アスピリン喘息)」を合併している方の多くに、この傾向が見られます。
効果的な食べ物は?
特定の食品だけでこの病気が治るという強力なエビデンスはありませんが、健康の土台を作るために以下のポイントを参考にしてください。
- バランスの良い食事が基本
極端な制限ではなく、加工食品(スナック菓子等)や過度の飲酒を控えることが、全身の炎症レベルを下げる助けになります。
- 良質な油の選択
体内の炎症を抑える働きが期待できる「オメガ3脂肪酸(青魚、えごま油、アマニ油など)」を適度に取り入れ、反対にオメガ6脂肪酸(外食や加工食品の揚げ油など)に偏りすぎないよう意識してみましょう。

医療費の助成も。「指定難病(第306号)」に認定。
好酸球性副鼻腔炎は、2015年に国の指定難病(難病指定)に認定されました。
「難病」と言われると不安になるかもしれませんが、これは「標準的な治療だけでは治りにくいけれど、国が責任を持って研究し、治療費を助成する」という認定でもあります。
重症度が一定の基準(CT検査や血液検査、手術歴などによるスコア)を超えた場合、医療費受給者証が交付され、高額な治療費の自己負担が大幅に軽減されます。
好酸球性副鼻腔炎の治療|ステロイドと最新のバイオ製剤
好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいため、「手術をしたら終わり」ではなく、その後の継続的な管理が重要です。
基本は「ステロイド」による治療

この病気はステロイドへの反応が良いのが特徴です。
鼻の中に直接届く「点鼻ステロイド薬」を毎日正しく使用することで、粘膜の腫れを抑え、再発を遅らせることができます。
重症度によっては少量のステロイド薬を内服することもあります。
生物学的製剤(デュピルマブ:デュピクセント)
「手術をしても再発を繰り返す、既存の治療で効果が不十分な鼻茸(ポリープ)を伴う慢性副鼻腔炎」に対し、2020年より生物学的製剤(デュピクセントなど)という注射薬が使用できるようになりました。

これは、炎症のスイッチ(IL-4やIL-13などの2型サイトカイン)をピンポイントでブロックする非常に画期的なお薬です。
- 鼻茸の縮小や、鼻づまりの改善
- 嗅覚(匂い)の改善が期待できる(臨床試験でも高い改善効果が示されています)
- 合併している喘息も同時に改善
※効果には個人差があります。また、非常に強力な薬であるため、使用には一定の条件(重症度やこれまでの治療歴)があります。
デュピクセントについて詳しい解説はコチラ。
見逃してはいけない疾患と「危険なサイン」
好酸球性副鼻腔炎と似た症状が出る病気や、すぐに受診が必要な症状も知っておきましょう。
似た症状の病気(鑑別診断)
- アレルギー性真菌性副鼻腔炎(AFRS):カビに対するアレルギー反応で起こります。
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA):全身の血管に炎症が起きる難病で、手足のしびれなどを伴うことがあります。
病院へ急ぐべきサイン
以下の症状がある場合は、炎症が目の周囲や脳に及んでいる可能性があるため、至急医療機関を受診してください。
- 目の周囲の腫れ、まぶたが腫れる
- 急激な視力低下、物が二重に見える
- これまでにない激しい頭痛、意識が朦朧とする
- 39℃以上の高熱が続く
よくある質問 (FAQ)
Q1. 匂いが戻る可能性は本当にありますか?
あきらめるのはまだ早いです。好酸球による炎症が原因の場合、最新の治療(デュピクセントなど)によって嗅覚の改善が期待できます。
特に鼻閉(鼻づまり)による「呼吸性嗅覚障害」の要素が強い場合は、比較的早期に効果を感じる方もおられます。ただし、長年の炎症で嗅上皮(匂いを感じる組織)がダメージを受けている場合、回復には個人差があります。
Q2. 難病申請には何が必要ですか?
特定の食べ物だけで治る病気ではありませんが、バランスの良い食事で全身の状態を整えることは大切です。オメガ3脂肪酸(青魚など)は炎症を抑える助けになるとの先行研究もありますが、まずは添加物の多い食事や過度のアルコールを控えるといった、基本的な食生活の見直しを重視しましょう。
Q3. 「アスピリン喘息」があるのですが、注意点は?
好酸球性副鼻腔炎の方の中には、ロキソニンやバファリンなどの解熱鎮痛薬(特にCOX-1阻害薬と呼ばれるタイプ)で、激しい喘息発作や鼻症状の急激な悪化を起こす方がいます。
これをアスピリン喘息(NSAIDs不耐症/N-ERD)と呼び、命に関わることもあるため非常に注意が必要です。
Q4. 手術をすれば完治しますか?
残念ながら、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいのが特徴で、手術=完治とは言えません。しかし、手術で一度物理的にリセットすることで、その後の薬の効きを良くし、症状を劇的にコントロールしやすくできます。
手術の内容やリスクについては、こちらの副鼻腔炎の手術の記事で詳しく解説されています。
好酸球性副鼻腔炎の悩みはウチカラクリニックオンライン診療へ!
今回は、嗅覚障害や再発を繰り返す、難治性の「好酸球性副鼻腔炎」について詳しく解説しました。
長く苦しい戦いになりやすい病気ですが、近年では「指定難病」への理解が深まり、強力な最新薬(生物学的製剤)などの選択肢も登場しています。「どうせ治らない」と心を閉ざす前に、ぜひ最新の医療情報に触れてみてください。私たちが新しい希望を見つけるお手伝いをします。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。













