「最近、足の筋肉が落ちて、ちょっとした段差でつまずきやすくなった…」
「階段の上り下りが、ゆっくりになったし、歩くのも遅くなった…」
「年をとってから筋肉をつけるのは難しいしなあ..80歳、90歳になっても、自分の足でシャキッと歩いているあの人と、私とでは一体何が違うんだろう…?」
こんな悩みはありませんか?
70歳を超えると誰もが不安になるのが「足の老化」。
知らないうちにじわじわ足が弱っていき、足がよぼよぼになり、車椅子や寝たきり生活になるのは誰もが避けたい所。
しかし、ここで肝心な足の筋肉をつける対策について、「自分はもう足の筋肉はつかないよ」「続けられないよ」諦めてしまっている人が多いのですが、これは大間違い。

80歳、90歳になってからも、医学的に正しい対策を行えば、足の筋肉を維持したり、あるいは増やすことができる場合があります。
それぞれのペースで、自分にあった形で足をしっかりと動かしてあげること。
これは最も重要な健康寿命を伸ばす秘訣といっても過言ではありません。
今回は全ての人にとって重要な、70歳を超えても実現可能な、筋肉のつけ方について学んでいきましょう。
是非家族や友人でシェアをして、足の筋活をあなたの生活に取り入れ、100歳まで元気に歩ける足腰を作っていきましょう。

目次
なぜ足の筋肉を意識しなければいけないの?
70歳を過ぎて足の筋活を行わなければ、どんな未来が待ち受けているのかについて解説していきます。
足の筋活をしなければ足がよぼよぼになるだけではすまず、ほかにも意外な体の変化が起きます。
足の筋肉
足をあまり動かさない日々が続くと、足の筋肉は減ってきます。
とある文献では、中高年の足の筋肉は何もしなければ1%ずつ減少していくともいわれています。
ほかにも、

このグラフは人間の人生の中での筋肉の量の変化率をあらわしたものですが、還暦ごろから加速的に筋肉が減るスピードが上がっているのがわかりますね。
このように、高齢者になるとスピードがまして筋肉が落ちていきます。
今まで通りではなんとかなっていた人も、気づかないうちに筋肉が落ちて様々な弊害が出るわけなんです。
足の筋肉が減ると何が起きてしまうのかについて解説します。
転倒しやすくなる
当然体を動かす足の筋肉が落ちれば、歩く時も早く歩けなくなったり、長い時間歩けなくなることもありますし、階段を上るのも大変になったり。「足の運び」にかかわるすべての動作に影響が出ます。
そして、お尻や太ももを含めた足の筋肉が弱ってくると、次に起きるのが「バランスを保つ力」「ふんばりの力」が弱ってしまうこと。
こうなるとちょっとした段差でつまづいた時に転んでしまったり、雨の日などに滑って転倒するリスクが上がってしまいます。

若い時であればすり傷ですまされるようなこの転倒も、年をとってからだとたった1回で頭を打って脳出血が起きてしまったり、腕の骨を折ってしまうなどしてその後の人生を分けることも。
中でも最も多くその後に影響を及ぼすのが、股関節の太ももの付け根の部分の「大腿骨近位部」という場所の骨折。
高齢者が転倒した時最も折れやすい場所で、多くの場合手術が必要になり、その後も長期間の入院やリハビリが待っています。
そして、残念ながら、この骨折をきっかけに、そのまま歩行能力が著しく低下し、「寝たきり」の状態になってしまう可能性もあります。

たった一度の転倒が、その後の人生を大きく変えてしまう…これは、決して大げさな話ではないからこそ、しっかりと足の筋活を行い、バランスの良い足腰を作っておく必要がありますね。
血のめぐりが悪くなる
筋力が落ちると「足の血のめぐりが悪く」なります。
実は足の筋肉の中でもふくらはぎは「第二の膀胱」とも「第二の心臓」とも呼ばれていて。
これは、ふくらはぎという筋肉が足に溜まった血液を心臓に向かって押し戻す、非常に重要なポンプの役割を担っているからなんですね。

足の筋活を行わず、このポンプ機能が弱ってしまうと、全身の血の巡りが悪くなります。
その結果、足がむくみやすくなったり、夜間の頻尿が増えたり、手足が冷えやすくなったりします。
さらにひどい場合には、足の静脈に血の塊(血栓)ができてしまう「深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)」、いわゆるエコノミークラス症候群のリスクも高まります。
この血栓が肺に飛んでしまうと、命に関わる「肺塞栓症(はいそくせんしょう)」を引き起こすこともあります。

血栓ができないように、足のむくみや深夜の頻尿を解消するためにも、しっかりと足の筋活を行って足の血のめぐりを良くしてあげる必要もあるわけなんです。
関節に負担がかかる
足の筋肉が落ちて体を支えることが負担な状態になった時、余計に負担がかかる場所は「関節」です。
足の筋肉は、歩いたり立ったりする際に、膝関節や股関節、そして腰にかかる衝撃を吸収してくれる、天然の「サポーター」や「クッション」のような役割も果たしています。
そのため足の筋力が落ちて、この筋肉のサポーターが弱ってしまうと、その衝撃が直接関節の軟骨や骨にかかるようになり、足の筋肉のサポートを受けられなくなった関節のすり減りや炎症が進みやすくなります。
その結果、もともとあった膝の痛みや腰痛がさらに悪化したり、新たに関節痛が出現したりする原因になります。

足の筋肉が落ちて歩きにくい状態になっているにもかかわらず、輪をかけて腰や関節にまでダメージが加わってしまうと、さらに移動がおっくうになったり、なかなか家から出られなくなることも。
だからこそ足の筋力低下に対する対策を前もってしておくことで、足が弱る悩み、関節や痛みの悩みを遠ざけることができます。
寿命が縮む(サルコペニア・フレイル)
そして、筋力低下で直接の影響があるのがなんと「寿命」。
筋肉が落ちていく状態を「サルコペニア」と呼び、このサルコペニアの状態が死亡リスクや介護のリスクをあげる、つまり寿命も健康寿命も縮めていくというデータがあります。

足を鍛える習慣がないと、このサルコペニアは容赦なく進行していきますから、足の筋活をしないことは寿命を縮めるに等しい、こう言ってしまっても言い過ぎではありません。
そして、サルコペニアが進み足の筋肉が落ちてしまうと、体全体の活動量が落ち、食欲も低下し、栄養状態も悪くなり、気力も乏しくなっていきます。
このように、心と体の活力が全体的に低下してしまう状態を「フレイル(虚弱)」と呼びます。

このフレイルという「負のスパイラル」に一度陥ってしまうと、様々な病気にかかりやすくなったり、要介護状態になるリスクが格段に高まってしまいます。

これは、年代別の介護や支援が必要な人の割合をあらわしたグラフですが、70代では意外に介護や支援が必要が割合が少なく、そして80代になってもまだまだ健康に生活している人が半分以上もいる結果になっています。
足の筋活を怠って、サルコペニアやフレイルの状態になってしまうと、80歳を超えてこの半分側、介護や支援が必要になる可能性が高まってしまいます。
是非この記事をきっかけに足の筋活を行い、ここちらの、介護や支援がいらない側に入って、70歳80以降も元気に自分の足で歩いて楽しく過ごしていきましょう。
ここで紹介する症状のうち、抑うつ気分や興味の低下などが中心となって、いくつかの症状が重なり、2週間以上ほぼ毎日続き、仕事や家事・学校生活に支障が出ている場合に、「うつ病」の可能性が高くなります。
最終的な診断は、医師の問診・評価によって行われます。
生活習慣病
前はスーパーに買い物にいっていたのに、今では宅配やAmazonで食材や飲み物の配達を利用。
掃除だって、今はルンバのようなロボットが自動である程度キレイにしてくれます。

なんでも自宅で完結してしまっている。
それ自分かも?って思った人はいませんか?
それ自体が悪いわけではないものの、宅配ばかりになりなんでも自宅で完結してしまい、自分自身はずっと家のなかに座りっぱなし。これでは足の筋肉はみるみる落ちてしまいサルコペニアまっしぐら。
この話を聞いてぎくっと心がざわめいた人、今日からでも遅くないので足を動かす習慣をつけていきましょうね。
さらに、足の筋肉が落ちることで、糖尿病などの生活習慣病になりやすくなったり、太りやすくなったりします。
足の筋肉は、私たちの体の中で最も多くのエネルギーを消費してくれる、いわば「巨大なエンジン」のようなものです。
特に足には、体の中でも大きな筋肉が集まっています。

この足の筋肉が減ってしまうと、基礎代謝(何もしなくても消費されるエネルギー)が著しく低下し、同じように食べていても、どんどん太りやすい体質になってしまいます。
その結果
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
といったいわゆる「生活習慣病」を発症しやすくなったり、すでにお持ちの方はそれらが悪化したりする危険性が高まります。
友人との集まりや趣味の活動など、社会的なつながりが希薄になってしまうのは認知症のリスクもあげますし、孤独感や抑うつ気分を深めてしまったりすることがあります。
足の筋活をしないと、単に「足が弱る」というだけでなく、転倒・骨折による寝たきりリスク、全身の虚弱(フレイル)、生活習慣病の悪化、血行障害、関節痛の増悪、そして社会的な孤立や精神的な落ち込みまで、本当に様々な、そして深刻な「負の連鎖」を引き起こしてしまう可能性があるんです。

「どうしたらいいか分からない…」そんな時は、ウチカラクリニックへ
「病院に行くほどの元気がない」「こんなことで相談していいか分からない」
そんなあなたのための新しい選択肢が「オンライン診療」です。
オンライン診療なら、お手持ちのスマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながら医師の診察を受け、処方薬を受け取ることができます。
保険適応可能で、システム利用料も0円!診察料は対面の病院とほぼ同じです!
(心療内科ではシステム手数料をいただいております。)
\ オンライン診療の3つのメリット /
①自宅で完結、待ち時間ゼロ
予約から診察、決済まで全てオンライン。病院での長い待ち時間や、通院の手間がありません。
24時間365日いつでも予約可能で、早朝/夜間や土日も診療中!

②薬は近くの薬局or自宅への郵送で!
診察後、ご希望の近くの薬局でお薬受け取れます。
薬局に行けない場合でも、お薬は郵送可能!最短で当日中に処方薬が発送され、ご自宅のポストに届きます。

③感染リスクなし
病院の待合室などで、他の病気に感染する心配がありません。体調が悪い時だからこそ、安心して利用できます。

一人で抱え込まず、まずはあなたの今の気持ちや状況を、私たちにお聞かせください。専門医が、あなたに合った解決策を一緒に考えます。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております。
足の筋肉を鍛える最も効果的なトレーニング方法 簡単にできるもの
冒頭でお伝えしたように、「80歳、90歳になってからも、医学的に正しい対策を行えば、足の筋肉を維持したり、あるいは増やすことができる場合があるんです!」
これは、気休めでも何でもなく、科学的にも証明されている事実です。
「もう年だから…」「新しいことを始めるのは面倒だから..」こういった言葉は捨てましょう!
むしろ、70歳を超えて筋肉が減りやすいからこそ、自分の体に合った対策を行う必要があります。
では、足の筋活とは一体何をすればいいのか?運動だけではなく、簡単な方法もあるので紹介します。
それでは、具体的な「科学的に正しい足の筋活」の話に入っていきましょう。
椅子スクワット
足の筋トレといえば、一番有名なのが「スクワット」かもしれません。
スクワットとは、直立して立った状態から膝をまげ、伸ばす。この動作を繰り返すことで、体操の屈伸を大きく行う方法です。
スクワットは「正しく、そして痛みのない状態で行えば最高の足の筋活」になります。
スクワットは太ももの前側(大腿四頭筋)やお尻(大殿筋)といった、立ち座りや歩行に不可欠で、かつ加齢で特に衰えやすい大きな筋肉を、まとめて効率よく鍛えることができる、まさに「キング・オブ・筋トレ」です。

なので、もしスクワットができるよ、という方は、浅めでもいいので、1日5回や10回でいいので、朝起きた後、お昼や寝る前など、決まった時間に行う習慣をつけると、ちりも積もれば山となるで大いに素晴らしい足の筋活になると思います。
しかし、もともと膝が痛かったり、足の筋肉量が少なめの人にとっては、スクワット自体が難しい、こういう方もいると思うので、そんな方におススメの、自宅ですぐに始められるスクワット代わりになる筋活をご紹介しますね。
その名も「椅子スクワット」
これは、先ほどお話ししたスクワットを、椅子を使うことで、誰でも安全に、そして正しいフォームで行えるように改良した、まさに70歳からの「キング・オブ・ゆる筋トレ」です!
これができるようになれば、トイレからの立ち上がりも、食卓の椅子からの立ち座りも、バスの乗り降りも
楽に、そしてスムーズになります。
具体的な方法を説明していきます。
椅子スクワットの方法
- 準備
安定していて、絶対にグラグラしない、丈夫な椅子を用意します - 歩幅
椅子の少し前に、足を肩幅か、それより少し広めに開いて立ちます。
つま先は、ほんの少しだけ外側(大体30度くらい)に向けるようなイメージ - 姿勢
胸を軽く張り、背筋をスッと伸ばしたまま、両手は胸の前で軽く組む
あるいは前にまっすぐ伸ばしてバランスを取ります - 座る
そこから2秒くらいかけてゆっくり椅子に腰かけてます
この時目線は真正面を向いたままで膝がつま先よりも前に出すぎないようにすること
太ももの前に手をおいておくと意識しやすいです - 立ち上がる
太ももの前側とお尻の筋肉を「キュッ」と意識して、ゆっくりと、息を吐きながら元の姿勢に立ち上がります - 繰り返す
2~5を繰り返します

膝が内側に入ってしまわないように、膝とつま先の向きを揃えること!これが、膝を痛めないための超重要ポイントです!
この椅子スクワットであれば、スクワットが難しい人にとっても安全に行うことができますし、椅子さえあれば自宅で簡単にできます。
ゆっくりと行うことで足全体に負荷をかけることができます。
これを、まずは「5回できたら素晴らしい!」という気持ちで、1日に2~3セット行うのを目安に始めてみましょう。
慣れてきて、「なんだか楽にできるようになったな」と感じたら、少しずつ回数を増やしたり(目標は10回!)腰を下ろす深さをほんの少し深くしたりしていきましょう。
「今日は昨日より1回多くできた!」そんな小さな成功体験を積み重ねていくことが、続ける秘訣ですよ。
まず足の筋活の第一歩として、足全体を刺激することができるスクワットを安全に改良した椅子スクワットから是非はじめてみましょう。
ウォーキングで筋トレ
「お散歩やウォーキングはどうなんだろう?」
「歩いているつもりだけど、筋トレになってるんじゃないの?」
このように考える人もいるでしょう。
もちろん、ウォーキングは素晴らしい健康習慣です。
しかし筋活というより有酸素運動の要素が強く、心肺機能が鍛えられるのですがより良い筋活に変えるためにはちょっとした工夫があるといいので、そちらを紹介します。
歩幅
まず、意識したいのは「歩幅」。
年を重ねると歩幅というのはだんだん小さくなっていきやすいです。
ちょこちょこ歩きでは、あまり筋肉は使われません。普段より「プラス10cm」くらい歩幅を広げるイメージで、少し大股で歩いてみましょう。この際に姿勢も胸を軽く張ってまっすぐの姿勢で歩いてください。

お尻や太ももの裏側の筋肉がしっかり使われます。
歩く速さ
また「歩く速さ」も重要。
ゆっくりダラダラ歩くよりも、少し息が弾むくらいの「やや速足」の方が、心肺機能も鍛えられ、筋肉への刺激も高まります。
まずは「隣の人と話すのがしんどい」くらいの速さを目指してみましょう。
あまり早歩きでは疲れてしまう人は、「普通歩き」と「速歩き」を数分ずつ交互に行う「インターバル速歩」も、非常に効果的でおすすめです。

このように、ウォーキングをする際は、普段より「歩幅を大きく」、「歩く速さを速く」することで、効果がぐっと変わる場合があります。
あえてウォーキングと意識しなくても、誰もが歩く動作は普段から行うと思うので、
日々歩く際にこの2つは意識して歩いてみましょう。
そして、もし筋活という意味では、できる人は「階段」や「坂道」も活用していきましょう。
階段や坂道は平地よりも足の筋肉にかかる負担が増えます。
よくいう話ですが、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使うことや、ウォーキングの際に坂道のルートを選択するのも有効です。
平地を歩くよりも数倍の運動効果があり、太ももやお尻の筋肉を効果的に鍛えられます。

ここで重要なのが、「完璧主義にならないこと」。
例えば5階まで階段で行こうとなると、おっくうになって継続できないかもしれませんし、坂道ばかりのルートではウォーキングが楽しくなくなってしまうことも。
こういうときは例えば3階まで階段でいってそこからエレベーターを使うとか、一回だけ坂道を通ってみようとか、ちょっと取り入れるだけでいいので、自分にストレスがかかりすぎない、継続できるレベルを目指していきましょう。
「運動しなきゃ!」と気負う必要はありません。
いつもの買い物、散歩、家事の中で、ほんの少し「歩き方」や「動き方」を意識するだけで、あなたの日常が最高の「足の筋活」の場に変わるんです。
「座りっぱなし」の時間を減らす!
テレビを見ている時、本を読んでいる時、ついつい長時間座りっぱなしになっていませんか?
研究では、座っている時間が長いほど、死亡リスクが高まるというデータもあるんです。
できれば30分に一度は立ち上がって、少し足踏みをしたり、室内を歩き回ったりするだけでも、血流が改善し、筋肉の衰えを防ぐ効果があります。
ここまでお伝えした内容は、誰もが簡単に取り入れられる内容です。
足の筋活で最も重要なのはいかに継続できるかなので、激しいトレーニングや運動ではなく、まずこういったとにかく継続しやすい部分からはじめてみてください。
まったく行っていなかった人は、続けていく中で驚くほど効果を実感するでしょう。

セルフチェック
足の筋肉が落ちているかどうかわかるセルフチェックの方法もあります。
指輪っかテスト
足の筋肉低下のセルフチェック方法、それは「指輪っかテスト」というものです。
これは、両手の親指と人差し指を結んで、自分のふくらはぎの一番太い部分にあてます。
この輪の中にふくらはぎの一番太い部分がすっぽりと入って空洞ができてしまうかどうか確認するというテストです。
この指輪っかテストで空洞ができてしまうようなら、筋肉が落ちているサルコペニア、の疑いがあります。

5回椅子立ち上がりテスト
そして指輪っかテストに引っかかった人、今説明したエピソードに当てはまった人にさらにチェックできるテストがあります。
その名も「5回椅子立ち上がりテスト」です。
具体的なやり方を紹介します。
まず、ひじ掛けのない椅子を一つ用意します。
この椅子に、腕の胸の前で組み、座った状態からスタートし、よーいドンの合図で、
できるだけ早いスピードで、椅子に座って、立って、という動作を5回繰り返し、この時間をはかります。
立ち上がる時はしっかりひざを延ばした状態までいきましょう。
このテストでもし12秒以上かかってしまった、そんな人はサルコペニアの可能性があります。

ただ、心配する必要はないので、先ほど紹介した椅子スクワットを行う習慣をつけて、慣れてきたことにまた5回椅子立ち上がりテストをして、時間を短縮できるか試してみましょう。
目標があった方が取り組みやすいので、どんどん記録を更新していくのもいいですね。
足の筋肉別トレーニング法
慣れてきた人、あるいはもの足りない人は、今度は足の各部位を刺激する方法もあるので紹介していきます。
大腿四頭筋
足の中で最も大きい筋肉、大腿四頭筋。
この筋肉は主に、膝を伸ばすときに使う筋肉です。
膝をのばすと、太ももの上の部分がかたくなるのがわかると思います。ここが大腿四頭筋です。
スクワットでも鍛えられる部分なんですが、座ったり寝ている時の「ながら膝のばし運動」がオススメです。
椅子に座っている時なら、そのまま膝をまずゆっくりと伸ばします。その後ゆっくりとおろしてきます。
伸ばすのもおろすのもできるだけゆっくり、3秒くらいかけるのを目標にしましょう。
余裕がある人は伸ばしきったところで5秒くらいとめてみましょう。
太ももの前側の筋肉がぷるぷるしていればそれで合ってます。

寝ている状態であれば、逆側のひざをたてて、持ち上げる方のひざを伸ばした状態で、足首をおこして、そらした状態で床から10-20cmくらい持ち上げ、そこで5秒、できる人は10秒キープ。

今できる人は試しにやってみましょう。
太ももの前の部分が使えている感覚があればばっちりです。
大腿四頭筋は大きな筋肉なので、非常に効率的に足を強くすることができます。
大殿筋
では、次に鍛えたいのが「大殿筋」。
お尻の筋肉です。こちらも大腿四頭筋の次に落ちやすい筋肉と言われていますし、ハリが失われるのも気になる人もいるでしょう。
この部分を鍛えることで、体全体のバランス感覚を向上させることができます。
大殿筋のトレーニングで重要なのは、まずお尻の筋肉というのはあまり使う時意識しない筋肉なので、
意識するところからはじめればいいということ。
具体的に何をするかというと、座った状態でお尻をすぼめて見てください。

一見、地味な運動に見えますが、これは筋肉に力を入れる感覚を養う「アイソメトリック運動」という立派なトレーニングです。
こちらでまずお尻の筋肉を使う感覚を養いましょう。
これになれたら、今度は力を入れる時に腰を少しあげてみるとより効果的ですし、最も負荷をかけるには寝た状態で行いましょう。
大殿筋のトレーニングは、テレビをみながら、寝ながらでもできる方法です。
まず、マットなど柔らかいものの上に仰向けになって、膝を立てます。
そして、腰の部分をこちらもゆっくりと息を吐きながら上に上げて、お腹と太ももが一直線になるようにしましょう。この時お尻が固くなって、力が入っているのを確認して下さい。

高さはできる範囲でいいですし、難しい人はお尻を手で支えて持ち上げてあげましょう。
そしてお尻をゆっくり地面に戻してあげる。これを10回繰り返しましょう。
やれる人は今、一緒にやってみましょう。
ハムストリングス
ももうら、大腿四頭筋の後ろの筋肉は通称「ハムストリングス」と呼びます。
ここをしっかり鍛えておくことで、後ろに倒れそうになった時にふんばりがきき、しりもち予防になります。
ハムストリングの筋肉が落ちると、その分を前ももの筋肉がかばうことで、膝が痛くなりやすいですし、骨盤を支えられなくなって、骨盤がさがり、膝が曲がりやすくなります。
うつぶせももうら運動
おススメの方法は、うつぶせの状態で行う方法。
やり方としては、うつぶせの状態から、かかとを思い切りお尻にぶつけるようなイメージでひざを曲げ、
できるだけそこで耐えてゆっくりもどってきます。
これを10回1セットで3セットくらい行うことができると良いでしょう。

テレビを見ながら行うことができるので、非常に継続しやすいです。
立った状態で膝を曲げ、かかとをおしりにくっつけるような運動でもいいんですが、あえてこの時間、と決めずに、テレビを見ている時に思い立ってうつぶせももうら運動を行う、というやり方も続けやすいです。
じわっとももうらが熱くなる感覚を感じてみてください。
ふくらはぎ
ふくらはぎも鍛えられる人は鍛えておきましょう。
かかと上げ運動
「かかと上げ運動」が効果的です。
まず、倒れないように壁や椅子など、何か支えになるもののそばに立ちます。
そして、両足を肩幅くらいに開いて、ゆっくりとかかとを上げていきます。つま先立ちになる感じですね。
一番上まで上げたら、そこで1、2秒キープ。
ふくらはぎの筋肉がキュッと収縮するのを感じてください。
その後、ゆっくりとかかとを下ろします。これを繰り返すだけ。
回数は、まずは10回を1セットとして、1日に2〜3セットくらいから始めてみましょう。

このかかと上げ運動は、ふくらはぎの「腓腹筋(ひふくきん)」や「ヒラメ筋」といった、
ポンプ作用に重要な筋肉を効率よく鍛えることができるんですね。
立った状態でやってもいいですし、あるいは座った状態でもできるので、テレビを見ながら、歯を磨きながら、あるいは立ち仕事をしながらでもできる「ながら運動」にうってつけのものです。
このように、大腿四頭筋、大殿筋、ももうらのハムストリング、ふくらはぎと、足の筋肉といってもそれぞれの筋活法があるので、大きい筋肉から優先してまんべんなく鍛えることができるようになれば、あなたも筋活マスターです!
筋肉をつける食事
「食事をするまでが筋活である」ということ。
ご存じの人も多いと思いますが、筋肉は1本1本がひものような「筋繊維」が集まったもの。
そして今解説したような「筋活」を負荷をかけて行うと、筋繊維がぶちぶちっと切れるんですね。
そしてこの切れた筋繊維は、もう一度修復されるんですが、この時に「のり」の役割を果たすのが、
タンパク質なんです。

タンパク質で補強されることで、切れた筋繊維が元の状態より強くなっていく、筋肉がつくのはこういう仕組みなんです。
何がいいたいかというと、筋活というのは、筋肉に負荷をかけて繊維を切る「運動」の部分と、しっかりタンパク質を摂取する「食事」の部分、この2つが合わさって初めて正しい筋活である、ということ。
筋肉がつく体の仕組みは何歳になっても効果が期待できます。
週3回のトレーニングをしっかりと行えば、80歳や90歳の方もほぼ全員が膝を伸ばす筋力が上がったというデータがあります。
しかも、脚の筋力が高い人、低い人を比べた論文でも、生存率は圧倒的に脚の筋力が高い人たちです。
筋活というのは寿命を延ばすのに有効と言って言い過ぎではないんです。

では、足の筋肉の運動の効果を最大限に発揮する食事の意識の仕方について学んでいきましょう。
タンパク質は、私たちの筋肉はもちろんのこと、骨、皮膚、髪の毛、血液など、体を作るための最も基本的な材料です。
筋肉にとっては、タンパク質がなければ、新しい筋肉を作ることはできません。
ところが、年齢を重ねるといくつかの理由で、この大事なタンパク質が不足しがちになります。
- 食事量の低下
食が細くなったり、あっさりしたものを好むようになったりして、お肉やお魚といったタンパク質源の摂取量が自然と減ってしまう。 - 消化・吸収能力の低下
胃腸の働きが若い頃に比べて少し弱くなり、食べたタンパク質を効率よく消化・吸収しにくくなる。 - 筋肉を作る力の低下
同じ量のタンパク質を摂っても、それを筋肉に変える力(タンパク質合成効率)が、若い頃に比べて少し落ちてくる。
そのため、高齢者の方こそ、「意識して」「積極的に」そして「十分に」タンパク質を摂る必要があります。
タンパク質の摂取量
フレイル予防の観点からは、体重1kgあたり1.0g以上、できれば1.2g~1.5g程度のタンパク質を摂取することが推奨されています。
つまり、体重50kgの方であれば、1日に50g~75g、体重60kgの方であれば、60g~90gのタンパク質を摂るのが理想的、ということになります。

(ただし、腎臓の病気などでタンパク質制限が必要な方は、必ず主治医の指示に従ってくださいね。)
タンパク質摂取方法
タンパク質を摂取する際の重要なルールとしては
黄金ルール①タンパク質は「毎食」「まんべんなく」摂るのが鉄則!
タンパク質を摂取する際の重要なルールとしては
一度にたくさんのタンパク質をドカ食いしても、体内で筋肉に変えられる量には限りがあります。
そして、特に朝食で起こりがちなのですが、1食の中でタンパク質が少ないと、その際に筋肉が分解されやすくなってしまいます。
ですから、最も効率よく筋肉を育てるためには、朝食、昼食、夕食の3回の食事で、毎回コンスタントに、そしてまんべんなくタンパク質を摂ることが非常に重要なんです。
毎食必ず「タンパク質のおかず」を一品は加えるように意識しましょう。

黄金ルール2:「質」も大事! 「いろいろな種類」のタンパク質源から摂る!
お肉、お魚、卵、乳製品といった「動物性タンパク質」と、
大豆製品や穀物などに含まれる「植物性タンパク質」、どちらが良い悪いではなく、両方をバランス良く摂ることが大切です。
そうすることで、より多くの種類のアミノ酸を効率よく摂取できます。

そして、必須アミノ酸の一種である「ロイシン」は、筋肉のタンパク質合成のスイッチを入れる、非常に重要な役割を担っています。
ロイシンが比較的多く含まれている食品は、
- マグロ
- カツオ
- 鶏むね肉
- 牛肉
- 卵
- 牛乳
- 大豆
なかなかこのアミノ酸の種類までこだわるとメニューを作るのも億劫になってしまいがちです。
「タンパク質は動物性も植物性もまんべんなく摂取すると良い」と覚えておいてもらえるといいと思います。

また、ビタミンDも意識できるとよりいいです。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるだけでなく、筋肉の合成や筋力の維持にも深く関わっていることが分かっています。

多く含む食品としては
- 鮭
- さんまなどの魚介類
- 干ししいたけなどのきのこ類
また、食品以外に日光を浴びることでも体内で作られます。
まんべんなく、色んな食べ物から摂取する。
このようなポイントを意識した、具体的なメニューについて紹介します。
先ほど説明したように、体重60kgの人であれば60-90gくらいのタンパク質摂取が理想的なので、60gを3でわった20gずつ摂取する場合、どんなメニューになるか紹介していきます。
朝食
「朝はパンとコーヒーだけ…」なんていうのは、一番もったいないですよ!
パターン①洋食
食パン1枚(6枚切り):タンパク質 約5.3g
ツナ缶(オイル・水煮どちらでもOK)1/2缶(固形分約35g):タンパク質 約6.0g
とろけるチーズ1枚(またはピザ用チーズ20g):タンパク質 約4.5g
プレーンヨーグルト1カップ(約100g):タンパク質 約3.6g
これらを組み合わせると、合計で19.4gのタンパク質が摂れます!
さらに、元のメニューのように牛乳を一杯(100mlで約3.3g)プラスすれば、合計22.7gと、
目標を楽々クリアできます!

パターン②和食
ご飯お茶碗に軽く1杯(約150g):タンパク質 約3.8g
焼き鮭のほぐし身 大さじ2杯ほど(半切れ分):タンパク質 約10.2g
釜揚げしらす 大さじ2杯ほど(約20g):タンパク質 約4.2g
温泉卵1個:タンパク質 約6.2g
これらを全部乗せて、温かいお出汁をかければ、合計で24.4gのタンパク質が摂れる、
栄養満点のだし茶漬けの完成です!

さらさらっと食べられるので、朝食にうってつけだと思います。
昼食
昼食メニュー①
いつもの麺類をパワーアップ!「具だくさん“筋活”うどん」
うどんや蕎麦は、喉ごしも良くて食べやすいですが、それだけだとタンパク質が不足しがちです。
そこに、筋肉が喜ぶ「具」をたっぷり乗せてあげましょう!
冷凍うどん(1玉):タンパク質 約5.0g
鶏むね肉または、ささみ(加熱してほぐしたもの50g):タンパク質 約11.0g
卵1個(かき玉や月見に):タンパク質 約6.2g
かまぼこ2切れ(約20g):タンパク質 約2.0g
これだけで、合計24.2gのタンパク質が摂れます!
鶏肉の代わりに、豚バラ肉や油揚げ(1枚で約4g)を使ったり、わかめやきのこ類をプラスしたりするのも良いです。温かいおつゆで、体も心もポカポカになります。

昼食メニュー②
賢く活用!「コンビニ・スーパーのお惣菜定食」
「お昼ご飯を作るのはちょっと面倒…」そんな日は、無理せずお惣菜を上手に活用しましょう!組み合わせ次第で、完璧な筋活定食が作れます。
サバの塩焼き(コンビニ・スーパーのお惣菜1パック):タンパク質 約17.0g
パックごはん1個:タンパク質 約4.0g
冷奴1パック(お豆腐):タンパク質 約5.0g
ほうれん草のごま和えなど、野菜のお惣菜をもう一品
これなら、火を使わなくても、合計で26.0gものタンパク質がしっかり摂れます!

忙しい時はおにぎりやパンですませがちですが、必ず「タンパク質のおかずを1品加えるようにしましょう」
夕食
夕食メニュー①
これぞ日本の食卓!「サバの味噌煮定食」
やっぱり和食は落ち着きますよね。サバのような青魚は、タンパク質だけでなく、血液をサラサラにするEPAやDHAも豊富なので、一石二鳥です!
サバの味噌煮1切れ:タンパク質 約18.0g
ご飯お茶碗1杯:タンパク質 約3.8g
具だくさんのお味噌汁(豆腐と油揚げ入り):タンパク質 約4.0g
ひじきの煮物など、海藻類の小鉢をもう一品
これぞ日本の黄金バランス!合計で25.8gのタンパク質が美味しく摂れます。サバの缶詰を使えば、骨まで食べられてカルシウムも補給できるので、さらに良いですね!

まとめ

これで健康寿命を延ばす、一生歩ける筋活の知識はばっちりです。
是非、今日明日の運動や食事面で取り入れてみて下さい。
自宅で時間が出来た時に体を動かしてみたり、スーパーに行ったとき朝タンのことを思い出して、タンパク質を意識した食材を買ったり、まずは日常のささいな変化からで大丈夫なので、一歩一歩生活を変えて、筋活を普段の生活に取り入れてみてください。
今、もしあなたが「筋力が心配…病気かな?」「最近食欲がない…」と一人で悩んでいるなら、まずはそのお気持ちを、ウチカラクリニックのオンライン診療で話してみませんか?
- スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
- 対面診療と料金は変わらず、安心してご利用いただけます
- お忙しい方でも安心の年中無休で診療
- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
ウチカラクリニックのオンライン診療は、あなたの「治したい」という気持ちに、全力で寄り添います。
オンライン診療なら
ウチカラクリニックで!
- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:07:00-22:00
診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
無料かんたんチェック!
主な診療科目
- 一般内科
- 皮膚科
- 小児科
- 耳鼻咽喉科
- 婦人科
- 泌尿器科
- 心療内科
- 発熱外来
- ピル外来
- 生活習慣病
- アレルギー外来
- AGA・ED
- 肥満症外来
この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。













