「パーキンソン病」という病気を知っていますか?
名前は聞いたことがあるけど、どんな病気かあまり知らない…。
こんな人も多いかもしれません。
あまり知られていない病気ですが、著名人の方でもみのもんたさんや岡本太朗さん、プロボクサーのモハメドアリさんやハリウッドスターのマイケルフォックスさん等、実は多くの方がこのパーキンソン病の経験者です。
そしてパーキンソン病は放置していると体が自分の意志では徐々に動かなくなり、介助されても食事がとれなくなったり、認知症に繋がる病気。
ものを飲み込むのがだんだん難しくなるので、「誤嚥性肺炎」と呼ばれる、食べ物がむせて肺の方に入ってしまうことで起きる肺炎で命を落としてしまうこともある怖い病気なんです。
理解されていない分、発見が遅れ、治療が遅くなってしまい、進行した状態で見つかることもあります。
今回はそんな後悔をしないために、初めてこの言葉を聞く人でもしっかり理解できるように、決して珍しくないパーキンソン病という病気の正体、体に起こる変化や危険サインについて徹底解説していきます。
【パーキンソン病とは一体何?】
「パーキンソン病」という言葉は第一発見者の人の名前です。
病気の名前は発見した人の名前がつけられることが多く、この病気も
イギリスのJames Parkinsonが、1817年に初めて、この病気の症状を一冊の本にまとめたことから由来しています。

では、このパーキンソンさんが見つけたパーキンソン病、その正体や原因とは何なのか。
この病気、一言でざっくり言えば「神経がだんだん脱落してしまう病気」です。
このような神経がだんだんすり減っていく病気のことを、専門用語で「変性疾患」と呼びます。
日本で最も多い変性疾患がアルツハイマー型認知症です。
その次に多いのが、このパーキンソン病で日本に15万人程度存在すると言われています。

このパーキンソン病では脳の奥深くの神経が脱落してしまいます。
脳の奥には「黒質」という場所があります。
ここでは、人間の運動の機能を調整している「ドパミン」というホルモンを作っています。
この黒質の神経が脱落してしまうことで、ドパミンがつくられる量が減り、運動の機能をはじめ、様々な症状が出現する病気なんです。

原因は現代の医学ではっきりとは解明されていませんが、遺伝の影響であったり、加齢、年齢を重ねる程起きやすくなるということがわかっています。
パーキンソン病では神経が脱落していってしまい、その神経は元には戻らない。だからこそ早期発見・早期治療が重要な病気なんですね。
治療は今説明したようにドパミンというホルモンが作られなくなるので、このホルモンを補充してあげます。
しかし、脳という場所は細菌やウイルスの侵入を防ぐ関所のような場所、専門用語で「血液脳関門」という場所があり、ドパミンを通してくれない仕組みになっているんです。

ではどう治療していくかというと、L-ドパと呼ばれるドパミンの赤ちゃんのようなお薬を送り込みます。
このL-ドパは赤ちゃんの状態だと門番が関所を通るのを許してくれるので、脳に入ってからドパミンに成長します。ドパミンに成長して脳の機能を保ってくれる薬です。
他にも様々なお薬を活用したり、脳の奥深くに電極から電気を流す「脳深部刺激療法」と呼ばれる治療なども存在するのがパーキンソン病です。
このような治療をできるだけ症状が進行する前の段階、早い段階で行う必要があるのですが、パーキンソン病の症状はあまり知られていないことも多く、発見が遅れてしまったり、気づかず無理をして生活してしまうこともあります。
なので、是非ここから紹介する、絶対に見逃してはいけないパーキンソン病の兆候は是非覚えておいて周りの人とも共有して下さい。
*オンライン診療のため「脳深部刺激療法」は対象外となります。

症状
①ふるえ
パーキンソン病って手がぶるぶる震える病気だよね?
まず、皆さんがパーキンソン病の症状としてご存じだとすると、この症状ではないでしょうか?
そしてパーキンソン病のふるえのポイントが、「じっとしている時に出る」ということです。
パーキンソン病では例えば手の場合、椅子に座ってひざに手をおいている時や、歩いている時など、
力を抜いている時に出やすいです。
またもう一つの特徴が、じっとしている時の中でも睡眠中は止まるということ。
例えば、寝る前に座ってテレビを見ている時は小刻みに手が震えているのですが、寝てしまうとふるえがおさまる。そして目が覚めると再びふるえがはじまる。こんなパターンになります。
もしこのようなふるえの症状がはじまったら、軽い症状でもすぐ病院を受診しましょう。パーキンソン病の専門の科は「神経内科」になります。
片方の手や足の症状からはじまることが多いので、まずこのふるえの症状がパーキンソン病で起きる、ということを覚えておきましょう。
医学用語で「振戦」と呼ばれる症状です。

②関節が固くなる
普段の皆さんの筋肉や関節は、スムーズになめらかに曲がったり動くと思います。
ところが、パーキンソン病では、この関節がまるであぶらが切れてしまった古い機械のように、ギシギシと抵抗を感じるようになってしまうのですね。
医学用語で「筋強剛」と呼ばれる症状なのですが、肩、膝、指などの筋肉が固くなり、スムーズに動かしにくくなり、中には痛みを伴うことも。

また、症状が進行すると筋肉が上手くうごかないことが原因で、顔の筋肉がこわばり、無表情に感じられるという症状になることもあります。
初期は自分で感じ辛いことも多いので、このチェック方法としては、「他の人に動かしてもらうこと」
例えば他の人が腕や足を動かそうとして、関節がカクカクする、抵抗感がある場合は、
パーキンソン病の初期症状かもしれません。
③歩く速度が遅くなる
パーキンソン病の症状は、「歩く速度や動作が遅くなる」というものもあります。
例えば
・最近横断歩道が青の間に渡り切れなくなった、、
・洗濯物をたたむのにやたら時間がかかるようになった、、
こんなことはないでしょうか?
もしかしたらパーキンソン病の前触れかもしれません。
このように動作が遅くなることは医学用語で「ブラディキネジア」といって、パーキンソン病でもしばしばみられるものです。
歩く速度が遅くなり、歩幅や腕の振りも小さくなり、書く文字や声が小さくなることもあります。
次第に「無動」といって、動かない状態に近づいていってしまいます。
イメージとしては「ちーん」としている感じで、顔が動かなくなり、あまり動作もしなくなり、心配になった息子さんが病院に連れていったらパーキンソン病だったというケースもあります。

老化や認知症とも見分け辛い所なのですが、今回紹介した他の症状と合わせて出現するようなら病院に早めにかかりましょう。
他にも、体のバランスを保つ力が弱くなったり、小刻みなチョコチョコ歩きになることで転びやすくなるといった症状もあります。
冒頭で紹介した、のどの筋肉の調節がうまくできないことでむせやすくなり、「誤嚥性肺炎」と呼ばれる肺炎や窒息に繋がることもあります。
こういった症状は、脳の奥深くでドパミン、というホルモンの量が減り、いずれも筋肉を動かす運動の機能の調節ができなくなくことが原因ですが、実は他にもパーキンソン病には、思いもよらぬ症状が先行することがあります。
一旦どんな症状なのか?早期発見に役立てるために是非知っておきましょう。
④においがわからなくなる
パーキンソン病の症状には「においがわからなくなる」というものもあります。
「最近、朝のコーヒーの香りを感じにくい」
「街を歩いていてもご飯屋さんの臭いを感じない」
などの症状が、もし蓄膿でないなら、実はパーキンソン病の前触れである可能性があります。

においの神経回路は、脳の奥深くにある「嗅球(きゅうきゅう)」や「嗅覚皮質」を経て認識されるのですが、パーキンソン病で変性が始まる部分と関係が深いことがわかっています。
そのため、先行してにおいを感じなくなることがあります。
あまりににおいがしない場合は放置しないようにしましょう。

⑤ねごと
次に紹介するパーキンソン病の症状は「睡眠中の寝言」です。
「最近旦那の寝言がうるさい。ひどい時は寝言で叫んでいる。あまりにひどいので寝室を見に行ったら、手足を大きくバタバタ動かしていているけど、本当に大丈夫だろうか?」
こんなケースです。これはパーキンソン病でよく出る症状です。
医学用語で「レム睡眠行動障害(RBD)」と呼ばれるもの。
よくレム睡眠やノンレム睡眠という言葉を聞きますよね。
そして夢を見ているのがレム睡眠の時なんですが、夢を見てそのまま体が動かないように、本来レム睡眠時は体が動きを抑制する仕組みがあります。
しかしパーキンソン病になると、脳の制限機能がうまく働かずに、夢で見ている動作をそのまま体で再現してしまうのです。
そのため急な寝言の変化や、寝ている時の異常な行動として現れてしまいます。

そして、実はこのレム睡眠行動障害は、パーキンソン病の「前兆」と言われていて、
50歳以上のレム睡眠行動異常症患者さんの約38%が、平均12.7年でパーキンソン病を発症したと報告されています。
だからこそ、早めに病院にかかっておくことがとっても重要。
なんか最近毎日悪夢をみて叫んでいる、、バタバタ音がする、、こんなご家族さんがいたら、
一度病院で相談してくださいね。
⑥便秘
次に紹介するパーキンソン病の症状は「便秘」です。
「いやいや、便秘くらい誰でもあるよ」と思いますよね。
昔から便秘体質ではなかった人が急に頑固な便秘を起こしはじめた場合は、注意が必要です。
便秘はパーキンソン病の80%の方に出現する、とても多い症状です。

パーキンソン病では、自律神経のバランスが乱れやすく、腸の動きが低下したり、排泄のリズムが崩れたりします。
そしてこの自律神経は膀胱にも影響しているので、「夜に何度もトイレに起きる」とか「尿の出が悪い」といった尿トラブルもあります。
なかなかこれだけでパーキンソン病と結びつかない症状ではあるのですが、頻度の高い症状ではあるので、他の症状と合わせて出現するようなら注意しましょう。

⑦気分の落ち込み
その他に「気分の落ち込み」いわゆるうつっぽい症状がパーキンソン病で出現することも。
うつ病は脳の病気で、ホルモン不足になることが原因。
脳内のドーパミンだけでなく、セロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることがあり、気分障害が先行することがあります。
気分の落ち込みがきっかけでうつ病の診断となり、治療をしても改善せず、のちのちパーキンソン病が見つかった、なんて例もまれにあります。

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予防法
このように命にも関わるし、意外に多いパーキンソン病ですが、果たして予防法はあるのでしょうか?
現段階では、明確な予防法はないのですが、たばこや、頭を打ったりすることがリスクになるとは言われているので、できるだけ禁煙をしたり、転びにくい環境を作ることは予防法としてやってみましょう。
基本的には、特徴的な対策はないので、規則正しい生活を送った上で、もし今回紹介したような症状があったら、必ず病院を受診するようにしてください。

症状が進行する前に、お薬などの方法で体内のホルモンの調節を行い、症状を進行させないことが重要なので、早期発見は早ければ早いほど良いです。
もしもの時のためにも、あなたの周りの人のためにも、このパーキンソン病の知識は是非身に着けておきましょう。
まとめ

パーキンソン病では運動にまつわる体の症状から、におい、睡眠、メンタル、腸まで本当に様々な症状が出現しますし、知識を持っていないと早期発見が本当に難しい病気。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。













