パキロビッドパックの効果・副作用・併用禁忌薬について解説!【医師監修】
「新型コロナ感染症でパキロビッドパックを処方されたけれど、どんなお薬?」
「併用禁忌のお薬が多いって聞いて不安…副作用や飲み合わせについて知りたい」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化を防ぐ飲み薬として処方されるのが「パキロビッドパック」です。
発症初期に服用することで重症化や入院のリスクを大きく下げてくれる心強いお薬ですが、「飲み合わせの悪いお薬が非常に多いこと」や「年齢・体重・腎機能に応じた用量調整」など、安全に使用するための注意点もしっかり理解しておく必要があります。
この記事では、パキロビッドパックの効果や使い方、併用禁忌薬が多い理由、気になる副作用(味覚異常など)について、医師が詳しく解説します。
目次
パキロビッドとは?効果は?
パキロビッドパックは、「ニルマトレルビル」と「リトナビル」という2つの有効成分が組み合わされた経口抗ウイルス薬です。
体内で新型コロナウイルスが増殖するのに必要な酵素(CYP3Aなどで分解されるメインプロテアーゼ)の働きを強くブロックすることでウイルスの増殖を抑え、重症化を防ぎます。
パキロビッドの種類(剤型)
パキロビッドパックには、患者さんの年齢・体重および腎機能に合わせて以下の2種類のパッケージ(シート)が存在します。
- パキロビッドパック600
- 成人及び6歳以上かつ体重40kg以上の腎機能が正常な方向けの通常用量パックです。
- 1シート中に「ニルマトレルビル錠150mg×2錠 + リトナビル錠100mg×1錠」が入っています。
- パキロビッドパック300
- 中等度腎障害患者(成人・40kg以上の小児)や、6歳以上かつ体重20kg以上40kg未満の小児向けの用量パックです。
- 1シート中に「ニルマトレルビル錠150mg×1錠 + リトナビル錠100mg×1錠」が入っています。
パキロビッドの成分
有効成分はニルマトレルビルとリトナビルです。
- ニルマトレルビル: 新型コロナウイルスの増殖を直接阻害する主成分です。
- リトナビル: ニルマトレルビルが体内で分解(代謝)されるのを防ぎ、有効血中濃度を高く維持させる役割(ブースター)を果たします。
パキロビッドの効果
- 新型コロナウイルスの増殖を阻害し、体内のウイルス量を減少させる
- 重症化リスク因子を有する患者の発症初期(5日以内)に服用を開始することで、重症化や入院、死亡のリスクを低減する

どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- SARS-CoV-2による感染症(COVID-19)
パキロビッドはオンライン診療で出せる?
「発熱や倦怠感で体調が悪く、クリニックまで移動して待合室で待つのがつらい…」
「できるだけ早く抗ウイルス薬の処方・相談を受けたい」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
パキロビッドパックのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでは、
パキロビッドパックに関するご相談や処方をオンライン診療にて承っております。
特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「仕事の合間に受診したい」などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
パキロビッドの使い方(用法・用量)
通常、1日2回(朝・夕の12時間ごと)に1回分のシート(1回分としてパッキングされた錠剤)を同時に水などで経口投与し、5日間継続して服用します。
- 成人及び6歳以上かつ体重40kg以上(正常〜軽度腎障害)
- ニルマトレルビル1回300mg(2錠)+リトナビル1回100mg(1錠)の計3錠(パキロビッドパック600)を同時に1日2回服用
- 成人及び6歳以上かつ体重40kg以上(中等度腎障害:eGFR 30〜60mL/min未満)
- ニルマトレルビル1回150mg(1錠)+リトナビル1回100mg(1錠)の計2錠(パキロビッドパック300)を同時に1日2回服用
- 6歳以上かつ体重20kg以上40kg未満の小児
- ニルマトレルビル1回150mg(1錠)+リトナビル1回100mg(1錠)の計2錠(パキロビッドパック300)を同時に1日2回服用
※重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min未満)の方への投与は推奨されていません。
※途中で熱が下がったり症状が軽くなったからといって自己判断で服用をやめてはいけません。体内にウイルスが残り再発したり耐性化するおそれがあるため、必ず5日間分(計10回分)を完全に飲み切りましょう。
パキロビッドの副作用
主な副作用
一般的な副作用
- 味覚不全(苦味)、味覚異常
- 頭痛
- 浮動性めまい
- 下痢・軟便
- 悪心、嘔吐
- 腹痛
- 胃食道逆流性疾患
- 高血圧
- ALT・AST上昇(肝機能数値)
- 発疹、蕁麻疹、そう痒症、紅斑
- 筋肉痛
- 倦怠感
重大な副作用
- 肝機能障害
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)・皮膚粘膜眼症候群(SJS)
- アナフィラキシー
副作用への対処法
パキロビッドパックで最も特徴的な副作用が「お口の中が苦くなる(味覚不全)」です。
これは併用されているリトナビルの影響等によるもので、5日間の服用が終われば自然に元に戻ります。苦味が気になる場合は、服薬ゼリーを使ったり冷たい飲み物で流し込むなどの工夫が効果的です。
また、下痢や悪心(吐き気)が現れることがありますが、軽度であれば経過を見ることが多いです。
ただし、激しい下痢や全身の発疹・息苦しさ、黄疸が出た場合は直ちに服用を中止し、速やかに主治医や薬剤師にご相談ください。
パキロビッドの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方(禁忌)
- 過去に本剤の成分(ニルマトレルビル、リトナビル)に対し過敏症を起こしたことがある方(禁忌)
- 併用禁忌薬剤を投与中の方(禁忌)(下記で詳しく解説)
- 腎機能障害又は肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の方(禁忌)
特に注意して使う方(慎重投与)
- 未治療又はコントロール不良のHIV感染患者
- 肝機能障害のある方(コルヒチン非投与時)
- 妊婦・授乳婦の方
- 小児等
- 高齢者
代表的な併用禁忌薬
パキロビッドパックと一緒に飲むと、重篤な副作用を引き起こしたり、お薬の効果がなくなったりするため絶対に併用できない主なお薬の一覧です。
| 高血圧・心臓のお薬 | ・アゼルニジピン(カルブロック) ・レザルタス配合錠 ・アミオダロン(アンカロン) ・フレカイニド(タンボコール)など |
| 睡眠薬・不眠症治療薬 | ・スボレキサント(ベルソムラ) ・ダリドレキサント(クービビック) ・ボルノレキサント(ボルズィ) ・トリアゾラム(ハルシオン) ・ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)など |
| 血液をサラサラにするお薬 | ・リバーロキサバン(イグザレルト)など |
| 精神疾患・こころのお薬 | ・ブロナンセリン(ロナセン) ・ルラシドン(ラツーダ)など |
| てんかん・結核のお薬 | ・カルバマゼピン(テグレトール) ・フェニトイン(アレビアチン) ・フェノバルビタール(フェノバール) ・リファンピシン(リファジン)など |
| 健康食品・ハーブ | ・セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)含有食品など |
※上記以外にも併用できないお薬が多数存在します。市販薬や持病のお薬がある方は、服用中のすべてのお薬手帳を必ず医師・薬剤師にお見せください。
なぜ併用禁忌薬がこんなに多いのか?
パキロビッドパックに含まれる成分が、「体内でお薬を分解する酵素の働き」を強力に抑えてしまうためです。
普段服用しているお薬が体内で分解されにくくなると、血液中のお薬の濃度が急激に跳ね上がり、血圧の急降下や不整脈、強い眠気など命に関わる重大な副作用を引き起こすおそれがあります(逆に、てんかん薬などパキロビッドの効果を消してしまうお薬もあります)。
そのため、安全を守る目的で多種多様なお薬が「一緒に飲んではいけない(併用禁忌)」と厳格に定められています。

生活上の注意(使用上の注意)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 服薬中・新規服用のお薬を必ず医師に確認する | 併用禁忌薬が多数存在するため、現在飲んでいるすべてのお薬(市販薬・サプリ含む)を必ず伝え、治療中に他のお薬を飲む際も事前に相談してください。 |
| 発症から5日以内に服用を開始する | コロナの重症化を防ぐため、症状が出たら速やかに受診・服用を開始することが重要です。 |
| シートごとの服用量を正しく守る | 1シートの中に1日分(朝・夕の2回分)が含まれているため、1回に飲む錠剤数をしっかり確認して服用してください。 |
保管方法
- 直射日光や高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 小さなお子様の手の届かない、安全な場所で保管してください。
飲み忘れたら?
飲み忘れに気づいた場合、本来の服用時間から8時間以内であれば気づいたときにすぐ1回分を服用してください。
8時間を過ぎている場合はその回は飛ばし、次の指定の時間に1回分を服用してください。
絶対に一度に2回分をまとめて飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療では、お薬の処方を行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。


※心療内科ではシステム手数料をいただいております。
パキロビッドに市販薬はある?値段は?
市販薬
パキロビッドと同じ有効成分(ニルマトレルビル/リトナビル)を含む市販薬(OTC医薬品)はありません。(処方薬のみ)
ジェネリック
現在で、日本国内で販売されているジェネリック医薬品(後発品)はありません。
薬価
| 薬剤名 | 区分 | 薬価 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| パキロビッドパック600 | 先発 | 約19,806円/シート | 約29,709円 |
| パキロビッドパック300 | 先発 | 約12,539円/シート | 約18,808円 |
※2026年10月現在。薬価は改定などで変わる可能性があります。
※1回の治療(5日間)で1箱(5シート)を使用します。
※コロナ治療薬の公費負担は終了しており、医療費に応じた窓口負担(3割・1割等)が発生します。別途、処方箋料や調剤技術料などが加算されます。
添付文書
まとめ
パキロビッドパックは、新型コロナウイルス感染症の重症化を防いでくれる非常に効果的な抗ウイルス薬です。
一方で、飲み合わせの悪い併用禁忌薬が多く存在するため、服用にあたっては服用中のお薬チェックと医師・薬剤師への正確な情報伝達が欠かせません。
「発熱してクリニックへ行くのが大変…」
「手軽に医師に相談して適切なお薬や受診の判断をしてほしい」
そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。
- スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
- 対面診療と料金は変わらず、安心してご利用いただけます
- お忙しい方でも安心の年中無休で診療
- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
通院にかかる時間や手間を減らしながら、専門の医師に体調やお薬の悩みを気軽に相談できます。不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
よくある質問(FAQ)
妊娠中・授乳中でも使えますか?
医師との慎重な相談が必要です。 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。授乳中の方については、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮して授乳の継続または中止を検討します。
小児(子供)でも使えますか?
6歳以上から使用可能です。 6歳以上かつ体重40kg以上の小児には通常用量(パック600)、6歳以上かつ体重20kg以上40kg未満の小児には用量調整(パック300)で使用します。
運転しても大丈夫ですか?
基本的には問題ありません。 直接的に眠気を引き起こす成分は含まれていませんが、めまいや頭痛の副作用、あるいはコロナ感染症自体による高熱や倦怠感がある場合は運転を控え安静に過ごしましょう。
いつから効き始めますか?
服用開始後、通常1〜2日程度で体内のウイルス増殖が抑えられ、発熱や体調悪化の阻止へ効果を発揮し始めます。発症から5日以内の早期投与が効果を最大限発揮する鍵となります。
お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?
原則としてお控えください。 肝臓への負担を増やすだけでなく、コロナ感染症の治療・回復において禁酒と十分な休養が不可欠です。
併用禁忌薬を飲んでいる場合は絶対にパキロビッドを使えませんか?
基本的には他のお薬を選択するか、休薬・代替薬を検討します。 普段飲んでいるお薬が併用禁忌に該当する場合、別のアプローチ(併用禁忌が少ない他のコロナ抗ウイルス薬への変更や、一時的に普段のお薬を休薬・変更できるかどうかの判断)を医師が慎重に行います。自己判断でお薬を中断せず、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
服用中にお口の中が苦くなるのはなぜですか?対処法は?
成分(リトナビル等)による一時的な副作用(味覚不全)です。 パキロビッドでよく見られる副作用ですが、5日間の服用が終了すれば解消されます。服薬ゼリーで包んで飲んだり、冷たい飲み物で流し込むなどの工夫で軽減できます。