胃腸炎の症状は?うつるの?原因や薬について医師が解説!【感染性胃腸炎】

消化器内科
胃腸炎の症状は?うつるの?原因や薬について医師が解説!【感染性胃腸炎】

「突然の吐き気と下痢で、トイレから離れられない…」「お腹がキリキリ痛んでつらい…」

そんな激しい症状で私たちを苦しめる胃腸炎。いわゆる「お腹の風邪」や「食あたり」として知られ、誰にとっても身近な病気です。ほとんどは数日で回復しますが、正しい対処法を知らないと、脱水症状を起こしたり、家族にうつしてしまったりする危険性もあります。

この記事では、胃腸炎の症状や原因、ご家庭での正しい対処法、そして病院での治療法まで、医師がわかりやすく解説します。

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目次

胃腸炎とは?よくある症状と原因

多くの人が経験する胃腸炎ですが、まずはその基本的な知識と原因について詳しく見ていきましょう。

胃腸炎とは?

胃腸炎とは、その名の通り、胃と腸の粘膜に炎症が起きた状態のことです。

主にウイルスや細菌などの病原体に感染することで発症する「感染性胃腸炎」を指すことがほとんどです

炎症によって胃腸の機能が低下し、吐き気や下痢といった様々な症状を引き起こします。

胃腸炎でよくある症状

胃腸炎になると、多くの場合、以下のような症状が突然現れます。

  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢(水のような便が出ることが多い)
  • 腹痛(差し込むような痛み、けいれんするような痛み)
  • 発熱(37〜38℃台のことが多い)
  • 頭痛、体のだるさ(倦怠感)、節々の痛み

ウイルス性の場合は、これらの症状が1〜3日ほど続き、自然に回復に向かうことが一般的です。

胃腸炎の原因

胃腸炎のほとんどは、ウイルスまたは細菌の感染が原因です。

ウイルス性胃腸炎

胃腸炎の最も一般的な原因です。感染力が非常に強く、人から人へとうつります。

  • ノロウイルス: 主に冬場に流行します。非常に感染力が強く、少量のウイルスでも発症します。
  • ロタウイルス: 乳幼児に多く見られ、激しい下痢や白色の便が特徴です。
  • アデノウイルス: 胃腸症状のほか、喉の痛みや目の充血など「かぜ」に似た症状を伴うことがあります。

細菌性胃腸炎(食中毒)

細菌に汚染された食べ物を食べることで発症します。

  • カンピロバクター: 加熱が不十分な鶏肉(鶏刺し、たたきなど)が主な原因です。
  • サルモネラ菌: 生卵や、加熱不十分な肉などが原因となります。
  • 病原性大腸菌(O-157など): 加熱不十分な牛肉(ユッケ、レバーなど)や、汚染された野菜などが原因です。

胃腸炎の検査

胃腸炎の診断は、主に問診が中心です。

「いつから、どんな症状があるか」「周りに同じような症状の人はいないか」「何か思い当たる食べ物はあるか」などを詳しく医師に伝えることが重要です。

必要に応じて、原因となるウイルスや細菌を特定するために便検査を行ったり、脱水や炎症の程度を調べるために血液検査を行ったりすることもあります。

胃腸炎の受診目安

ほとんどの胃腸炎はご自宅での療養で回復しますが、特に小さなお子さんや高齢者の方は、脱水症状などを起こしやすく注意が必要です。

胃腸炎で受診を考えるセルフチェックリスト

□水分を摂ってもすぐに吐いてしまい、半日以上おしっこが出ていない
ぐったりして意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い
□吐いたものや便に血が混じっている
□我慢できないほどの激しい腹痛が続いている
□38.5℃以上の高熱が続いている
□症状が出ているのが、乳幼児や高齢者である

これらのサインは、重度の脱水や、他の危険な病気の可能性も考えられます。
当てはまる場合は、速やかに医療機関(内科・小児科・消化器内科)を受診してください。

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胃腸炎の治し方/薬

胃腸炎の治療は、原因となっているウイルスや細菌を体外へ排出し、脱水症状を防ぐことが基本となります。

病院での治療は、症状を和らげる対症療法が中心です。脱水がひどい場合には、点滴による水分補給が行われます。

整腸剤

ウイルスや細菌によって乱れた腸内環境を整え、お腹の調子の回復を助けます。

ビオフェルミン、ミヤBM など

ビオフェルミン

善玉菌(乳酸菌や酪酸菌)を補給することで、悪玉菌の増殖を抑え、腸内フローラのバランスを改善します。

詳しい解説はこちら
ビオフェルミン
ミヤBM

 

制吐薬【吐き気止め】

吐き気がひどく、水分補給もままならない場合に、症状を和らげるために頓服として使われます。

ナウゼリン(ドンペリドン)

ナウゼリン

胃の動きを助けて吐き気を和らげますが、症状がひどい場合に頓服として使われます。

詳しい解説はこちら→ナウゼリン

メトクロプラミド(プリンペラン)

脳の嘔吐中枢と胃の両方に働きかけ、つらい吐き気を直接的に抑えます。

詳しい解説はこちら→メトクロプラミド

 

解熱鎮痛薬

高熱で体がだるい、頭痛がつらいといった場合に、体の消耗を防ぐ目的で使われます。

アセトアミノフェン(カロナール)

Acetaminophen

胃への負担が少なく、お子さんにも使いやすい解熱鎮痛薬です。

詳しい解説はこちら
アセトアミノフェン

 

抗菌薬【抗生物質】

ウイルス性胃腸炎には効果がなく、細菌性胃腸炎が原因と診断された場合にのみ使用される専門的なお薬です。

ホスミシン、ジスロマック など

ジスロマック

便検査などで原因菌が特定された場合に、その菌に効果のある薬が選択されます。

詳しい解説はこちら
ジスロマック
ホスミシン

 

市販薬で治療する場合の注意点

胃腸炎の際に、自己判断で下痢止め(止痢薬)を使うのは、原則として避けるべきです。

下痢は、体の中のウイルスや細菌を外に出そうとする防御反応です。

無理に下痢を止めてしまうと、病原体が腸内に留まり、かえって回復を遅らせてしまう可能性があります。

市販の整腸剤は比較的安全に使えますが、
症状がひどい場合や数日経っても改善しない場合は、必ず医療機関を受診しましょう。

胃腸炎を早く治す方法

つらい症状を少しでも和らげ、速やかな回復を目指すためには、適切な対処が欠かせません。

水分補給

下痢や嘔吐で失われた水分と電解質を補うことが最も大切です。経口補水液(OS-1など)を、一度にたくさん飲むと刺激になるためスプーン一杯ずつなど、少量ずつ、こまめに飲むようにしましょう。

食事は無理しない

吐き気が強い間は、無理に食べる必要はありません。症状が落ち着き、食欲が出てきたら、おかゆやよく煮込んだうどん、すりおろしリンゴ、バナナなど、消化の良いものから始めましょう。

安静にする

体はウイルスや細菌と戦って、体力を消耗しています。暖かくしてゆっくり休み、回復に専念しましょう。

胃腸炎はうつる?感染予防の方法

感染性胃腸炎は、その名の通り、非常に感染力が強い病気です。ご自身がつらいだけでなく、ご家族や職場、学校などで感染を広げてしまわないために、正しい予防策を知っておくことが非常に重要です。

胃腸炎はうつるの?

原因がウイルスや細菌である「感染性胃腸炎」は、人から人へうつります。

主に、以下のような経路で感染が広がります。

接触感染

感染した人の便や嘔吐物に直接、または間接的に触れることで感染します。
例えば、汚れた手で触ったドアノブやトイレのレバーなどを介して、ウイルスが自分の手に付き、その手で口に触れることで体内に侵入します。

飛沫感染

嘔吐した際などに、ウイルスを含んだ小さな飛沫(しぶき)が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。

経口感染

ウイルスや細菌に汚染された食べ物や水を摂取することで感染します。
感染した人が調理した食事を介してうつることもあります。

このように、感染性胃腸炎は様々な経路でうつるため、家庭内での感染対策が非常に大切になります。

胃腸炎の感染予防、うつさないために

基本は「手洗い」の徹底

トイレの後、おむつ交換の後、調理や食事の前には、必ず石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。
アルコール消毒は、ノロウイルスなど一部のウイルスには効果が低いことがあるため、石鹸での手洗いが基本です。

嘔吐物・便の正しい処理

嘔吐物などを処理する際は、使い捨ての手袋とマスクを着用し、塩素系漂白剤(ハイターなど)を薄めた液で、広めに消毒しましょう。汚れた衣類も、塩素系漂白剤でつけ置き消毒してから洗濯するのが安全です。

タオルや食器の共用を避ける

症状がある人が使ったタオルやバスタオル、食器やコップなどは、他の家族と分けて使いましょう。これにより、家庭内での接触感染のリスクを減らすことができます。

食品の取り扱いに注意する(食中毒予防)

細菌性の食中毒を防ぐためには、予防の三原則「つけない(よく洗う)」「増やさない(低温で保存)」「やっつける(中心部までしっかり加熱)」を守ることが基本です。特に、肉や魚の加熱は十分に行いましょう。

胃腸炎のよくある質問

胃腸炎について、よくあるご質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。

どんな人が胃腸炎になりやすいですか?

ウイルスや細菌がいる環境にいれば、誰でも感染する可能性があります。
特に、乳幼児や高齢者、病気の治療中などで免疫力が低下している方は、感染しやすく、重症化するリスクも高くなります。

受診や治療にかかる費用はどのくらいですか?

健康保険(3割負担)の場合、初診料と診察で2,000円~4,000円程度、便検査や血液検査を行うと5,000円~8,000円程度が目安です。これに加えて、お薬代がかかります。

胃腸炎は放置しても大丈夫?自然に治ることはありますか?

ほとんどのウイルス性胃腸炎は、適切な水分補給と休養で自然に治癒します。しかし、一番怖いのは「脱水症状」です。水分が摂れない状態を放置するのは危険です。
また、激しい腹痛や血便がある場合は、他の重篤な病気の可能性もあるため、絶対に放置してはいけません。

仕事や学校はいつから行けますか?何日休むべき?

ウイルス性の胃腸炎の場合、症状が治まった後も1〜2週間ほどは便の中にウイルスが排出されると言われています。
仕事については、法律での決まりはありませんが、一般的には下痢や嘔吐の症状が完全になくなってから復帰するのが目安です。特に、食品を扱うお仕事の場合は、職場に確認が必要です。
学校や保育園については、多くの場合嘔吐、下痢の症状が治まり、普段の食事が摂れる状態になれば登校・登園可能とされていますが、施設ごとのルールがあるため、必ず確認してください。

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症状があるとき、お風呂は入ってもいいですか?

入っても構いませんが、湯船に浸かるのは避けて、シャワーで済ませるのがおすすめです。湯船のお湯を介して、家族に感染を広げてしまう可能性があるためです。また、体力が落ちている状態での長湯は体に負担がかかるため、さっと体を清潔にする程度にしましょう。

胃腸炎の薬はネットやドラッグストアで買えますか?

整腸剤や、一部の胃の症状を和らげる薬は購入できます。
しかし、自己判断での下痢止めの使用は推奨されません。また、治療に必要な抗菌薬は、医師の処方箋がなければ購入できません。

治療期間はどのくらいですか?

ウイルス性胃腸炎であれば、症状のピークは1〜3日程度で、1週間以内には回復することがほとんどです。細菌性の場合は、原因菌によっては1週間以上症状が続くこともあります。

何科を受診すればよいですか?

大人の場合は内科消化器内科、お子さんの場合は小児科を受診しましょう。

胃腸炎はオンライン診療でも診察できますか?

はい、オンライン診療でも診察が可能です。詳しい問診を通じて、症状の緊急性や原因をある程度推測し、整腸剤や症状を和らげる薬を処方することができます。
「つらくて病院に行くのも大変」という場合に、非常に便利な選択肢です。ただし、脱水がひどい場合や、重症が疑われる場合は、すぐに対面での受診を勧められます。

胃腸炎が気になる場合はウチカラクリニックに相談を

突然の吐き気や下痢は非常につらいものですが、多くの場合、数日で回復に向かいます。回復の鍵を握るのは、「脱水を防ぐための適切な水分補給」と「周りにうつさないための感染対策」です。

「水分も摂れないほどつらい」 「家族にうつさないか心配…」

そのように感じたら、ぜひ専門医にご相談ください。

ウチカラクリニックでは、ご自宅からスマホ一つで相談できるオンライン診療にて、胃腸炎の診察・治療を行っています。つらくて外出するのも大変な時でも、通院の負担なく、気軽に専門的なアドバイスや、症状に合わせた薬の処方を受けることが可能です。

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