【漢方】麻黄附子細辛湯の効果・副作用を医師が解説!

麻黄附子細辛湯

「ひどい寒気がして、布団にくるまっても温まらない…」 「体がだるくて、起き上がれないほど疲れている」 「透明でサラサラした鼻水とくしゃみが止まらない」

そんな、体力が落ちて、体の芯から冷えきってしまったときにひく、つらい風邪の初期症状に、漢方薬の「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」が処方されることがあります。

今回は、この麻黄附子細辛湯がどのようなお薬なのか、その効果の仕組みや副作用、そして「葛根湯」との違いについて、医師がやさしく解説していきます。

 

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麻黄附子細辛湯とは?効果は?

麻黄附子細辛湯は、体を強力に温め、新陳代謝を高めることで、ひきはじめの風邪を追い出す漢方薬です。

“冷えきって弱っている人”専用の、風邪の初期に飲む漢方で、漢方薬の中でも特に体を温める作用が強いのが特徴で、高齢の方や、もともと体力がなく冷えやすい方の「ゾクゾクっ」という風邪のサインに使われます。

医療用では、主に「ツムラ麻黄附子細辛湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。

 

麻黄附子細辛湯の成分

麻黄附子細辛湯は、以下の3種類の生薬(しょうやく)で構成されています。

  • 麻黄(マオウ)
     →体の表面の扉を開き、風邪の原因(寒邪)を汗と共に追い出すグループ
  • 附子(ブシ)
     →体の芯の“火種”を蘇らせ、強力に温めるグループ
  • 細辛(サイシン)
     →呼吸器を温め、痛みや鼻水を止めるグループ

漢方では、体力がなく冷えきっている「陽虚(ようきょ)」という状態の人が風邪をひくと、体を温めるエネルギーが不足しているため、自力で風邪を追い出すことができないと考えます。

麻黄附子細辛湯は、これらの生薬の「温めて、追い出す」という連携プレーで、弱った体の風邪を撃退するのです。

 

麻黄附子細辛湯の効果

  • 体を温め、悪寒を改善する効果
  • 発汗を促し、風邪の初期症状を和らげる効果
  • 体の痛みを鎮める効果

 

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 悪寒・微熱・全身倦怠・四肢冷感などを伴うものの次の諸症:
    • 感冒(かぜ)、気管支炎

 

麻黄附子細辛湯はオンライン診療で出せる?

「ゾクゾクと寒気がひどくて、病院に行くのがつらい」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

麻黄附子細辛湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
麻黄附子細辛湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

麻黄附子細辛湯の使い方(用法・用量)

1日2〜3回、1回1包を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。

水または白湯(さゆ)で服用してください。

メーカーにより1包の量などが異なります。詳細は医師や薬剤師の指示に従ってください。

麻黄附子細辛湯の副作用

漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。

主な副作用

主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、動悸、胃の不快感、吐き気、食欲不振などが報告されています。

頻度は多くないものの、重大な副作用として「肝機能障害・黄疸」も報告されています。

 

副作用への対処法

動悸、不眠、のぼせ、舌のしびれなどは、配合されている麻黄や附子の作用が強く出すぎているサインです。

お薬が体質に合っていない可能性が高いため、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

 

麻黄附子細辛湯の注意事項(禁忌)

注意が必要な方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 体力があり、暑がりの「実証」「熱証」タイプの方(体を温めすぎるため、非常に危険です)
  • 胃腸が非常に弱い方
  • 汗をかきやすい方
  • 高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けている方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性

併用に注意が必要な薬

  • 麻黄(マオウ)や附子(ブシ)を含む他の漢方薬や医薬品
  • エフェドリン/メチルエフェドリン
  • プソイドエフェドリン含有薬
  • MAO阻害薬
  • 甲状腺製剤
  • アドレナリン等のカテコールアミン
  • テオフィリン等のキサンチン系

使用上の注意

漢方薬は、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。

麻黄附子細辛湯は、体力がなく(虚証)、体の芯から冷えきっており(寒証)、風邪のひきはじめで全く汗をかいていない方に最も適しています。

 

保管方法

  • 直射日光や湿気を避け、涼しい場所に保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、麻黄附子細辛湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

麻黄附子細辛湯に市販薬はある?値段は?

市販薬

クラシエなどから、具体的な製品名で販売されています。

製品によって顆粒や錠剤といった剤形や、用法・用量が異なりますので、購入の際はパッケージをよく確認し、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。

ジェネリック

漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。

ツムラ以外にも複数のメーカーから同じ処方の医療用医薬品が販売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ツムラ 麻黄附子細辛湯エキス顆粒2.5 g(医療用):約46.0円/包(3割負担の場合:約14円)
  • 三和 麻黄附子細辛湯エキス細粒1.5 g:約48.6円/包(3割負担の場合:約15円)

※2025年10月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ツムラ麻黄附子細辛湯エキス顆粒(医療用)

よくある質問(FAQ)

Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?

配合されている麻黄や附子の作用を考慮すると、妊娠中の方は原則として服用しません。自己判断での服用は絶対に避けてください。

Q.子どもでも飲めますか?

非常に作用の強い生薬が含まれているため、お子さんへの使用は特に慎重な判断が必要です。必ず医師の診察を受けてください。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分は含まれていません。むしろ、麻黄の作用で目が冴えたり、動悸がしたりすることがあります。

Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?

治療中の飲酒は控えるべきです。アルコールは体の免疫力を下げますし、麻黄や附子の交感神経を刺激する作用と相まって、動悸などを引き起こしやすくする可能性があり、望ましくありません。

Q.いつから効き始めますか?

風邪のひきはじめに使うお薬なので、効果は比較的速く現れます。タイミングと体質が合っていれば、服用後、数時間~半日程度で、悪寒が和らいだり体が温まってきたりといった効果を感じることが期待できます。

Q.「葛根湯」との違いは何ですか?

対象となる「体力」が正反対です。

  • 麻黄附子細辛湯: 体力がなく、冷えきった人(虚証)の風邪のひきはじめに。
  • 葛根湯: 体力があり、がっしりした人(実証)の風邪のひきはじめに。 どちらも「汗をかいていない」初期に使う点は同じですが、体質の見極めが非常に重要です。

 

まとめ

麻黄附子細辛湯は、体力がなく冷えやすい方が風邪をひいてしまった際の、強力な味方です。しかし、その効果がシャープな分、体質を非常に選ぶお薬でもあります。「冷え」と「虚弱」というキーワードに当てはまらない方が使うと、かえって体調を崩すこともあるため、専門家による判断が不可欠です。

「このゾクゾクする寒気、どの漢方が合うんだろう?」
「風邪をひきやすい体質を、根本から相談したい」

そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。

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通院の手間なく、ご自身の体質や症状に合った漢方薬についてじっくりと相談できます。長引く不調にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。