吐き気が止まらない…原因は?対処法や薬を医師が解説!
目次
吐き気とは?よくある症状と原因
多くの人が経験する吐き気ですが、その正体や原因は様々です。まずは、吐き気の基本的な知識から見ていきましょう。
吐き気とは?
吐き気とは、胃の中のものを吐き出してしまいそうな、ムカムカとした不快な感覚のことです。
医学的には「悪心(おしん)」と呼ばれます。
吐き気は、実際に吐いてしまう「嘔吐(おうと)」の前触れとして現れることが多く、それ自体は病名ではなく、様々な原因によって引き起こされる「症状」の一つです。

吐き気でよくある症状
吐き気は、単独で起こることは少なく、以下のような症状を伴うことがよくあります。
- 実際に吐いてしまう(嘔吐)
- めまい、ふらつき
- 冷や汗が出る
- 顔色が悪くなる(顔面蒼白)
- 生つばがこみ上げてくる
- 腹痛や下痢
- 頭痛
一時的なものであれば数時間で治まりますが、胃腸炎などでは数日間、症状が続くこともあります。
吐き気の原因
吐き気は、脳の延髄にある「嘔吐中枢(おうとちゅうすう)」という部分が、様々な要因によって刺激されることで起こります。その原因は非常に多岐にわたります。
消化器系の問題
- 感染性胃腸炎(食中毒): ノロウイルスなどのウイルスや、カンピロバクターなどの細菌が原因。
※詳しい解説はこちら→胃腸炎の症状は?うつるの?原因や薬について医師が解説! - 暴飲暴食・二日酔い: 胃腸に大きな負担がかかることで起こります。
- 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、胸やけと共に吐き気を催します。
※詳しい解説はこちら→逆流性食道炎の原因とは?食事の影響は?医師が完全解説。 - 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 胃や十二指腸の粘膜が傷つくことで起こります。
- 虫垂炎(盲腸)や腸閉塞など: 緊急の対応が必要な病気でも、初期症状として吐き気が現れます。
脳・神経系の問題
- 片頭痛(偏頭痛): 強い頭痛と共に、吐き気を伴うことがよくあります。
- めまい: メニエール病など、耳の奥(内耳)の問題で起こるめまいも、強い吐き気を引き起こします。
- 乗り物酔い: 目から入る情報と、耳で感じる揺れの情報のズレが脳を混乱させ、吐き気を起こします。
- 脳出血・くも膜下出血・脳腫瘍など: 激しい頭痛を伴う吐き気は、命に関わる病気のサインである可能性も。
その他の原因
- ストレス・心因性: 精神的なストレスが自律神経を乱し、吐き気の原因になることがあります。
- 妊娠(つわり): 妊娠初期のホルモンバランスの変化によって起こります。
- 薬の副作用: 痛み止めや抗生物質、抗がん剤など、薬によっては副作用として吐き気が現れます。
- 心筋梗塞: 胸の痛みだけでなく、吐き気を伴うこともあります。

吐き気の検査
吐き気の診断では、まず問診が非常に重要です。
「いつから症状があるか」「どんなものを食べたか」「他にどんな症状があるか」「普段飲んでいる薬は何か」などを詳しく医師に伝えることで、原因を推測する大きな手がかりになります。
その後、必要に応じて以下のような検査が行われます。
- 身体診察: 医師がお腹を触診し、痛みや張りの場所を確認します。
- 血液検査: 炎症の程度や、脱水の状態、肝臓やすい臓の機能などを調べます。
- 腹部X線・超音波(エコー)検査: 腸閉塞の有無や、内臓の状態を画像で確認します。
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ): 胃や食道の粘膜を直接観察し、逆流性食道炎や胃潰瘍などがないか調べます。
- 頭部CT・MRI検査: 激しい頭痛を伴う場合など、脳の病気が疑われる際に行われます。
吐き気の受診目安
ほとんどの吐き気は自然に軽快しますが、中には危険な病気のサインである可能性もあります。
「ただの吐き気」と自己判断せず、以下の項目に当てはまる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
吐き気のチェックリスト
□激しい頭痛やめまい、手足のしびれを伴う
□胸を締め付けられるような痛みがある
□今までに経験したことのないような激しい腹痛がある
□水分が全く摂れず、トイレの回数が減り、ぐったりしている(脱水症状)
□吐いたものに血が混じっている(吐血)、または便が真っ黒
□高熱が続いている
□意識がもうろうとしている
これらの症状は、脳卒中や心筋梗塞、腹膜炎など、命に関わる病気の可能性も考えられます。
ためらわずに救急外来を受診するか、救急車を呼んでください。
吐き気が続く場合も何か病気が隠れているかもしれません。病院を受診しましょう。

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吐き気の治し方/薬
吐き気の治療は、その原因となっている病気を治療することが基本です。その上で、つらい吐き気の症状を和らげるための対症療法が行われます。
水分が摂れないほど症状がひどい場合は、脱水を防ぐために点滴による水分・電解質の補給を行うこともあります。薬物療法では、原因や症状に合わせて以下のようなお薬が処方されます。
制吐薬【吐き気止め】
脳の嘔吐中枢や、消化管に直接働きかけて、つらい吐き気を抑えます。
ナウゼリン(ドンペリドン)

胃の動きを活発にし、飲食物の排出を助けることで吐き気を和らげます。
詳しい解説はこちら→ナウゼリン
メトクロプラミド(プリンペラン)

脳の嘔吐中枢と胃の両方に働きかけ、つらい吐き気を直接的に抑えます。
詳しい解説はこちら→メトクロプラミド
乗り物酔い/めまいの吐き気
乗り物酔いやメニエール病など、めまいに伴う吐き気に効果的です。
セファドール

脳の血流を改善し、めまいそのものを抑えることで、関連する吐き気を和らげます。
詳しい解説はこちら→セファドール
トラベルミン配合錠

乗り物酔いの予防・治療薬として有名で、内耳の興奮を鎮め、嘔吐中枢への刺激を抑えます。
詳しい解説はこちら→トラベルミン配合錠
制酸薬【胃酸を抑える薬】
胃酸の出すぎが原因で起こる、逆流性食道炎や胃潰瘍による吐き気に使われます。
タケキャブ、タケプロン、ネキシウムカプセル など
ガスター(ファモチジン)

胃酸の分泌に関わるヒスタミンの働きをブロックするH2ブロッカーと呼ばれるタイプのお薬です。
詳しい解説はこちら
→ガスター
消化管運動機能改善薬
胃腸の動きを全体的に整え、胃もたれや吐き気などの消化器症状を改善します。
ガスモチン(モサプリドクエン酸塩)

胃や十二指腸の運動を活発にし、食べ物の流れをスムーズにします。
詳しい解説はこちら
→ガスモチン
整腸剤
胃腸炎などで乱れた腸内環境を整え、お腹の調子を正常に近づけます。
ビオフェルミン、ミヤBM など
漢方薬
体質や症状に合わせて、様々な漢方薬が吐き気に用いられます。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

ストレスや不安で喉につかえ感があるような場合の吐き気に用いられる漢方薬です。
詳しい解説はこちら
→半夏厚朴湯
市販薬で治療する場合の注意点
ドラッグストアでは、乗り物酔いや二日酔い、食べ過ぎによる吐き気などに効く市販薬が販売されています。
しかし、吐き気は様々な病気のサインであるため、原因がはっきりしないのに安易に市販薬を使い続けるのは危険です。
前述の「危険なサインのチェックリスト」に当てはまる症状がある場合は、絶対に市販薬で様子を見ず、すぐに医療機関を受診してください。
吐き気に効くツボ
薬を飲むほどではないけれど、胃のムカムカが不快…。そんな時には、吐き気の症状を和らげる効果が期待できる「ツボ」を刺激してみるのも一つの方法です。東洋医学の知恵であるツボ押しは、いつでもどこでも手軽に試せるセルフケアです。ここでは、吐き気に効くとされる代表的なツボを2つご紹介します。
内関(ないかん)- 乗り物酔いやつわりに効く万能ツボ

「内関」は、吐き気止めとして最も有名で、乗り物酔いやつわり、二日酔いなど、様々な原因の吐き気に効果があるとされています。市販の酔い止めバンドなども、このツボを刺激する原理を利用しています。
ツボの場所
手のひらを上に向け、手首の内側にある太いシワの真ん中から、ひじに向かって指3本分下がったところ。2本の太い筋(すじ)の間にあります。
押し方
反対の手の親指の腹を「内関」に当て、少し痛みを感じるくらいの強さで5秒ほどゆっくりと圧をかけ、ゆっくりと離します。これを数回繰り返しましょう。円を描くように優しくマッサージするのも効果的です。
合谷(ごうこく)- ストレス性や万能のツボ

「合谷」は、自律神経を整える効果があるとされ、頭痛や歯痛、肩こりなど、様々な症状に使われる万能のツボです。ストレスや疲労が原因の吐き気にも効果が期待できます。妊娠中の方は、強い刺激は避けるようにしてください。
ツボの場所
手の甲側で、親指と人差し指の骨が交わる付け根の手前にある、くぼんだ部分です。押すとズーンと響くような痛みを感じる場所です。
押し方
反対の手の親指で、人差し指の骨に向かって押し上げるように、気持ちいいと感じる強さで刺激します。
これらのツボ押しは、あくまでつらい症状を一時的に和らげるための補助的なケアです。
吐き気がひどい場合や、頭痛や腹痛など他の危険な症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診してください。
吐き気の治し方・予防
つらい吐き気を少しでも和らげ、また繰り返さないためには、ご自身でできる対処法や予防策も大切です。
吐き気を早く治すために
安静にする
ベルトやきつい衣服は、お腹を圧迫して不快感を増す原因になります。すぐにゆるめましょう。
強い匂いや、蒸し暑い場所は避け、部屋の空気を入れ替えるのも効果的です。
水分補給をこまめに
脱水を防ぐため、水分補給は重要です。ただし、一度にたくさん飲むと刺激になるため、経口補水液や麦茶などを少量ずつ、何回にも分けて飲みましょう。
食事は無理しない
吐き気が強い時は、無理に食べる必要はありません。
症状が落ち着いてきたら、おかゆやうどん、クラッカーなど、消化の良いものから少しずつ試してみましょう。
吐き気の予防策
暴飲暴食を避ける
腹八分目を心がけ、脂っこいものや刺激の強いものの摂りすぎに注意しましょう。
お酒も飲みすぎは二日酔いの原因です。適量を心がけましょう。
ストレスを上手に発散する
十分な睡眠、適度な運動、リラックスできる時間を持つなど、ストレスを溜めない工夫が大切です。
乗り物酔い対策
乗り物に乗る前は食べ過ぎを避け、酔い止め薬を事前に服用しましょう。遠くの景色を見る、読書は避けるなども有効です。
吐き気のよくある質問
吐き気について、よくあるご質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。
どんな人が吐き気を感じやすいですか?
もともと乗り物酔いをしやすい方、片頭痛持ちの方、妊娠中の方、強いストレスを感じている方などは、吐き気を催しやすい傾向があります。また、暴飲暴食の習慣がある方も注意が必要です。
受診や治療にかかる費用はどのくらいですか?
健康保険(3割負担)の場合、初診料と簡単な処置で2,000円~4,000円程度、血液検査などを行うと5,000円~8,000円程度が目安です。
胃カメラやCTなどの精密検査を行う場合は、さらに費用がかかります。

吐き気は放置しても大丈夫?自然に治ることはありますか?
食べ過ぎや二日酔いなど、原因がはっきりしている一過性の吐き気は、自然に治ることがほとんどです。しかし、水分も摂れないほどのひどい吐き気は脱水症状を引き起こし危険です。
また、激しい頭痛や腹痛、胸痛などを伴う吐き気は、重篤な病気のサインである可能性があるため、絶対に放置してはいけません。

吐き気の薬はネットやドラッグストアで買えますか?
乗り物酔いや胃のむかつきに対応する市販薬は購入できます。
ただし、これらは対症療法であり、原因を治すものではありません。原因不明の吐き気や、「危険なサイン」がある場合は、市販薬に頼らず受診してください。
治療期間はどのくらいですか?
感染性胃腸炎など急性の病気であれば、数日~1週間程度で症状は治まります。
逆流性食道炎や心因性の吐き気など、背景に病気がある場合は、その病気の治療と並行して、長期的な管理が必要になることもあります。
何科を受診すればよいですか?

まずは内科や消化器内科を受診するのが一般的です。
激しい頭痛を伴う場合は脳神経外科、ぐるぐる回るめまいが主な症状であれば耳鼻咽喉科が専門となります。
どこに行けばいいか分からない場合は、まずかかりつけの内科医に相談しましょう。
オンライン診療でも診察できますか?
はい、オンライン診療でも診察が可能です。詳しい問診を通じて、症状の緊急性や原因をある程度推測し、症状を和らげる吐き気止めなどを処方することができます。
「気持ち悪くて病院に行くのもつらい」という場合に、非常に便利な選択肢です。ただし、重症のサインがある場合は、すぐに対面での受診を勧められます。
吐き気が気になる場合はウチカラクリニックに相談を
吐き気は、体からの異常を知らせる重要なサインです。多くは一時的なものですが、「いつものこと」と軽視していると、背後にある病気を見逃してしまう可能性もあります。
「市販薬を飲んでも、なかなか良くならない」 「吐き気が続いていて、何が原因か分からず不安…」
そのように感じたら、ぜひ専門医にご相談ください。
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