「閉塞性動脈硬化症」とは?症状や治療・改善法について医師が解説!
こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。
今回は「閉塞性動脈硬化症(ASO)」について、ASOの症状・治療・改善法などについて医師の視点から簡単に、わかりやすく解説していきます。
「足は第二の心臓」と言う言葉があるくらい、足は人間に非常に重要な場所です。
しかし足の動脈硬化である「閉塞性動脈硬化症」が進行し心臓から血液が十分に送れなくなると、ある日足は悲鳴を上げます。
全身に血液を送る動脈。この動脈が生活習慣病、喫煙などでボロボロになってくると、様々な症状を引き起こします。
そしてそのサインに早めに気づかなければ、最悪の場合足の切断を余儀なくされてしまう場合もあるんですね。
足の動脈硬化と聞いてもいまいちピンとこないかもしれませんが、なってから5年間の死亡率が大腸癌や乳がんよりも高いというデータもある、非常に要注意な病気です。
今回、足からのSOSの症状を知った上で、早期発見、そして予防につとめていきましょう。
INDEX
「閉塞性動脈硬化症」とは?
まず、「閉塞性動脈硬化症」とは何なのか、簡単に説明しておきます。
そもそも動脈とは、心臓をスタートとし、全身をくまなくめぐって体に必要な成分を送り届け、また心臓に帰っていきます。
そして足も例外なく動脈によって血液が流れているのですが、この動脈が細くなったり、詰まったりする事で様々な弊害が生じる場合があり、これを医学用語で「閉塞性動脈硬化症」、通称ASOと呼びます。
心臓や脳の血管でも心筋梗塞、脳梗塞を代表とした病気が起こりやすいですが、足の血管でも辛い症状が起きる場合があるんです。
「閉塞性動脈硬化症」の治療・改善法は?検査法は?
閉塞性動脈硬化症の検査法
では、この閉塞性動脈硬化症(ASO)はどのような検査で判明するのでしょうか?
まず、ASOの可能性がある人によく行われるのが、「足の血圧測定」なんです。
普通は足の血圧を測定する事はないので知らない人も多いですが、実は健康な人の血圧は腕より足の方が高いんです。
しかしASOが進行してしまった人は、動脈硬化が進行していてだんだん血圧が下がってきてしまいます。
そして検査で、足の血圧を腕の血圧で割った数値、これを通称ABIと呼ぶのですが、この足と腕の血圧の比を確認します。
このABIが0.9以下、要するに、
「本来高いはずの足の血圧が腕の血圧よりはっきり低くなってしまったよ!」
こういう場合に、足の動脈硬化を疑う訳なんです。
そしてASOの可能性がある人には、動脈に造影剤、と呼ばれる薬剤を流してCTを撮影したりして血管をはっきり浮彫にさせて、血管のどの場所が細くなっているのか、詰まっていないか確認していくんですね。
閉塞性動脈硬化症の治療法・改善法とは?
では、閉塞性動脈硬化症(ASO)はどのような治療を行っていくのでしょうか?
例えば、ASOと診断された人は医者の指導のもと、過剰な負荷にならない範囲で、早歩きをしたり、ジョギングをします。
これはジョギングなどを続ける事で、足への血流が活発になるので、動脈硬化が進んだ足の血管が、
「ん、この人はジョギングを定期的にしているから、このままでは十分な血液が送れないから、別のルートを開拓しよう!」
という事で、自力で新しい血液の通り道を作ってくれる事があるんですね。
これを「側副血行路」と呼びます。
この為、しっかり足を動かす事が治療に繋がる場合もあります。
またお薬での治療としては、動脈硬化の進んだ血管で血が固まってしまわないように、いわゆる血液をサラサラにするお薬を内服する場合があります。
そしてもしそういった治療で改善が難しい場合は、少し大変な治療へ進んでいきます。
例えば今説明した側副血行路が自力作られない、こういう場合は、人工の血管や、腕などの血管を持ってきて手術でつないであげる「バイパス手術」を行う事があります。
バイパス道路になぞらえてこういう名前になっています。
また、足の動脈に「カテーテル」と呼ばれる管を挿入して、狭ーくなっている所まで管をたどり着かせます。
そしてそこで風船を膨らませ、血管を広げてあげたあとに「ステント」と呼ばれる金属の管を置きっぱなしにして、血液がしっかり通れるようにしてあげる治療もあります。
閉塞性動脈硬化症の症状とは?
では閉塞性動脈硬化症(ASO)の症状について解説していきます。
ASOの症状は、実は明確に4段階に分けられるんです。
ASOにはFontaine(フォンテイン)分類と呼ばれる症状をレベル1から4まで分けた分類が存在し、この数字が大きくなればなるほど、深刻な症状になります。
では、そのフォンテイン分類に基づいて、重症な症状から紹介していきます。
閉塞性動脈硬化症の症状レベル④:足が腐ったり、ただれる
まずレベル4です。
こちらは、足の動脈硬化が進行し、満足に血液が行き届かない状態が続く事で足が腐ったり、ただれたりしてしまう状態の事です。
専門用語で「潰瘍」や「壊死」という状態になりますね。足の指先が黒く変色しミイラ化、なんて呼ぶこともあります。
この状態になると先ほど説明したカテーテルの治療や、最悪の場合足の切断が余儀なくされる場合がありますので、こういった事態になるまでに早期発見、予防するのが望ましいですね。
閉塞性動脈硬化症の症状レベル③:足が常に痛くなる
次にレベル3です。
レベル3では、寝ていても、座っていても、何をしていても足が痛い、このような状態になります。
医学用語でいう所の「安静時疼痛」、つまり安静にしていても痛い状態ですね。
痛みのあまり夜寝れなくなってしまう場合もあるんです。
これは足の動脈硬化が進行する事によって流れる血液が減ってしまい、十分な酸素が行き届かなくなってしまった足からの悲鳴です。
この状態をやせ我慢してしまうと、前に説明したレベル4、潰瘍や壊死に進んでしまう場合もあるので、明らかに足が痛い状態が続いていて、心当たりがない場合は我慢しないようにしましょう。
閉塞性動脈硬化症の症状レベル②:運動した時だけ足が痛くなる
次にレベル2です。
レベル2では、歩いたり、走ったりした時限定で足が痛くなります。
レベル3ほど動脈硬化が進行していないので、レベル2では安静にしていたら問題ないのですが、運動の際はより多くの酸素を足の筋肉が必要とするので、この際に痛みを生じてしまう、という仕組みです。
動くと痛くなり、休むと元に戻る、そしてまた動くと痛くなる…
こういった一連の症状を医学用語で「間欠性はこう」と呼びます。
一見筋肉痛と見分けがつきにくそうですが、走ったりした時の筋肉痛とは別で、運動している時だけ痛くなる、そして休むと改善するものなので、こういった症状がある場合は要注意です。
閉塞性動脈硬化症の症状レベル①:足がしびれたり、冷たさを感じる
レベル1の症状は足のしびれや、冷たさになります。
この症状は例えば冷え性の人にとってはなかなか判別が難しい所ではあるのですが、
今まで感じた事のないしびれ感や、冷たさが持続するようなら一度相談してみても良いのかなと思います。
見た目としても、血液が十分にいきわたらない事で見た目が青白くなる場合がありますので、見た目も注意してください。
閉塞性動脈硬化症の専門の科に関しては、手術する場合は「血管外科」という科が専門になりますが、基本的には循環器内科や一般内科にまずは相談すれば大丈夫です。
閉塞性動脈硬化症の予防法は?
では、そんな恐ろしい閉塞性動脈硬化症(ASO)を予防する方法はあるのでしょうか?
肥満や生活習慣病からドミノ倒しのように病気が連鎖していくメタボリックドミノ、このドミノの終盤にASOは位置しています。
という事は当然、予防法としては、メタボや生活習慣病がある人は、心当たりのある生活習慣があれば改善していく事、そしてメタボや生活習慣病を改善するのが理想です。
その結果として心臓病や脳卒中のリスクを下げ、そしてドミノ倒しの結果であるASOのリスクも下げる事になります。
特に糖尿病の人は、そうでない人に比べて足を切断するリスクがおよそ7倍というデータもあるので、しっかりと糖尿病対策を行っていく必要がありますし、喫煙者の人も足の動脈硬化が起こりやすいとされているので、禁煙が望ましいですね。
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