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健康寿命とは?寿命を伸ばす「予防医学・予防医療」とは?医師が徹底解説!

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

今回は「健康寿命と予防医学」について、健康寿命・予防医学のそもそもの意味や実践の仕方、健康寿命の伸ばし方について医師の視点から簡単に、わかりやすく解説していきます。

今回は、自身の著書、中高年に必須の科学的データに基づいた医学知識を1冊に凝縮した「40歳からの予防医学」の本の内容のエッセンスを要約しながら、解説していきます。

人間は40歳を超えると

・がん

・心筋梗塞、脳梗塞などの大病

・骨折

・認知症

など様々な病気のリスクが上がっていき、健康寿命を失ってしまうおそれがあります。

日本人は平均して10年もの間、老後に介護・寝たきり生活を送る事になると言われています。

この辛い期間を少しでも短くして、家族や友人と幸せに過ごす時間をより長くする為に必要なのが「健康寿命」を伸ばす事です。

しかし、糖尿病予備軍も含めると糖尿病の患者さんは2000万人、およそ日本で6人に1人が該当するといわれていますし、

40歳を超えると、がんの患者数は30代より3倍に増えるというデータもあります。

果たしてこれらの恐ろしい病気から身を守り、健康寿命を伸ばして幸せな老後を過ごす為に、中高年が絶対にしておかなければいけない事は一体なんなのでしょうか?

健康寿命とは?

まずは、「健康寿命」という言葉の意味について説明しておきます。

健康寿命とは2000年に世界保健機関、WHOが提唱した概念で、

「健康上の問題によって日常の生活が制限されないで、五体満足で生活できる期間」

の事です。

具体的には、

・脳梗塞で半身不随になってしまったり、心筋梗塞の後遺症で常に息切れがする状態になってしまう。

・骨粗しょう症から骨折して寝たきりになってしまう

・認知症で介護が必須な状態になってしまう

など五体満足で自分で活動できなくなる事を「健康寿命を失ってしまう」と定義します。

2019年の厚生労働省のデータによると、

・日本人の男性の平均寿命が81.41歳なのに対し、健康寿命は72.68歳。

・日本人の女性の平均寿命が87.45歳なのに対し、健康寿命は75.38歳。

という結果が出ています。

つまり、この健康寿命と平均寿命の差の期間、

男性なら平均して8.73、女性なら12.07を車いすや寝たきりで過ごしている、という訳なんです。

この辛い期間を少しでも短くする為に、そして大病を予防する為に、早い段階から日々の生活習慣の改善を実践して、病気のリスクを下げておく、この事が健康寿命を伸ばす為に最も重要になってくるわけです。

では、健康寿命を伸ばす為に、私たちは一体何をすれば良いのでしょうか?

健康寿命を伸ばす方法とは?

まず、結論から申し上げますと、健康寿命を伸ばすたった一つの方法は「予防医学・予防医療の実践」です。

と言われても抽象的でいまいちピンとこないと思いますので、詳しく説明していきます。

まず、予防医学とは簡単に言ってしまえば「寿命を伸ばす為に必要な全ての知識」を網羅した学問です。

そしてその学問を実践する事が「予防医療」になります。

中でも最近では「健康寿命」を伸ばす事が重要視されています。

では具体的な話に入っていきましょう。

健康寿命を伸ばす為の予防医学・予防医療とは?

予防医学は3つに分かれます。

・1次予防

・2次予防

・3次予防

、このような構成になっています。

健康寿命を伸ばす「病気にならない」ための1次予防

この中で最重要なのが1次予防です。

1次予防とはそもそも「病気にならない」ための予防医学です。

病気にならない為にはいったい何をするべきなのでしょうか?

1次予防①生活習慣病対策

まずは「生活習慣病のコントロール」です。

・高血圧

・糖尿病

・コレステロールが高い

・尿酸値が高い

こういった生活習慣病を放置していると、動脈硬化が進行し、掛け合わせで心筋梗塞や脳梗塞のリスクがどんどん上がっていってしまいます。

このような毎年の健康診断でわかるような生活習慣病関連データを正しく解釈して、より理想の数値に近づける事が重要です。

例えば、通称悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの自分の数値を皆さん把握していますか?、

47,000人のコレステロールが高い日本人を集めてリスクを評価したある研究では、LDLは160を超えると心臓病のリスクが2.6倍に、180を超えると5.7倍になった、というデータがあります。

こうした知識があると、

「180はヤバい!病院に行かなきゃ」

とか、

「160だとまずいなあ…運動しなきゃ!」

といった正しい感覚を身に着ける事ができますし、まずい状態を放置して、取り返しのつかない事になる状況を回避する事ができます。

1次予防②がん対策

また、「がん対策」にも1次予防が存在します。

あなたは予防できるがん、の存在を知っていますか?

がんの中で、細菌やウイルスといった「感染症」が原因となるがんが、なんと25%も存在するんです。

例えば、

・HPV(ヒトパピローマウイルス)→子宮頸がん

・ピロリ菌→胃がん

・肝炎ウイルス→肝臓がん

といったように、感染症とがんには密接な関係があります。

これらのがんの原因となる感染症を適切なタイミングで検診や、予防接種を受ける事で防ぐ。

これは非常に重要な1次予防です。

1次予防③食事

そして、生活習慣病対策にも共通しますが、食事はやはり1次予防のメインといっても良いでしょう。

食事については、科学的エビデンスに基づいた体に良い食事習慣をつけ、悪い食事習慣を避ける事、これに尽きます。

データでは体に良い、悪いと決着がついている食べ物はそこまで多くないので、気にするべき事もそんなに多くないです。

例えば、マーガリンなんですが、実は世界各国では禁止されている食べ物なんです。

マーガリンに含まれるトランス脂肪酸という成分が悪玉コレステロールであるLDLを上昇させ、善玉であるHDLを低下させる、という最悪のエビデンスがあり、相乗効果で動脈硬化を進行させる恐れがあるんです。

その為、WHOはトランス脂肪酸を含んだ食品の一切の根絶を目指しているんですね。

一方日本の厚生労働省では、海外と違って日本人はトランス脂肪酸を大して摂取してないから、規制までしなくていいでしょというスタンスをとっているんです。

この方針の是非はとりあえずおいておいて、ただ少なくともこの日本人というくくりはあくまで「平均値」ですから、毎日マーガリンを塗ってパンを食べている人なんかはトランス脂肪酸の摂取のし過ぎに注意した方が良い訳です。

こういった食事の良しあしの知識を身に着けておいて、自分自身の食生活をカスタマイズしておくのはとっても重要な1次予防です。

1次予防④食事以外の生活習慣

また、食事以外の生活習慣も勿論とても重要です。

例えば、「血糖値スパイク」という言葉を知っていますか?

これはあまり食事を噛まずにドカ食いしやすい人に起こりやすいんですが、急に食事を摂取してしまうと、血糖値が一気に上がり、血管を傷つけてしまう事があります。

この事を血糖値スパイク、と呼ぶのですが、なんと健康診断で測定する空腹の時の血糖値よりも、この食後の血糖値が高い方が、病気や死亡リスクが上昇した、というデータがあるんです。

要するに食後の血糖値は健康診断で測定しないので見逃されやすいんですが、空腹時の血糖値が正常でも、この血糖値スパイクが知らないうちに血管を傷つけている可能性があります。

この為食事の時は30回噛んだり、ゆっくり食べる事の重要性を改めて確認できますよね。

このような生活習慣の落とし穴を知らないと、知らず知らずのうちに、体を痛めつけている場合もあるので注意しましょう。

1次予防⑤予防接種

他にも、インフルエンザなどの予防接種は有名ですが、肺炎球菌、帯状疱疹など中高年が打っておいた方が良い予防接種、これらも命を守る為の非常に重要な1次予防です。

一番の理想である「病気にならない」状態を作り上げるために、こういった「1次予防」の対策が必要という事を大前提としてしっかり理解し、できるだけもれなく実践していけるようにしていきましょう。

健康寿命を伸ばす「病気を早く見つける」ための2次予防

次に重要なのが2次予防です。

2次予防とは病気を「できるだけ早く見つける」為の予防医学です。

当たり前の事ですが、1次予防を実践したから100%病気にならない訳ではありません。

1次予防を実践するのは大前提となんですが、

「病気のリスクを下げたその上で、病気になってしまった。その際にその病気を早期発見し、手遅れにならないようにする」

という2段構えの考え方が予防医学では超重要なので覚えておいて下さい。

2次予防①がん検診

代表的なものはがん検診です。

アメリカの予防医学専門委員会で、がん検診の中では、実行する事で死亡率を下げた、というエビデンスのあるものが推奨されており、

例えば大腸がんであれば毎年の便潜血検査を行い、プラスで10年に1回の大腸カメラの検査、こちらが推奨されていますし、実際に便潜血は大腸がんの死亡率が20%も低下した、という論文も存在します。

こういった科学的に効果の証明されたがん検診をしっかり、適切なタイミングで受けるのはとても重要です。

2次予防②不要な検診を避ける

一方で、全然効果が微妙なのに依然行われているような検診もあり、代表的なものが「腫瘍マーカー」検診です。

腫瘍マーカーとは、特定のがんができると、血液検査でその数値が上がってくるよ~と言われているタンパク質の事なんですが、全然早期発見に役立ちません。

例えば肺がんの腫瘍マーカーと言われているCEAが陽性に出たとしても、このCEAは糖尿病などの生活習慣病でも上昇しますし、たばこを吸っているだけでも上がる事があります。

このCEAがちょっと陽性だったからといって、早期発見には役立たないと言われていますし、精密検査を過剰に行うデメリットも含めると、推奨されていないんです。

こういった余分な検査もある事を知っておくことで、余計な情報で不安になるリスクも下げられますし、お金も浮きますので、大事な事ですね。

有益な検査を行い、無駄な検査を行わない。

これが一番です。

2次予防③メンタル対策

他の2次予防としては、自分の家族がなっていたり、自分のリスクが高い病気の症状の知識を持っておき、もしそれらの症状が起きた際に早めに対応できるようになっておく事も重要です。

また、体の健康だけでなく、心の健康も置いてきぼりにしてはいけません。メンタルの予防医学も重要です。

例えば、メンタルの悪化を防ぐ方法に「マインドフルネス」という方法があります。

このマインドフルネスとは、普段意識しない自分の呼吸や行動に集中して意識を向ける、いわば瞑想から宗教の要素を省いたような方法なのですが、

うつ病の再発リスクをなんと約34%も減少させたり、上の血圧の値を下げたり、腰痛の改善に繋がった、などデータとしても驚きの効果が出ているんです。

起きて3分間、自分の呼吸に集中して雑念を払う、といった簡単な方法で良いので、実践するとメンタル不調の予防に役立ちます。

いくら体が健康でも現代はストレスでメンタルを壊しやすいですから、こういった精神面での対策も見過ごしてはおけません。

「病気になってからの」3次予防

そして最後に3次予防です。

3次予防とは「病気になってからの」予防医学です。

病気になったら人生終了、そういった考えは捨てて下さい。

病気になってからの体のリハビリ、心のリハビリも立派な予防医学の一要素なんです。

大きな病気になったら、第一に仲間を作る事が重要です。

自分の病気に関する苦しみは、同じ境遇の人でこそ心底理解し合えるものだと思っています。

この点に関してはYouTube「予防医学ch」のコメント欄を是非活用してください。各病気のテーマの動画について、みなさんが本当に為になる実体験の話をしてくれていますので、様々な参考になるエピソードを共有して頂いているので、本当に同じ病気の人の助けになってくれると思います。

以上、この3つの視点で予防医学を実践していく事で、病気のリスクを最大限に減らし、健康寿命を伸ばす助けになりますので覚えておいて下さい。

「40歳からの予防医学」について

最後に、少し本への想いを話させてください。

今回出版する本は時間をかけて予防医学の知識を整理して、全て凝縮してまとめました。

自信を持って中高年の方々にとって、確実に読む価値のある1冊に仕上がったと思いますので、是非アマゾンや書店で立ち読みだけでもしてみて欲しいです。

今回は自分の伝えたい情報を深い所までまとめられ、辞書としても使えるくらいの本が作れた事を非常に嬉しく思います。

是非一度大人の学び直しとしても予防医学に触れてみて下さい。

また、巻末資料・特典として、

・年齢別やる事リスト

・40歳からやるべき事リスト100

といった実践しやすいようなリストも作ったので、一緒に活用して、是非健康寿命を伸ばして頂けたら嬉しいです。  

一家に一冊、またはご両親へのプレゼントなどにも最適な本に仕上がったのではないと思っています。

この本が、私のかねてからの望みである病気になって後悔する人を減らし、晩年に「良い人生だったなあ..」と思ってもらえる人を一人でも増やす事にきっと繋がると思っています。

心を込めて、一生懸命書きましたので、気が向いたら手に取ってみて下さいね。

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この記事の監修者

この記事の監修者

ウチカラクリニック
森 勇磨

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人

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ウチカラクリニック
森 勇磨

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ウチカラクリニック代表
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