アリセプトの効果・副作用を解説!【医師監修】
「物忘れが増えてきて、認知症の進行が心配…」
「アリセプトを処方されたけれど、どんなお薬で副作用はあるの?」
ご自身やご家族が認知症と診断されたり、もの忘れが気になったりしたとき、処方されることが多いのがアリセプトです。
アリセプトは、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の進行を抑える代表的な治療薬です。
この記事では、アリセプトの効果や正しい飲み方、気になる副作用、そして他の認知症治療薬との違いについて、医師がわかりやすく解説します。
目次
アリセプトとは?効果は?
アリセプトは、「ドネペジル塩酸塩」を有効成分とする認知症症状の進行を抑えるお薬です。
脳内で情報を伝える神経伝達物質(アセチルコリン)の減少を防ぐことで、記憶力や判断力などの認知機能の低下を抑える働きがあります。
アリセプトの種類(剤型)
アリセプトには、患者さまの飲みやすさや状態に合わせていくつかの種類(剤型)が用意されています。
- 普通錠(アリセプト錠 3mg / 5mg / 10mg)
- 水と一緒に飲み込む標準的な錠剤タイプです。
- D錠(口腔内崩壊錠 3mg / 5mg / 10mg)
- 水なしでも口の中でスッと溶ける錠剤です。
- 唾液で溶けるため、水分を飲み込む力が弱くなっている方や、錠剤を飲み込むのが苦手な方に向いています。
- 細粒(アリセプト細粒 0.5%)
- サラサラとしたサラ状の粉薬(小粒・サラサラしたタイプ)です。錠剤が飲めない方や、量を細かく微調整して服用したい場合に使用されます。
いずれの形でも有効成分(ドネペジル塩酸塩)の働きや効果自体に違いはありません。
ご家族の飲みやすさや状態に合わせて、医師・薬剤師と相談しながら最適なタイプを選択できます。
アリセプトの成分
有効成分は「ドネペジル塩酸塩」です。
脳内でアセチルコリンという神経伝達物質を分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを阻害し、脳内のアセチルコリン濃度を高めます。
アリセプトの効果
アルツハイマー型認知症およびレビー小体型認知症における認知症症状の進行を抑制する効果があります。
なお、認知症の病態そのものを完全に治したり、根本的な進行を止めたりするお薬ではありません。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
- レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制
※他の認知症性疾患(脳血管性認知症など)における有効性は確認されていません。
アリセプトはオンライン診療で出せる?
「親のもの忘れが気になり始めたけれど、病院に連れ行くべき?」
「アリセプトというお薬は、オンライン診療で出してもらえるの?」
認知症のお薬について、このように疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
原則として、認知症の確定診断が出ていない段階では、アリセプトを処方することはできません。
そのため、ウチカラクリニックでも初診の方へのアリセプトの処方は行っておりません。
アリセプトは、専門医による適切な診断のもとで使用を開始する必要があるお薬です。
「認知症かもしれない」と感じ、初めてお薬の服用を検討されている場合は、まずは脳神経外科、精神科、心療内科、またはお近くの「認知症疾患医療センター」などの専門医を対面で受診してください。
専門医による検査と確定診断を受けることが、適切な治療への第一歩となります。
ウチカラクリニックでは、
他症状のご相談やお薬の継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「待つのが苦手なお子様の受診」などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
アリセプトの使い方(用法・用量)
アリセプトは、飲み始めの消化器症状(吐き気や下痢など)を抑えるため、少量から段階的に増量して服用します。
- アルツハイマー型認知症の場合
- 通常、1日1回 3mg から開始し、1〜2週間後に 5mg に増量して服用します。
- 高度のアルツハイマー型認知症の方は、5mgで4週間以上経過後、10mg まで増量することがあります。
- レビー小体型認知症の場合
- 通常、1日1回 3mg から開始し、1〜2週間後に 5mg に増量して服用します。
- 5mgで4週間以上経過後、10mg に増量します(症状により5mgまで減量可能)。
※飲み始めの3mg/日投与は消化器系の副作用を抑えるための量であり、有効用量ではありません。原則として1〜2週間を超えてそのまま使い続けることはありません。
※医師や薬剤師などの医療従事者やご家族などの管理のもとで服用することが大切です。
アリセプトの副作用
主な副作用
- 消化器症状:
- 食欲不振
- 嘔気(吐き気)、嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 便秘
- 流涎(よだれ) など
- 精神神経系症状:
- 興奮
- 不眠
- 易怒性(怒りっぽくなる)、攻撃性
- 幻覚
- 徘徊
- めまい、眠気 など
- 循環器症状:
- 脈が遅くなる(徐脈)
- 動悸
- 血圧の上昇・低下 など
- その他:
- 手の震え
- 歩行障害
- 筋肉のこわばり
- 転倒、倦怠感、体重減少 など
副作用への対処法
飲み始めやお薬の量を「10mg」へ増やした直後は、吐き気や下痢などの消化器症状が出やすくなります。
これらの症状は、体が薬に慣れてくるにつれて落ち着くことが多いですが、症状がつらい場合は我慢せず医師に相談してください。
また、イライラ感や怒りっぽさ、徘徊や興奮などの精神症状が見られる場合や、ふらつき・歩行の異常が見られる場合は、お薬の量が合っていない可能性があります。
特にレビー小体型認知症の方は運動障害(錐体外路障害)が悪化しやすい傾向があるため、ご家族が異変に気づいた際は勝手に服用をやめず、速やかに主治医に相談しましょう。
アリセプトの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方(禁忌)
- 本剤の成分(ドネペジル塩酸塩)またはピペリジン誘導体に対し過敏症(アレルギー)の既往歴がある方(禁忌)
特に注意して使う方(慎重投与)
- 心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症、洞不全症候群、伝導障害など)や電解質異常(低カリウム血症など)のある方
- 消化性潰瘍の既往歴がある方
- 気管支喘息または閉塞性肺疾患(COPD)の既往歴がある方
- 錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群など)のある方
- 妊婦・授乳中の方
- 小児
併用に注意が必要な薬
- 他のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ガランタミン等)(禁忌)
- コリン作動薬(アセチルコリン、ベタネコールなど)やコリンエステラーゼ阻害剤(ネオスチグミンなど)
- CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシンなど)やCYP2D6阻害剤(キニジンなど)
- 抗コリン剤(トリヘキシフェニジル、アトロピン、ブチルスコポラミンなど)
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- 筋弛緩剤(スキサメトニウム塩化物水和物)
使用上の注意
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運転・機械操作の禁止 | 意識障害、めまい、眠気などがあらわれることがあるため、自動車の運転や危険を伴う機械の操作は行わないでください。 |
| 定期的な評価 | 認知機能検査や生活状況の確認を定期的に行い、効果が認められない場合は漫然と投与を継続しないようにしてください。必ず医師の指示に従いましょう。 |
| 運動機能の観察 | 特にレビー小体型認知症の場合、手の震えや歩行障害(錐体外路障害)が悪化することがあるため注意深く観察します。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 誤飲を防ぐため、乳幼児や認知症の方の手の届かない安全な場所で保管してください。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。
絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療では、様々なお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。


※心療内科ではシステム手数料をいただいております。
アリセプトをやめたらどうなる?(服用のやめ時・中断リスク)
「副作用がつらそう」「あまり効果が感じられない」といった理由で、ご家族の判断でアリセプトを突然やめてしまうケースがあります。
しかし、自己判断での中断は避けてください。
アリセプトの服用を急にやめると、それまで抑えられていた認知機能の低下が一気に進んでしまったり(症状のリバウンド)、状態の変化によって周囲との関わりに影響が出たりすることがあります。
効果の確認や副作用の有無を含め、投与継続の必要性は定期的に医師が評価します。
減量や中止を希望される場合は、必ず主治医に相談してください。

アリセプトに市販薬はある?値段は?
市販薬
アリセプトと同じ成分(ドネペジル塩酸塩)を含む市販薬(OTC)はありません。(処方薬のみ)
ジェネリック
アリセプトには「ドネペジル塩酸塩錠」「ドネペジル塩酸塩OD錠」などの名称で、各製薬会社からジェネリック医薬品(後発品)が販売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
| 薬剤名 | 区分 | 薬価 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| アリセプト錠3mg | 先発 | 236.7円 / 錠 | 約71円/ 錠 |
| アリセプト錠5mg | 先発 | 253.1円 / 錠 | 約76円 / 錠 |
| アリセプト錠10mg | 先発 | 189.1円 / 錠 | 約57円/ 錠 |
| アリセプト細粒0.5% | 先発 | 206.4円 / g | 約62円/ g |
| ドネペジル塩酸塩錠5mg | 後発 | 約29.3円〜 / 錠 | 約9円 / 錠 |
※2026年9月現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
アリセプト錠3mg/アリセプト錠5mg/アリセプト錠10mg/アリセプト細粒0.5%
ドネペジル塩酸塩錠3mg「DSEP」/ドネペジル塩酸塩錠5mg「DSEP」/ドネペジル塩酸塩錠10mg「DSEP」
アリセプト(ドネペジル)とメマリー(メマンチン)の違い
認知症の治療薬として「アリセプト」と「メマリー」が一緒に話題に上がることがよくあります。
- アリセプト(一般名:ドネペジル)
- 脳内のアセチルコリンを増やして神経伝達をスムーズにし、認知機能の低下を抑えます。
- アルツハイマー型認知症およびレビー小体型認知症に使われます。
- メマリー(一般名:メマンチン)
- 脳内のグルタミン酸の過剰な働きを抑え、神経細胞障害を防ぎます。
- 中等度〜高度のアルツハイマー型認知症に使われ、感情の昂ぶりなどを穏やかにする効果も期待されます。
作用する仕組みが異なるため、患者さまの症状や進行度に応じてアリセプトとメマリーを組み合わせて(併用して)処方されることもあります。
まとめ
アリセプトは、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の症状進行を穏やかにし、患者さまやご家族の生活を支える代表的なお薬です。
少量(3mg)からの開始ルールや、めまい・消化器症状などの副作用、自己判断で中断しないことなどの注意点を守って使用することが大切です。
「ご家族の物忘れが気になり始めた」
「通院の負担が大きくて定期的な受診が難しい」
そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。
- スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
- 対面診療と料金は変わらず、安心してご利用いただけます
- お忙しい方でも安心の年中無休で診療
- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
ご家族の体調やお薬に関する疑問・不安についても、経験豊富な医師がしっかりサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
妊娠中・授乳中でも使えますか?
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。授乳中の方は、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討する必要があります。
小児(子供)でも使えますか?
小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。基本的には成人のアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症の方へ処方されるお薬です。
運転しても大丈夫ですか?
自動車の運転や危険を伴う機械の操作は従事しないでください。認知症による判断力の低下に加え、本剤の副作用として意識障害、めまい、眠気などがあらわれることがあります。
いつから効き始めますか?
服用を開始してから効果が安定するまでに、およそ2〜4週間程度かかるのが一般的です。まずは3mgから開始し、1〜2週間後に5mgへ増量して治療量に達します。即効性を期待するお薬ではなく、進行をゆるやかにするためのお薬ですので、継続的な観察が重要です。
お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?
服薬中のお酒はお控えください。アルコールは脳の機能を低下させるほか、アリセプトの副作用(吐き気、めまい、ふらつきなど)を悪化させるリスクがあります。
飲み続けると痩せたり太ったりしますか?
アリセプトの副作用として「食欲不振」「嘔気」「体重減少」などが報告されており、飲み始めなどに痩せることがあります。一方で「太る」という副作用は一般的ではありませんが、生活環境や活動量の変化が影響することがあります。体重の大きな変化が見られた場合は医師にご相談ください。