コロナ後遺症の咳・味覚障害・頭痛・倦怠感はいつまで続く?医師が解説!
それは「コロナ後遺症(ロングコビット)」と呼ばれる状態かもしれません。コロナ後遺症は、感染時の症状の重さに関わらず、誰にでも起こりうるものです。
目次
コロナ後遺症とは?
まず、コロナ後遺症がどのような状態を指すのかを正しく理解しましょう。
コロナ後遺症の定義
世界保健機関(WHO)などによると、コロナ後遺症(Post COVID-19 Condition / Long COVID)は、
新型コロナウイルスに感染した人にみられ、少なくとも2ヶ月以上続く症状で、他の病気では説明がつかないもの
とされており、多くの場合、感染から3ヶ月経った時点でも症状が続いている状態を指します。
感染時の症状の重さと後遺症は関係ある?

感染時に重症だった方は後遺症のリスクが高い傾向にありますが、軽症や無症状だった方にも後遺症が現れるケースは数多く報告されています。
症状の重さと後遺症の有無は、必ずしも比例しません。
コロナ後遺症の原因
コロナ後遺症が起こる明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの仮説が考えられています。
- 体内にウイルスが微量に潜伏し続けることによる影響
- 免疫システムが異常に働き続けてしまうこと
- ウイルスによって自己抗体(自分の体を攻撃してしまう抗体)が作られてしまうこと
など、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
これってコロナ後遺症?症状チェックリスト
コロナ後遺症の症状は非常に多様で、全身のあらゆる場所に現れる可能性があります。ご自身の症状と照らし合わせてみましょう。
全身にみられる症状
- 倦怠感・疲労感(体を動かせないほどの強いだるさ。最も多い症状です)
- 関節痛・筋肉痛
- 時折、微熱が出る
呼吸器にみられる症状
- 咳(特に痰の絡まない空咳が続く)
- 少し動いただけでの息切れ・息苦しさ
- 胸の痛み・締め付けられる感じ
神経・精神にみられる症状(ブレインフォグなど)
- 頭にモヤがかかったように、思考力・集中力が低下する(ブレインフォグ)
- 物忘れが多くなる(記憶障害)
- 頭痛
- 睡眠障害(寝付けない、途中で目が覚める、寝すぎる)
- 気分の落ち込み、不安感
- めまい、立ちくらみ
その他の症状
- 嗅覚障害(匂いがしない)・味覚障害(味がしない)
- 脱毛・抜け毛
- 動悸
- 腹痛・下痢などの消化器症状
- 皮膚の湿疹、じんましん

コロナ後遺症はいつまで続くの?
多くの方が最も不安に感じるのが「この症状はいつまで続くのか」という点でしょう。
回復までの期間は人それぞれ

回復までの期間は、症状の種類や重さによって大きく異なり、一概には言えません。
数週間から数ヶ月で自然に改善していく方が多い一方で、半年から1年以上、症状が続く方もいらっしゃいます。
症状には「波」があることも

コロナ後遺症の特徴として、症状に「波」があることが挙げられます。
「少し良くなったかな」と思ったら、また症状が強く現れるということを繰り返す方が少なくありません。
そのため、少し調子が良い日でも無理をせず、自分のペースで過ごすことが非常に大切です。
コロナ後遺症は何科に行く?
つらい症状が2ヶ月以上続く場合は、我慢せずに医療機関に相談することが大切です。
まずは「かかりつけ医」か「内科」へ
まずは、普段からかかっている「かかりつけ医」や、お近くの「内科」を受診しましょう。
症状を総合的に診てもらい、他の病気の可能性がないかを調べてもらうことが最初のステップです。
症状に応じた「専門診療科」へ
かかりつけ医からの紹介や、ご自身の判断で、特に気になる症状に合わせた専門科を受診することも有効です。
- 咳・息切れが主症状の場合 → 呼吸器内科
- ブレインフォグ・頭痛 → 脳神経内科
- 気分の落ち込み・不眠 → 精神科・心療内科
- 動悸 → 循環器内科
- 脱毛・湿疹 → 皮膚科
「コロナ後遺症外来」という選択肢
近年、複数の症状を総合的・専門的に診療する「コロナ後遺症外来」を設置する医療機関も増えています。お住まいの自治体のホームページなどで情報を確認し、受診するのも良いでしょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、コロナ後遺症外来を行っています。気になる症状がある方はぜひ一度ご相談ください。
コロナ後遺症で日常生活や学校・仕事に影響が出ている場合の診断書の作成も可能です。

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コロナ後遺症の検査
コロナ後遺症を直接診断する特別な検査はありません。
そのため、検査は主に、症状を引き起こしている他の病気がないかを確認する「除外診断」のために行われます。
具体的には、血液検査、胸部X線(レントゲン)やCT検査、心電図などが症状に応じて実施されます。
コロナ後遺症の治療/薬
2025年8月現在、コロナ後遺症そのものを完治させる特効薬はまだ確立されていません。そのため、治療はつらい症状を和らげていく「対症療法」が基本となります。
長引く咳に
メジコン(デキストロメトルファン)

脳の咳中枢に直接作用することで、咳反射そのものを強力に抑えます。特に体力を消耗させるような、つらく激しい咳を鎮める目的で使われる一般的な咳止めです。
【詳しい解説はこちら】
→メジコン錠
カルボシステイン(ムコダイン)

痰の粘り気を調整し、サラサラにすることで体外へ排出しやすくします。痰が絡んでゼロゼロと鳴るような湿った咳の場合に、気道をスッキリさせる手助けをします。
【詳しい解説はこちら】
→カルボシステイン
→ムコダイン
麦門冬湯(ばくもんどうとう)

体や喉に潤いを与え、乾きを癒す働きがある漢方薬です。痰が切れにくく、顔が赤くなるほど咳き込んでしまうような、体力を消耗する乾いた咳(空咳)に特に効果的です。
【詳しい解説はこちら】
→麦門冬湯(ばくもんどうとう)
強い倦怠感や疲労感に
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

「元気の素」である”気”を補う代表的な漢方薬です。胃腸の働きを高めて栄養の吸収を助け、体の中からエネルギーを作り出すことで、病後の著しい体力低下や疲労感を改善します。
【詳しい解説はこちら】
→補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
頭痛や関節痛・筋肉痛に
アセトアミノフェン(カロナール)

脳の体温調節中枢や痛みを伝える神経に穏やかに作用する解熱鎮痛薬です。胃腸への負担が比較的少なく、幅広い年代の方に使いやすいため、まず最初に選択されることが多いです。
【詳しい解説はこちら】
→アセトアミノフェン
→カロナール
ロキソプロフェン(ロキソニン)

痛みの原因となる物質(プロスタグランジン)の生成を抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。炎症を伴うような関節痛や筋肉痛に対して、アセトアミノフェンより強い鎮痛効果が期待できます。
【詳しい解説はこちら】
→ロキソプロフェン
→ロキソニン
リリカ(プレガバリン)

過剰に興奮した痛みを感じる神経を落ち着かせる作用があります。ウイルス感染後に起こることがある、ジンジン・ピリピリとした神経障害性の痛みに対して使われることがあります。
【詳しい解説はこちら】
→リリカ
→プレガバリン
思考力の低下(ブレインフォグ)やめまいなどに
メリスロン(ベタヒスチンメシル酸塩)

内耳の血流を増やすことで、めまいの症状を和らげる目的で処方されます。メニエール病などにも使われる、めまいの治療では一般的なお薬です。
【詳しい解説はこちら】
→メリスロン
人参養栄湯(にんじんようえいとう)

気力と栄養(血)の両方を補い、心身の回復を助ける漢方薬です。疲労感や食欲不振、貧血、不眠などを伴う思考力低下(ブレ-ンフォグ)の改善が期待されます。
【詳しい解説はこちら】
→人参養栄湯(にんじんようえいとう)
自宅でできるセルフケア
焦らず、自分のペースで回復を目指すことが何よりも大切です。
最も重要なのは「無理をしない(ペーシング)」こと

「少し調子が良いから」と普段通りに活動すると、翌日以降に動けないほどの強い倦怠感(クラッシュ)に襲われることがあります。
1日の活動を予め計画し、何事も「疲れる一歩手前」でやめてこまめに休憩を挟む、「活動八分目」の意識が回復への一番の近道です。
質の良い睡眠を心がける
後遺症からの回復には、質の良い睡眠で体をしっかり休ませることが不可欠です。
毎日なるべく同じ時間に就寝・起床して生活リズムを整え、寝る前のスマートフォンやカフェインを控えることで、脳と体を回復モードに切り替えやすくしましょう。

栄養バランスの取れた食事

体の細胞が修復されるためには、その材料となる栄養素が必要です。
特に、筋肉や免疫細胞の素となるタンパク質(肉、魚、大豆製品)、体の調子を整えるビタミンやミネラル(野菜、果物)をバランス良く摂り、回復を内側からサポートしましょう。
ストレスを溜めない工夫
先の見えない症状は大きなストレスとなり、自律神経の乱れを招いて回復を妨げることがあります。
ゆったりとした深呼吸や軽いストレッチ、負担にならない程度の趣味(音楽鑑賞や読書など)の時間を作り、意識的に心と体をリラックスさせましょう。

コロナ後遺症のよくある質問
コロナ後遺症について、よくあるご質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。
子供もコロナ後遺症になりますか?
はい、お子さんにも後遺症が見られることがあります。大人の症状とは少し異なる場合もあるため、感染後に元気がない、集中力がない、頭痛を訴えるなどの変化があれば、かかりつけの小児科に相談してください。
受診や治療にかかる費用はどのくらいですか?
コロナ後遺症の診察や検査、処方されるお薬は、基本的に保険が適用されます。そのため、窓口での自己負担はかかった費用の1割〜3割となり、2-3,000円程度です。
ただし、検査内容や治療法によっては保険適用外となる場合もありますので、詳細は受診する医療機関にご確認ください。

ワクチンを接種していると、後遺症になりにくいですか?

研究により、ワクチン接種は新型コロナウイルスの発症や重症化を防ぐだけでなく、後遺症のリスクを低減させる効果があることが示唆されています。
仕事に復帰する際の注意点はありますか?
焦って以前と同じように働こうとすると、症状が悪化してしまうことがあります。
可能であれば、時短勤務や在宅勤務などを活用し、少しずつ体を慣らしていく「段階的な復帰」が望ましいです。産業医や上司に相談し、無理のない勤務形態を検討しましょう。

職場や家族など、周りの人はどう接すればいいですか?
コロナ後遺症のつらさは、外見からは分かりにくいものです。「怠けている」などと誤解せず、症状に波があることを理解し、本人のペースを尊重してあげることが大切です。
具体的なサポート(家事の分担、仕事の調整など)について、本人と話し合うことも助けになります。
味覚障害で食欲が出ないのですが、どうすればいいですか?
まずは耳鼻咽喉科などで専門的な診察を受けることをお勧めします。ご自宅では、
- 温度(温かい・冷たい)や食感(サクサク・つるつる)を楽しむ
- 出汁の旨味やハーブ、香辛料、酸味などを活用して風味を補う
- 栄養補助食品やプロテイン飲料で栄養を確保する
といった工夫を試してみてください。
疲れやすくて日常生活も困難です。何か対策はありますか?

コロナ後遺症で最も多く、つらい症状が倦怠感です。対策の基本は「無理をしない(ペーシング)」に尽きます。
「少し調子が良いから」と頑張りすぎず、家事や仕事は細かく分け、こまめに休息を挟むようにしましょう。ご家族や職場に状況を伝え、理解と協力を得ることも非常に重要です。
コロナ後遺症はオンライン診療でも診察できますか?
はい、オンライン診療が可能です。特に、倦怠感が強く外出が困難な方にとっては、自宅から専門医の診察を受けられるメリットは大きいです。かかりつけ医に相談したり、オンライン診療に対応している後遺症外来を探したりしてみましょう。
コロナ後遺症はウチカラクリニックに相談を
コロナ後遺症からの回復には、「無理をしない(ペーシング)」といったセルフケアが何よりも基本となります。しかし、咳や倦怠感、ブレインフォグなどのつらい症状が続く場合には、症状を和らげるためのお薬や専門的なリハビリが大きな助けになります。
「療養期間は終わったのに、いつまでこの不調が続くんだろう…」
「体がだるくて病院に行くのもつらいけど、専門の先生に相談したい」
そんなときは、通院の手間なく専門医に相談できるウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。
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- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
通院の時間や手間をかけずに、ご自身の症状に合った薬の処方や、今後の治療方針について専門医に相談することが可能です。一人で悩まず、ぜひ一度お気軽にご相談ください。