味覚障害の原因・治し方は?コロナ後遺症や亜鉛不足への対策を医師が解説!
「口の中に何もないのに苦みや渋みを感じる」
「風邪やコロナが治った後も、味覚が戻らない」
毎日の食事の楽しみを奪ってしまう味覚障害。
単なる体調不良と思われがちですが、背景には亜鉛不足や薬の副作用、あるいは感染症の後遺症など、さまざまな原因が隠れています。
放置すると食欲低下や栄養不足につながるため、早めの対処が大切です。
本記事では、味覚障害の原因から症状のチェックリスト、自力でできる対策、そしてオンライン診療で相談できる治療法について詳しく解説します。
目次
味覚障害とは?
味覚障害とは、食べ物の味が分からなくなったり、本来の味とは違う味に感じたりする状態を指します。
舌にある「味蕾(みらい)」というセンサーの機能低下や、味の情報を脳に伝える神経のトラブルによって起こります。近年では、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症の後に「味覚が戻らない」と相談される方が増えています。

味覚障害の原因|コロナやインフルエンザの後遺症?
「味がしない」「何を食べても美味しくない」といった味覚障害は、さまざまな原因で引き起こされます。
近年特に増えているのが、感染症の後遺症によるものです。
コロナ・インフルエンザ感染後の後遺症
新型コロナウイルスやインフルエンザなどのウイルス感染により、鼻の粘膜や味を感じる神経がダメージを受けることで発症します。
「熱は下がったのに味覚障害だけずっと治らない」「いつから味が戻るのか不安」と悩む方が非常に多いですが、ウイルスによる細胞のダメージが修復されるまでには時間がかかります。数週間で自然に回復することが多いですが、1ヶ月以上長引く場合は医療機関での治療が必要です。

副鼻腔炎(蓄膿症)やドライマウスなどの「鼻・口の疾患」
「味がしない」と感じる原因が、実は「鼻」や「口の渇き」にあるケースです。 副鼻腔炎(蓄膿症)などで鼻が詰まると、食べ物の「匂い(風味)」が脳に伝わらなくなり、味がしないと錯覚してしまいます(風味障害)。
また、過度なストレスや加齢で唾液が減り、口の中が乾燥する(ドライマウス)と、食べ物の味成分が溶け出さず味を感じにくくなります。
亜鉛不足|最も多い原因
味覚障害の原因として最も多いのが亜鉛不足です。舌にある味を感じる細胞(味蕾:みらい)は新陳代謝が非常に活発で、細胞を新しく作り出すために大量の「亜鉛」を必要とします。
偏った食生活や過度なダイエットなどで亜鉛が不足すると、細胞の再生が追いつかなくなり、味覚が鈍ってしまいます。

薬の副作用
高血圧の薬、痛み止め、抗生物質など、日常的に飲んでいる一部の薬が、体内の亜鉛を尿と一緒に排出してしまったり、吸収を妨げたりすることがあります。これを「薬剤性味覚障害」と呼びます。
「最近、新しく薬を飲み始めてから味が分かりにくくなった」という場合は、薬の副作用の可能性が考えられます(※自己判断で薬を中断せず、まずは主治医にご相談ください)。
味覚障害の症状|セルフチェック
ご自身の症状が味覚障害に当てはまるかどうか、以下の項目でセルフチェックしてみましょう。「味が全くしない」以外にも、味覚障害には様々な現れ方があります。
- 何を食べても味が全くしない、または極端に薄く感じる(味覚消失・減退)
- 「甘みだけ」「塩味だけ」など、特定の味だけが分からない(解離性味覚障害)
- 何も食べていないのに、常に口の中が「苦い」「渋い」などの味がする(自発性異常味覚)
- 本来の味とは違う味に感じる、何を食べても嫌な味がする(異味症・悪味症)
- 味だけでなく、食べ物の「匂い(風味)」も分からなくなった
- 新型コロナウイルスやインフルエンザに感染してから、味の感じ方がおかしい
- 最近、血圧の薬や痛み止めなど「新しい薬」を飲み始めた
- 常に口の中がパサパサに乾いている(ドライマウス)
特に「味が全くしない」「嫌な味がする」といった症状は、毎日の食事の楽しみを奪い、食欲低下や栄養不足に直結してしまいます。
味覚障害の治療と代表的な処方薬
味覚障害の治療は、不足している栄養素の補給と、原因となっている疾患の改善が基本です。
ウチカラクリニックのオンライン診療では、以下のような処方を行っています。
| 薬剤の種類 | 代表的な薬名 | 役割とメリット |
|---|---|---|
| 亜鉛製剤 | プロマックなど | 不足している亜鉛を直接補い、味を感じる細胞(味蕾)の再生を促します。 |
| ビタミン剤 | メチコバールなど | ビタミンB12を補給し、ダメージを受けた味覚神経の修復を助けます。 |
| 漢方薬 | 補中益気湯など | 全身の倦怠感を伴う後遺症や、食欲不振がある場合に。体力を回復させ味覚の改善を助けます。 |
| 点鼻薬 | ステロイド点鼻液 | 鼻づまり(副鼻腔炎)が原因で味が分からない場合に、粘膜の炎症を抑えます。 |
味覚障害の治療は原因に応じて行われ、亜鉛不足が原因の場合は亜鉛補充、薬剤が原因の場合は薬の見直しなどが行われます。適切な治療により改善することも多いため、早めの対応が重要です。
味覚障害は何科を受診するべき?
味覚障害でお悩みの場合は、迷わず「耳鼻咽喉科(じびいんこうか)」を受診してください。
「味がしないのだから内科や歯科では?」と思うかもしれませんが、味覚や嗅覚のメカニズム、そして味覚障害の原因となる副鼻腔炎などの鼻の疾患を専門的に診断・治療できるのは耳鼻咽喉科です。
受診の際は、いつから味がしないのか、コロナやインフルエンザに感染したか、鼻づまりはあるかなどを医師に伝えるとスムーズです。

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味覚障害のセルフケア・対策
日々の生活の中で、亜鉛を意識した食事と口腔ケアを取り入れましょう。
- 亜鉛を多く含む食事: 牡蠣(カキ)、赤身の肉、レバー、ナッツ類、卵などを積極的に摂りましょう。
- ビタミンCと一緒に摂る: ビタミンCは亜鉛の吸収率を高めてくれます。
- 口腔内を清潔に: 舌苔(ぜったい:舌の白い汚れ)が溜まっていると味を感じにくくなります。優しくケアしましょう。
- 加工食品を控える: インスタント食品に含まれる添加物(ポリリン酸など)は亜鉛の吸収を妨げる性質があるため、摂りすぎに注意です。

味覚障害が続くと、食事量の低下や栄養不足につながることがあります。医療機関では原因を評価し、適切な治療を行うことが可能です、症状が続く場合は、自己判断せず医療機関での相談を検討しましょう。管理が重要になります。
まとめ
味覚障害は「たかが味のこと」と放置されがちですが、食事を楽しめないストレスは想像以上に大きいものです。
- 「亜鉛不足」や「感染症後遺症」が主な原因。
- 放置せず、お薬で亜鉛やビタミンを補うことが完治への近道。
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FAQ|味覚障害のよくある質問
コロナ後の味覚障害は、いつまで(どのくらいの期間)続きますか?
個人差が大きいですが、多くの方は発症から2週間〜1ヶ月程度で徐々に回復していきます。ただし、中には数ヶ月〜半年以上ずっと治らない方もいるため、1ヶ月経っても改善の兆しがない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
自分でできる治し方や、食べた方がいいものはありますか?
味覚細胞の再生を助ける「亜鉛」を意識して摂ることが大切です。牡蠣(かき)、レバー、牛肉、卵、大豆製品などに多く含まれています。食事だけで補うのが難しい場合は、亜鉛サプリメントを活用するのも有効です。
「甘みだけ」「塩味だけ」など、特定の味が分からないこともありますか?
はい、あります。これを「解離性(かいりせい)味覚障害」と呼びます。「甘いものだけ味がしない」「何を食べても苦く感じる(自発性異常味覚)」など、味覚障害の現れ方は人によって様々です。
亜鉛の薬を飲めばすぐに治りますか?
お薬を飲んですぐに(翌日に)治るものではありません。味覚細胞が新しく生まれ変わるサイクルには時間がかかるため、亜鉛の処方薬を飲み始めてから効果を実感するまでには、早くても数週間、通常は1〜3ヶ月程度の継続治療が必要です。